おもちゃは「生活の文化財」
〜日本玩具資料館〜
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アカデミア青木
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※平成16年3月をもって閉館いたしました。
隅田川を臨む街、浅草。松屋前から隅田公園を過ぎ、更に南千住方面へと向かう川沿いの道を進むと「ツクダグループビル」が見えてくる。この9階に「財団法人 日本玩具資料館」がある。この資料館を設立したのは、玩具卸「ツクダ」の創業者佃光雄氏。子供たちに使われ、壊れ、捨てられていく玩具達を、時代や世相、文化を写し出す「生活の文化財」と考えていた佃氏は、その保存を業界関係者に訴え、自社の1フロア−を展示のために提供した。その熱意が実り、資料館は昭和56年9月にオープンした。
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受付 |
展示品は、(1)メーカー各社が持っていたサンプル、(2)輸出する玩具を検査する「輸出玩具登録組合」が持っていたサンプル、(3)資料館発足後に館で収集したもの、(4)研究者や関係者からの寄贈品、などに由来するもので、「年代別」、「材質別」、「用途別」に展示されている。
展示室の壁面には、玩具の入ったケースが年代別に並んでいる。一番入り口に近いケースが、「昭和5-25年」、そこから反時計回りに「26-37年」、「38年」、「39年」、以降、各年のケースが続く。昭和30年代までは輸出が多いせいか、玩具の子供の顔を見ると欧米風のものが多い。40年代になるとテレビのキャラクター物が増える。展示を通じて、玩具の歴史を実感できる。また、ボーリングゲームや変身ベルト、パンダのぬいぐるみなどを見ていると、当時の記憶が鮮やかに蘇る。「おもちゃは時代を映すタイムマシーン…」と当館のパンフレットに書いてあるが、実にその通りなのだ。
材質別、用途別(ジャンル別)のケースは、壁面のケースに囲まれるような形で置かれている。おもちゃの電話やロボット、ゴジラ物、人形、紙製玩具等のケースを覗いていくと、そのバリエーションの豊富さに目を奪われる。
この館の特色は、玩具が「動く状態」で保存されていること。館内には、展示してある玩具を実際に動かして来館者に見せるコーナーや、来館者が自由に玩具で遊べるコーナーもある。とはいえ長い間使っていれば、玩具のあちこちにガタが来る。そこで修理しなければならないのだが、これが意外と難しい。玩具の多くは「修理して使う」ことを前提に設計されていないからだ。修理のために規格にない部品を一から作らなければならない時もある。関係者のご苦労も並大抵のものではないが、これからも玩具の魅力を伝え続けていってほしい。
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主任の茂塚 茂氏 |
2003年3月10日更新
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