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日曜研究家串間努

第12回 「超大作! 昭和"台湾レトロ"旅行」

  友人の教えによれば、台湾にはレトロなところがあるという。確かにネットで調べると、"作られた"レトロ施設まであるではないか。しかしジューフンなどは天然なレトロ空間。夜市は雰囲気が(未体験なのでたぶん)闇市っぽいし、建築物も近代建築好きにはたまらないたたずまいだ。昭和40年代の日本のように高度成長時代やバブル景気で、このようなすばらしい景観が失われないことを祈る。

【社員旅行初日】

●「洗手間」と「盥洗」

  夕方、空港につき、台湾室銀行でレート3・6で両替。女子社員(社員旅行として行った)に頼んで女子トイレ「洗手間」の撮影をしてもらう。ちり紙を捨てる缶が置いてあったそうだ。台湾の下水管が細いから「トイレに紙を流すな!」らしいが、それならTOTOはビジネスチャンス! 洗浄便座のニーズが多大であろう。トイレのアイコンは日本と共通でわかりやすい。車椅子トイレももちろんある。

  空港からはバスでホテルへ。窓から空港の発着がよく見える。ミネラルウォーターも1日2本くれるという。だがトイレは温水洗浄器なしで便座がとっても冷たいよ。
  着替えて、女子社員群(2人しかいないけど)と合流、「士林夜市」という、お祭りの夜店とアメ横を合わせたような夜の盛り場へ。台湾では「夜市」というのが毎日開催されているのだ。
  ホテルから近いというので歩いて民権西路駅まで行くが、見るものすべてが面白くてなかなか進まない。大戸屋は「日本で一番大きい定食屋のチェーン店だ」という宣伝文句でメニュースタンドを出している。おなじみの「大戸屋ランチ」は200元。日本と同じようなメニューだから、アジのひらき定食などがある。

  「メイジン アッサージ」とか、「焼肉石松五十三次」「ないしょの話だけど、下痢、痔」の看板、「痔ろう科」の医者、2人乗り用の後部座席シートがついた自転車などを見て、大量の道草を食っているうちに小さい夜市にさしかかり、そこで小1時間過ごす。なぜか志村けんをキャラにした看板が多いが、絶対に許可をとってないと思う。

●こんなに飲めないヨー

  夜市の駐車場を左に入った怪しいアーケードがある市場(士林美食広場)の中は、てんぷらや鉄板焼きが中心。豪大大鷄排(フライドチキン)や大餅包小餅(揚げた餅を薄い餅の皮で巻く)も行列する店で有名だ。タロイモの団子(青蛙下蛋)か、レモン味ゼリー(檸檬愛玉冰)などバラエティに富んでいる。
  そこから外に出ると夜市の入口には豆腐を発酵させた臭豆腐や糖胡蘆(杏やイチゴの串刺し水あめ)、ホットドックなどの屋台がたくさん並んでいる。日本のお祭りのようで大変な賑わいだ。そのなかに露店、常設店舗、道路にはみ出た販売台がストリートを形成している。
  歩いている女性の服装は日本よりやや地味だった。ミニスカート、ローライズは少ないが、ホットパンツはちらほら。カップルはたまに見える程度で、お祭りと考えると地味。おそらくジモティーには「おでかけ」の場所ではないのだろう。関東人にとってのアメ横のようなものか。

  社員が屋台でアクセサリーを値切っていると、警官が来るとの情報があったらしく、商売もソコソコに急いで片づけはじめたのが面白い(道端には許可を得ていない違法な店もある)。
  メイン通りに着き、私は喉が渇いたので飲み物スタンドで25元の緑茶を指差して、1つ購入。50元出したが、お釣りがこない……。おかしいなと思ったら「甘いレモンティー」(レモンのカスがいっぱい)「甘い緑茶」の2つ、それぞれ500ミリリットルあるのをくれた。なんで飛行機の紅茶といい今日は2杯ずつなのだ。
  わたしゃ、にばーい、にばーいの高見山かね(昔の丸八真綿のコマーシャル。わからない人は置いていくからついてこなくてもオッケーだよ)。

