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「脇役列伝」タイトル

ヒーロー研究家立石一夫

 ニヒルな敵役・成田三樹夫


 山形大学英文科に入学したというから、このまま進めばエリート街道まっしぐらも夢ではなかったろう。ところがこの人、演劇研究会で芝居の面白さに取りつかれ、いつの間にか脇道を歩むことになった。
 59年俳優座養成所に入り、同期には松山英太郎、中村敦夫らがいる。
 63年卒業と同時に、大映と専属契約を結び「高校三年生」でデビュー。何だか場違いな青春映画に出演も運命の皮肉であろうか。
 以後、「殺られる前に殺れ」「検事霧島三郎」「ごろつき犬」などで徐々に頭角を現わす。
 この俳優の魅力は、(1)端正な容貌(2)ニヒルな雰囲気(3)低音でメリハリのある口跡、に尽きるだろう。
 まさに俳優になるために、そして敵役になるために生まれて来た男だろう。
 巷では「座頭市地獄旅」(65年大映)の市と対決する浪人役が大層評価されている。
 だが私はテレビ時代劇の「編笠十兵衛」で、主演の十兵衛(高橋英樹)と対決する用心棒役の成田が一番ハマリ役で心に残っている。片腕を斬られてからの成田の演技は鬼気迫るものがあり毎週ブラウン管の前に釘付けになったことを30年経った現在でも鮮明に思い出す。
 この番組では、十兵衛をバックアップする片岡千恵蔵扮する中根正冬と共に成田の演技は千金の価があった。「編笠十兵衛」は、私の好きな池波正太郎の原作であるがこの番組ほど次週が待ち遠しく感じられる番組がそれ以降ないのは少々寂しい。
 大映退社後はフリーで活躍。東映「仁義なき戦い」でも主役の文太アニイを食う存在感を見せつけてくれた。時代劇、現代劇、任侠路線を問わずオール・ラウンドプレーヤーとしての実力は高く評価されている。もうこんな憎たらしい悪役の出来る俳優は2度とお目にかかれないかも知れない。90年に55歳の若さで死去したのは、全く惜しい。

成田三樹夫

 晩年は「探偵物語」で松田優作とのからみで従来にないコミカルな三枚目ぶりが話題となっただけに生きていればどんなに素晴らしい役者になったか、興味は尽きない。


生 1935・1・31
没 1990・4・9
<出身>山形県酒田市
四男一女の四男
代表作
映画
「兵隊やくざ」
「座頭市地獄旅」
「ある殺し屋」
テレビ
「編笠十兵衛」
「探偵物語」
「江戸を斬る3」


女性コメディアンの第一人者・若水ヤエ子
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2004年6月24日更新
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