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三時限目 数字のまやかし |
最近コンビニ、スーパー等で良く見かける風景に、自分の買った商品の合計金額の予測がついていないので、レジで支払が滞ってしまうという事があります。電卓等の発達で、自分で計算をするという事が少なくなってしまった所為なのでしょう。
昨今の教育方針が、大きな数を計算させる事をしなくなっている事も大きな原因と思われます。
私達日本人は、掛算の九九を勉強してきましたが、それですら怪しくなってきています。
つまり数字の概念が頭の中に入らなくなってきているのではないでしょうか。
インド人は、もっと大きな数字の掛算を小さい頃から習っているとのことで、数字に関する概念はかなり優れているといわれています。
中央教育審議会の『「総合的な学習の時間」の一層の充実に向けて(2003年6月16日)-上野健爾 氏』の文章の中に以下のような行がありました。
『基礎・基本を身につけるためにはむずかしいことを学ばなければならない。これは江戸時代からの鉄則である。この鉄則が、現行の学習指導要領と教科書に根本的に不足している。たとえば小学校算数の内容は、江戸時代の寺子屋以下である。
江戸時代を通してベストセラーであり、我が国の数学の力を世界一に導いた塵劫記(1627年刊)では、億の位の計算が必要になる文章題がたくさん登場する。江戸時代に億の単位の数は実生活では必要なかった。それにも関わらず、大きな数の計算を取り扱ったのは、そのことを通して計算の工夫を学び、その面白さを実感させるためであった。こうした、素晴らしい数学教育の伝統は、新指導要領には微塵も残されていない。兆の単位が飛び交う世界に住む子ども達が、二桁かける二桁の筆算しか学ばず、あとは電卓でというのは無責任きわまりない暴挙である。電卓で育った世代の英国人は、手持ちのお金でどれだけのものが買えるか、おおよその計算ができずに、スーパーでの買い物に苦労していると報告されている。』
私のようなおじさんの感じた事を、専門家も感じているのですね。
そこで、今回は数字の単位を紹介します。
■ 大きくなる単位
一・十・百・千・万・億・兆・京(けい)・垓(がい)・丈(し)・壌(じょう)・溝(こう)・砂(かん)・正(せい)・載(さい)・極(ごく)・恒河沙(こうがしゃ)・阿僧梢(あそうぎ)・那由他(なゆた)・不可思議(ふかしぎ)・無量大数(むりょうだいすう)
■ 小さくなる単位
割・分・厘・毛・割(わり)・分(ぶ)・厘(りん)・毛(もう)・糸(し)・忽(こつ)・微(び)・繊(せん)・沙(しゃ)・塵(じん)・埃(あい)・渺(びょう)・漠(ばく)・糊(もこ)・逡巡(しゅんじゅん)・須臾(しゅゆ)・瞬息(しゅんそく)・弾指(だんし)・刹那(せつな)・六徳(りっとく)・空虚(くうきょ)・清浄(せいじょう)
数字の単位の中には、私達が日常使っている言葉もあるものですね。
2003年11月26日更新
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