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「プラモ線の旅」タイトル

今柊二

「素晴らしいビッグワンガム」


 今思えば、100円ヤマトだけではなく、小学生の頃にはずいぶんと100円の箱プラモを買っていた。アオシマの「ミニ合体」系プラモデルも買ったし、イマイの「ロボダッチ」シリーズもよく買った。個人的にはロボダッチシリーズはとても好きだった。丸くて親しみ深いキャラクター(キャラクターデザインは『サブマリン707』の小澤さとる)もよかったが、ギミックというか動きが素晴らしかった。手足の動きも非常にフレキシブルであった。さらに塗装不要の3色構成、接着剤不要というつくりやすさも印象的だったが、何しろパーツとパーツの合いがとても良かった。さすがはサンダーバードに代表されるキャラクタープラモデルを得意とするメーカーだけのことはあった。ちなみに、イマイはサンダーバードブーム後の1969年に倒産してしまい、そのときにバンダイがイマイの清水工場の経営に乗り出し、バンダイはプラモデル業界参入への足がかりをつくり、後のバンダイのプラモデルの隆盛につながったのだった。また、イマイは1970年の再建後、前述のロボダッチでずいぶん売上げをあげた。余談だが、ロボダッチのジオラマ、『ロボッ島』の大島は、『サンダーバード基地』が流用されたとのことだ。
 さて、このような100円プラモは前回も記したように、模型店で買うよりはむしろ駄菓子屋などで買うことの方が多かった。100円というのは、子供にとって気軽に買える値段であり、とても意味のある値段であったのだ。小さい時から私は、強度の「ものつくり依存症」になっていて、いつも何かをつくっていたい要求にかられていた。であるからして、プラモデルが入手できないときは、紙とセロテープでむりやり様々なギミックのついたロボットをつくったり、戦艦をつくったり、さらには折紙の専門書を読み、技術を修得して複雑な飛行機やら自動車も折ることができるようになったのだった。今でも折紙はかなり得意だが、このようなスキルがついたのも、私の家が貧乏でふんだんににプラモデルやおもちゃを買ってもらえなかったからだろう。

 しかしながら、紙でつくった戦艦や、ロボットはさすがに見映えは悪いし、折紙も所詮は折紙だ。かといっていつも超合金やウォーターラインなどの高いプラモは買うことはできない。であるからこそ、ある程度の見栄えのよい出来上がりとなる100円プラモは価値があった。そんなところに登場したのが「ビッグワンガム」である。発売はカバヤである。発売開始は1978年4月らしいが、なんだか私の印象ではもっと前からあった気がする。これをはじめて近所の大沢(八百屋兼食料品店)でゲットしたときは実にシビれた。箱に小さい丸い穴が空いていて、そこから自分の欲しい種類を選べるようになっていたのもイカしていた。最初のシリーズは全部で10種類あって、SLのD−51、ライフルなどに混じって、戦艦大和とエンタープライズなど、私の大好きな艦船もあった。最初はもちろん、大和を買った。素材はややフニャフニャしたプラスチックだったが、はめ込み式で接着剤不要、さらに出来上がった後はシールでさらに見栄えをよくすることができたのだった。出来上がりもカッコよく、砲塔が回転するなどギミックもあったから、そりゃもうご機嫌である。土曜の夕方にビッグワンガムを買って、夕食後ドリフの「8時だよ全員集合」を見つつ、組み立てるのが人生最高の幸せに思えたぞ、当時は。(続く)

カバヤ『世界の神話』シリーズ

「最近のカバヤで最も素晴らしい
『世界の神話』シリーズ」

※なお、カバヤのHPではかつてのビッグワンガム情報を見られます(カバヤのHPは検索エンジンですぐ出ますので)。


2002年9月5日更新
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