  1リットル分の熱いお茶を抱えて飲みながら、10元均一ショップに入ったり、クレーンゲームをしたり、ぶらぶら歩く。ガイドブックに掲載されていたわけでもない路地裏の適当な食堂、「越南祥記美食」に入る。しかし日本語が通じるかワカランのに、無謀な一行だな。注文は食べたい料理を伝票のチェックマークに入れて渡せばいいのでホッ。閉店間際だったせいだろう。従業員はみんなやる気なし。
  食べたのは、麺の上に鳥ささみのほぐし肉がかかっているもの、青菜いため、えびと卵のあんかけチャーハン、フレンチドレッシングサラダのキャベツにささ身をかけてピーナツの粉末を振りかけたもの、えびのワンタンスープだ。
  セルフサービスで3種類(ミルクティー、緑茶、冬瓜茶)のお茶がタンクから飲めるが、温かい緑茶だけはもう無い。つぎ足してもくれない。銘々の取り皿もないので、飲用のプラカップに麺や米を入れて食べるという有様だったが味はうまい。鶏肉料理のレパートリーが広い。

  おっと、ここで腸が短い私は便意を催してきたが、きれいなトイレがどこにあるのかわからないので我慢。事前にトイレについて調べたとき、台湾ではお寺のトイレを利用するとよいとのことだった。寺だと紙や石鹸もあるそうだ。しかしそんなにうまく寺に出会えないのである。
  ようやく会えたトイレは夜市そばの駅、MRT淡水線剣譚駅近くのマーケット内にあった。なぜかトイレの入り口に、ちり紙の自販機とともに、スーパーボールの自販機があったり、身長と体重を量り自分の星座を入力すると運勢が出てくる機械があったのが不思議だ。

  歩き疲れたのでホテルへタクシーで帰る。途中、セブンイレブンで水を買ったが、なぜか2200ミリリットルという半端なサイズ。お腹にやさしそうな現地産の「カニパン」も買うが、微妙においしさが損なわれている。一時に就寝。

【社員旅行初日】

●"なこんにゃく"ってなんだ?

  台湾は雨が多いという。天気が崩れないうちにレトロな観光地九分(ジューフン)に行くため台北駅11時発の台湾鉄道自強号にて瑞芳へ。席は4人ばらばら。2列2列。前の人との間が広く足が伸ばせる。フットレストも地上20センチくらいの高さにあって疲れず、いい感じ。テーブルはない。頭部のカバーにはタクシーのように広告が印刷してある。

  なんと私は働いているが通信教育の大学生なので、日本で事前に申請・取得しておいた国際学生証にて80元が2割引の64元になる。
  乗客はみな適当な席に座っているらしく、途中から正規の指定席の切符を持った人が乗車してくると移動している。立ち席の「無席券」というものもあるようだ。「無席」という発想がスゴイ。日本なら「立席券」になると思う。
  列車のトイレはすごい。シャワートイレでなく、シャワーが別のホースになっていてそれを持って肛門を洗うようだ(どこかの国でそういうシャワートイレがあるはず)。もしかしたら清掃用かもしれないが。
  紙は流さないようにゴミ箱つきなのだが、紙はついてないし、手洗い水も出ない。

  瑞芳駅西口は改築中というか、階段など半分壊れていた。出札はなく、そのまま外に出られる。下車したとたんに「弁当!」と叫ぶ弁当売り少女がすごい勢いでプラットホームを駆けていった。間に合わないぞ! なんだかわからんが全体にレトロでいいなあ。

  西口の駅前駐車場向かいのバス亭から基隆客運というバス会社のバスで「金瓜石」行きに乗る。九分バス亭まで20元。バスは乱暴な運転で非常に揺れる。なんと、つり革は固定されていないので自由自在に動く。この「自由自在」という思想が台湾というものをよく現しているとあとでわかるのだが。
  乗客は乗るところも適当な感じでどこのバス亭に止まっているのかわからず、降りるところも当然不明。適当に皆がぞろぞろ降りるところで降りたら「旧道口」というところであったので、当初の予定とは逆から九分をめぐることになる。

