レトロスポットガイド「昭和チック天国」
大野由美
昭和レトロ商品博物館
”グリコのキャラメル”といえば、誰もが両手を挙げた笑顔のランナーを思い浮かべるだろう。キャラメルそのものの味よりも強烈に焼き付いているかもしれない。ここ「昭和レトロ商品博物館」に貼られていた同館のポスターもグリコのパロディだった。如何に商品のパッケージデザインが私達の中に広く根付いているかがわかる。「パッケージは文化である」というコピーも頷ける。普段何気なく目にし、手にする物一つ一つに、その時々の世相や技術の進化が反映されているのだ。一見、流行とは無縁そうな駄菓子や学用品等も、あしらわれるアニメやヒーローの絵が人気により移り変わっている。歯磨き粉のように、中身の形状により袋からチューブへと変わった物もある。また、TVでもお馴染みの”ライオンちゃん”(が正式名称?)、彼はかつては図鑑に出て来るようなタッチで描かれたライオンだった。会社の発展と共に変化していったのであろう。すっかり丸くなった現在の姿と比べると、さぞかし様々な紆余曲折を経た事かうかがえる。前述のグリコのランナーだって、長年走り続ける間に顔立ちも体型も垢抜けてきた。昔は、素朴な田舎の青年みたいな顔してたのに。やや二枚目風になり、手足までスラリと伸びて…。そんな風に、会社を象徴するキャラクターの違いを確認するのも面白い。まさに物は世につれ、だ。ただ不満が残るとすれば、玩具である。これはパッケージだけを見ても、実際に遊んだ事が無いと面白さが伝わりづらいし、ボードゲームなど遊び方の説明があれば良かったのでは。それに、男の子向けの物が中心なのも気になった。女の子向けの物がもっとあっても良いと思う。ママレンジとか、マリちゃん自転車とか、ピンクレディーグッズとか…。今、挙げた物に懐かしい!と感じた人ならば、充分に楽しめるはずである。他にも薬の袋やホーロー看板等の味わいで昭和時代に浸れるプチタイムトリップしてみてはいかがだろう。
所在地 〒198-0045 東京都青梅市住江町65
開館時間 10:00〜17:00
休館日 月曜日および年末年始 ※展示替え等のため、臨時休館日があります。お電話でお確かめください。
入場料 大人200円 小・中学生100円 団体(10名以上)150円 小・中学生80円
問合せ先 0428-20-0234
Eメール retro-museum@cat.email.ne.jp
URL http://www.ne.jp/asahi/retro/showa/
映画看板の並ぶ青梅駅前の商店街にあり、建て物は店として使われていたもの。
1階は昭和30年代、40年代の物を中心に駄菓子、日用雑貨のパッケージ、玩具、文房具等の展示。古今東西の飲料缶コレクション、コカコーラグッズの展示もスゴイ。
テーマごとに変わるギャラリーも有り、2階は久保昇氏により復元された映画看板が展示されている。関連書籍の販売有り。喫茶店「となりのレトロ」併設。
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