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二時限目 水銀の不思議
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真夏本番、水銀柱がうなぎのぼり、この夏一番の38度を記録いたしました。
「水銀柱がうなぎのぼり」−僕らの時代には良く聞いた言葉ですが今の子供達には理解できない言葉かも知れません。
そうです、僕らの時代温度計には水銀が入っていたのです、体温計にも。
水銀のガラス壁面にくっつかない性質を利用して温度計・体温計などに用いられていたのです(光の具合や見る角度を調整するのに苦労させられました)。現在の色つきや、デジタル表示の温度計・体温計にくらべると非常に数値が読みにくかったのです。ガラスの体温計など折れると中から水銀がこぼれだし、ころころした玉になり掴もうとしてもなかなか掴めず、面白い遊び道具にしたものです。
しかし、水銀で遊んでいると親から口に入れると死ぬよとおどかされびっくりした記憶が有ります。そうです、水銀は毒性が高いのです、それで一般家庭の体温計などには使用されなくなってしまったのです。
【水銀=mercury】原子番号=80・原子量=200.59・元素記号=Hg
水銀は、常温(25℃)で液体の唯一の金属なのです。
密度は13.6g/cm3で圧力の単位mmHgの基準になっており、ガリレオ・ガリレイの弟子であったトリチェリが測定した、大気圧1気圧=760mmHgであり1気圧とは760ミリ・メートルの水銀柱ということなのです。
理科の実験室には必ず置いてあり、ガラスの瓶に入っていましたが持ち上げようとするとずっしりと重く水銀はただ者では無いということを実感したものです。
赤チンお世話になりました、擦り傷といえば赤チン、塗った後がキラキラした摩訶不思議な金属色に輝き感動したものです。これも無機水銀の殺菌作用によるものです、水銀の毒性ゆえに使用されなくなってしまいましたが、本当によく効いた・・・残念なことです。
水銀を寝ている人の耳の穴から入れると、脳にまで達して人を殺すことが出来るという話が有ります。
ヨーロッパで昔の墓を掘り出して頭蓋骨を調べてみたら中から水銀が出てきたのでこの人は水銀を耳から入れられて殺されたのだとわかったとか。この水銀殺人事件の話は私めの勘違いでしょうか、昔本で読んだような気がするのですが、今調べてみると何処にもでていないのですトホホ、これが事実と知っている人がいたら教えて下さい、出典も含めてお願いいたします。
2002年7月24日更新
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