  いきなり「魔術」という看板があって、「これは期待できるぞ」と内心思う。こじんまりした坂が多く、右左に多くの民芸品店や食べ物屋が並ぶので、日本の観光地でいうと江ノ島のよう。商店街も面白い店が多く、店頭でピーナツ入りチョコをカンナで削る実演販売や、水晶を初めとした岩石店や「台湾で一番のなこんにゃく専門店」(表記はママ。看板にある「な」という字増しが面白い)。

  非常に道幅が狭いところを観光客が歩いているのに、バイクどころか車まで通るのでびっくりした。成田山や明治神宮の初詣客のなかに車が突っ込んでいるのと同じ状態である。てんびん竿を肩に背負って歩いている女性もいる。レトロが生きている。

  女子社員がサンダルをつくっていたため皆とはぐれる。サンダル屋はいろいろなオーダーに応えて飾りをつけてくれる。足のサイズはこれだというのに、社員にはこれがいいといって違うサイズのものを持ってくる。足の裏があたる部分にそろばん状の回る玉が埋設されているサンダルもあった。昭和の子どもなら憧れた一品だろう。

  私は、店を離れてあちこち見る。そうしたらその女子社員とも別れ別れになり、すべてが迷子状態に。何をやっているのだ、この社員旅行一行。

  仕方ないから土産物街をいったりきたりしていると、やれうれしや! 女子社員に遭遇して九分茶房に入り、そこのウエイトレスさんに教えてもらって男子社員の携帯電話に掛けて合流。席は戸外で、そばにある各自のコンロでお湯を沸かしてお茶を入れる。

  色が薄くて香りが強く、飲みやすい『桂花金蓋茶』を頼む。料金は1人100元が基本で金蓋茶は別に700元とられるが、これは何杯でもお湯を貰え、お土産に持ち帰ることができる。

  持ち込みができるので、社員に鶏めしを買ってきてもらうことを頼んだが、なかったのでお汁粉を持ってきてくれた。このデザートはタローボール(35元)で田イモのぜんざい。あまり甘くはない。ほかに山芋の饅頭(50元)を食べる。ほかの3人は肉のそぼろごはんの魯肉飯(20元)を食べた。

●台湾駄菓子の特徴は

  お茶の店を出たところにあるおじさんの店で、駄菓子を50元も買う。「現金当て」は10元も出したのに全部「はずれ」で何ももらえない。駄菓子は箱販売もあったので、写真を撮らせてくれと頼む。快諾。台湾の方は写真を撮っても、怒ったり拒否しない。
  駄菓子は明らかに日本にインスパイアされている。
  マルカワの玉ガムの影響を受けた「プーサン」、西洋人のパッケージの「ココアシガレット」、糸引き飴ならぬ「糸引きグミ」、チューブチョコまであったのには「おお、ここに生存していたのか」と感慨しきりである。
  台湾独自のものにはタバコ糖、「緑豆」?という緑豆でつくった落雁のようなもの。「新味香果汁棒」というジュース。「QQ軟糖」というグミ状の菓子の当てモノで、パッケージにはコメディアンコンビの姿が描かれているもの。軟糖は「グミ」のことと考えて間違っていないようだが「QQ」がわからない。どうも「QING QING」の頭文字らしいのだがこの「チンチン」も四声がわからないと色々な意味があるから……。

  「蜜汁香尤魚」というのは、おそらく甘めのタレにつけたスルメイカを裂いたもの。これは1号(等)だと8條(本)もらえ、以下1本ずつ減っていき6号以下のはずれは1本しかもらえない。なぜか箱にはミッキーとドナルドのイラストが描かれている。「小公子麺」はベビースターラーメンかな(「香茹肉麺」という親子当て駄菓子の箱には明らかに初期のベビーラーメンのキャラが描いてある)。子どもの海賊が描かれている。

