先日フルーツトマトなるものを食しました。
ただ、ただ甘いだけでトマトとは言えない奇妙な食べ物でした、ハッキリ言って不味い。
私達の時代、トマトと言えば夏の野菜の代名詞みたいなもので、もぎたてのトマトをちょっと洗ったままでガブリ、日向臭くてみずみずしくて美味しかったものです。
井戸水で冷やして食べられれば最高でした。
中学時代、放送陸上大会(昔は中学生の全国大会が無かったので、NHKが全国の記録のみを比較して日本一を決定していた大会です)で近所の農家から失敬して食べたトマトの味が今でも忘れられません。
農作物の品種改良、遺伝子組み換えなど安全性などで問題もありそうですが、今後の食料事情を考えれば必要であることは理解できます。
ただ、懐かしさと言う点では残念な気もします。
トウモロコシなどもただ単に甘くなり過ぎて、醤油を付けて焼いたあの香ばしさ(トウモロコシと言うより、醤油の味だった気もしますが)が懐かしく思い出されます。
屋外で食べたトウモロコシの香ばしさ、今の子供達にも味わってほしいものですね。
懐かしさに浸っている場合では無い、今回はおもな農作物の起源地のはなしです。
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作物の起源地、野生から最初に栽培化が行われた場所は、各種類ごとに一つの場所に限られているそうで、同じ作物が地球上の色々な場所で作物かされた例は極めて稀だと言うことです。
作物の起源地は、地球上のほぼ8ケ所に集中しており、それもカスピ海西岸からトルコにかけての西アジア地域や南アメリカのアンデス高地など、かなり限られた地域に多くの主要作物の起源地が集中しています。
また、これらの起源地はいずれも古代文明の発祥地に近いことが特徴です。
逆に、近くに作物化できる性質を持った野生植物がたくさん生えていたことが、文明を発展させた要因であったと言えそうです。
各作物は栽培化されたのち、しだいに起源地から遠く離れた地域に伝えられました。
小麦などは5000年以上も前に民俗移動によってヨーロッパに伝播されたとのこと、驚きです。
また、新しい作物が伝えられることによって、文化が大きく変容したとも言われています。
約2300年前に日本に伝播した稲作技術は、縄文時代から弥生時代への移行を促したそうです。我が日本列島は植生は豊かですが、野生植物から作物化されたものは極めて少なく、ほとんどが伝来による作物だという事です。
ところで日本固有の作物って何?皆さんが考えられる作物があったら教えて下さい。
お茶も中国だし、刺身は魚の加工・料理方法だし、わからん。
我が国日本は、工業製品にしても然り、与えられた素材を加工する智恵は世界一、料理方法も世界一、オリジナリティーと言う点では今一つ疑問が残る国民と言えるかも知れませんね。
2003年8月11日更新
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