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アカデミア青木

第1回 お年玉付き年賀状の賞品移り変わり


年賀切手この番組は、昭和30年、40年代のデータを発掘して、あれこれ今と比べてみようという番組です。官公庁の統計から学校のクラスのアンケートまでとデータ源は多岐にわたっていますが、内容は決してお堅くはありません。当時のことを思い出しながら、気楽にご覧になって下さいませ。

(昭和30〜49年、平成14年)

年賀切手
年の初めのお年玉付き年賀状。ワクワクしながら抽選日を指折り数え待つものの、当日の戦果は「切手シート」というのが年中行事と化している。ここでその「お年玉」のリストを改めて眺めてみると、各時代の「欲望の形」が透けてくる。デフレに苦しんでいた昭和30年には、配給時代の名残なのか「4等 石鹸3個」とある。年賀切手31年の特等は「三種の神器」(電気洗濯機、冷蔵庫、掃除機)の一つ「電気洗濯機」。この頃の当局は庶民の夢に敏感だった。中性洗剤がブームになる33年になると石鹸が賞品から消え、栄枯盛衰を感じさせる。34年1月1日より「メートル法」が施行されるのに合わせて、「4等 メートル尺」が現れるのは国策によるものなのか。また、この年の2等は「トランジスタラジオ」で、以後トランジスタ製品が続々と賞品に採用される。36年のトランジスター掛時計、43年のトランジスタテレビ、44年のトランジスタラジオ時計…。ここから電子立国日本の歩みが見て取れるのではないか。年賀切手41年からは特等が廃止され、1〜3等の当選率が上がった。その1等賞品は、40年の特賞と同じくポータブルテレビ。当選数が増えたということは、その分コストダウンがうまくいったのだろう。カー、クーラー、カラーテレビが「3C」と呼ばれたのもこの年である。特賞が無くなってからのトップ賞品には、こじんまりとしたものが多い。トランジスタテレビや8ミリ撮影・映写機セットなど、庶民にも手の届く品物になっている。そして、今年平成14年の1等賞品は液晶テレビ、ノートパソコン、カーナビゲーションなど5品から1つを選ぶというやり方。同じような物を持っている人が多いため、こんな「5択の1等賞品」という形をとっているのだろうが、これではあまりにも夢がない。ここは「特賞」を復活させて、電気自動車や介護用ベッドでもプレゼントしてみてはいかがなものだろうか。郵政事業庁殿。


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