  「虎口抜毛」は箱上部に毛糸が出ていて、それを引っ張り、当たりだともう1回ひけるイカ菓子。「鹹酸甜」は文字通りだと辛い、酸っぱいなどの味覚のことだ。本来は果物を甘く煮付けた乾燥菓子のようだが、これは小袋を開くと水分がやや多いジャム的粉末と小さじが入っていて、子どもが長時間舐めて食べるようだ。

  「珍味辣魚干」はどう考えても魚を干してカライ味付けをしたもの。おそらくタラとかかわはぎなどの珍味に使われる魚だと思うが、日本では児童に魚系の辛い珍味を駄菓子として販売するのは考えづらい。
  「水族世界」はモチーフが海なだけで、食べ物は砂糖菓子で、海老・蟹・金魚などの絵がでると砂糖菓子がもらえる数が違うというもの。同じ会社の「非州奇観」はモチーフがアフリカに変わっただけで、サイ・トラ・象の絵が出ると長細いグミ菓子のようなものがもらえる数が変わる。
  「金煙斗」はチョコレート当て、「新檬檬」は清涼感のある砂糖と膠を固めた菓子の親子(大小)当てモノ。これらの当てモノは「○○児童食品会社」で作られ、だいたい1元当て。つまり日本円で4円くらいなのだ。安い!

  小物玩具では着せ替えと、玩具の詰め合わせの当てモノ「宝貝楽園」くらいしか見つけられず残念だった。しかしこの宝貝、遊戯王やスパイダーマンのほか、当たるのがポスターだの鉛筆だの鉛筆削りなども入っている。
  台湾の駄菓子は、種類は逆に日本より豊富かもしれないが、味的には日本人にはけっこうきついものがある。甘いか、辛いか、エスニック的な香りがするかだ。現地のお菓子を子どもナイズして、それらが日本の駄菓子を一応モチーフにしているということでわけが解らなくなっている。日本人には共感できる部分がパッケージだけかもしれない。

●迪化街は夕暮れだった

  赤提灯が軒にぶら下がる坂道の階段を降りて九分のバス亭へ向かう途中に、非情恋市の舞台となった場所がある。休日でないせいか、人出も多くなく、写真はどんどん撮れる。レンガ作りの珈琲館も感じがいいが時間がない。
  「肌のムダ毛をとる」というVOW的看板の側に「黄金博物館あっち」という張り紙があって、そそられたが同行者は興味ないだろうから行けず。降りたところには非常に景色の良いレトロ宣伝看板がいろいろあって、もちろん台湾の都市部も大発展しているわけだが、この付近は時が止まっているよう。

  バス停ではタクシーもいたが客引きが強引ではない。バスが来たら「あれに乗れ」とタクシー運転士さんが教えてくれたほど親切。瑞芳駅で電車待っていると「面紙販売機」というものがトイレ脇にあり、写真を撮り20元入れようと考え、財布を出すと近くの売店のおじさんが「ここにもあるよ、10元でいい」とポケットティッシュをくれた。しかもコインが9元しかなかったのでまけてくれる。

  台鉄の台北駅につき、MRTの乗り換え駅直通の商店街を通ったら吉野家、ビアードパパ(シュークリーム屋)、山崎製パン直営の「ヤマザキ」というベーカリーなど日本でおなじみのお店が並んでいる。地下は東京駅の八重洲地下街のような感じのレストラン街になっている。
  ヤマザキはセルフ方式で、トレイで取るパン屋になっていて、目をひいたのが、ソボロのようなころもがコッペパンにまぶされ、卵サラダとピータンがサンドされたもの。卵に卵かよ。

