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「脇役列伝」タイトル

ヒーロー研究家立石一夫

 悪役・進藤英太郎賛歌

「家光と彦左と一心太助」


 少年時代、東映時代劇に身も心も捧げていた。「怪傑黒頭巾」の大友柳太朗、「若さま侍捕物帖」の大川橋蔵も格好良かった。勿論、千恵蔵・右太衛門の両御大も華があった。だが最近痛感することは、東映という会社は悪役スターの宝庫でもあったようだ。
 時代劇映画に悪役は欠かせない。現在のテレビ「水戸黄門」を見ればそれが手に取るように判る。月形龍之介、山形勲、原健策他数え上げるとキリがない。
 その中で一際光っていたのが、進藤英太郎である。片岡千恵蔵の当り役に、多羅尾伴内がある。クライマックスで彼が、「ある時は片目の運転手、またある時は中国の大富豪、しかしてその実態は?・・・」としゃべると客席も身を正して聞いていたものである。
 ほとんどが敵の巣窟であるナイトクラブの地下室が多かった。敵のボスには、進藤が扮するのがピタッとハマったものである。
 この役だけは他の役者じゃいけない気がする。これから射たれることが判っていても大人しく、相手の決めゼリフを聞く潔さ。そして相手の正体を知って驚く仕草。どれを取っても一級品の進藤である。本当は口を開けてはいないが、まるで大口を開けたかのような大らかさは彼以外には出来ないだろう。
 生家の家業であるカムチャッカ漁業を継いだり、雑貨商や海産物商なども経験。これらが彼の役作りに寄与していると思われる。
 関西新派の舞台を経ての映画入り。脇役、悪役何でもござれ。晩年は喜劇映画でも、存在感を誇示していた。
 植木等の「無責任シリーズ」での、重厚な演技も特筆される。
 メリハリの効いた科白回し、押し出しの良さなど天賦の才があった。1953年には、ブルーリボン助演男優賞も獲得している。彼のベスト作品は、「家光と彦左と一心太助」の大久保彦左衛門役ではないか。


進藤英太郎
生 M32.11.10
没 S52.12.18
<出身>福岡市大名町
<本名>真藤辰五郎
脇役、悪役で活躍。東映など時代劇、現代劇を問わず出演数620本に達する。晩年はクレージーキャッツの喜劇映画で絶妙の存在感を示す。


2004年3月12日放送開始
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