  社員の話ではニューワールドのトイレはハンドソープもあってきれいで、ペーパーは入り口で必要な枚数だけを取ってから入るそうだ。旅の記念のスクラップブックに貼るため、台北駅の観光案内所を探し、パンフをたくさん貰う。
  MRTで迪化街(テキカガイ)に向かうため北投・淡水方面往きに乗り、2つ目の雙連站で下車。迪化街は漢方や食品問屋(主にカラスミ)の街。間違えてデカデカと「かろすみ」と書いてある店もあるが、誰も注意してあげないのだろうか。菓子屋も多くキャンデーを山盛りに売っている店はきれいだ。
  日が暮れてきて撮影にはきつかったが、看板建築的なレトロな建物が多い。だがレトロといっても日本でいうと明治時代までさかのぼりそうだ。写真を沢山撮りたかったのだが時間が押していて、すでに夕暮れ。フラッシュをたいても写せない。また来るしかない。ここは実にレトロで懐かしい建物が多いのだ。

●台湾はB級、C級グルメの宝庫だった

  パン屋にはパンの耳も売っていて、カステラや米の粉で作ったお菓子など、おなかに優しそうな商品もある。
  迪化街近くには日式の料理店や寿司屋が多い。「古早味豆花」という豆花店を発見。女子高校生がいっぱいだ。冬用の『熱豆花』30元を注文する。何かトッピングを選べと店員がいう。トッピングはアイス屋のように陳列されているのだ。
  「ストロベリージャム」→「あわない」と店員に断られる。
  「愛玉子」(東京の根津で食べたことがあった台湾のゼリー)→「あわない」
  「そんなら小豆」→「OK」
  お汁粉のなかに豆腐が入っている感じで非常にヘルシー。お汁粉を食べると甘くてだらしない気持ちになるが、これは食べたあともテンションは同じ。あまり甘くないから脳細胞が快感を感じないのかもしれない。なんだそりゃ。

  迪化街から近いが、疲れた足には歩くにはちょっときついのでタクシーで寧夏路夜市へ。夜市のそばにある、ひげのおじさんがトレードマークの髯鬚張という素食の店へ。
  私は油制限があるのと、鶏以外の肉は苦手なので、「油脂不要、鶏油OK、豚脂NO」と書いたメモをセーラー服を着たウエイトレスに渡すと、笑いながらメニューを指してくれた。ところで、キミはなんでセーラー服を着ている。少しメイド喫茶風味か?

  鶏肉飯の小・26元、菜頭湯(野菜スープだが具は大根のみ)・25元、女敕豆腐(厚揚げ豆腐)・15元を頼む。ほかの人は魯飯小・26元(私は肉そぼろなので食べられない)、青葉(菜っ葉の炒めなので繊維が怖いので食べない)・35元、蔘棗烏鶏湯・65元(精力スープのような感じだったので飲まない)を頼んでいた。

  店を出て夜市に寄る。愛玉というゼリーの屋台や「ヤクルト売ってます」と日本語で書いてある店、「わがそ」と書いてある和菓子の店、行灯看板に卍マークがついているうえ、「世界人類が平和でありますように」というシールを貼った店、魚でもトウモロコシでもなんでも串にさしている店、青汁のような苦茶の店などがあった。
  握り寿司の屋台にはなぜかゴマを散らした稲荷寿司まで売っている。軍艦巻きもあるが、卵焼きに廻した海苔の幅は細すぎると思った。

  もっと駅に近づくと、奇人研究会の今さんがよろこびそうな物件があった。
  「とうぶんの間、警察官の来訪はお断り」
  「天下無敵 警察官僚天下一品 川越警察」
  のほか無数の張り紙が貼られた、しもた屋がある。なんの商売をしていたのだろう。自転車が置いてあるから人は住んでいるようだ。かすかに入り口に隙間があるのが、暗闇の奥からじっと監視されているようで不気味。

  また、ピンボールとスマートボールを合わせたような平台のパチンコ屋台もあったり、麻雀牌で行うゲームの店があったり。ピンボール台のモチーフはなぜかピカチュウ。景品はプラモデルなどのようだ。

  大通りに出る。「補習班」という店は学習塾か。多くのスクーターが通りぬける中、タクシーを捕まえる。皆はたまたま同時に台湾に来ていた、日本の知人たちと飲みに行ってしまったので1人で晩ご飯。
  ホテル前の全家(ファミリーマート)に行ったが食べたいものがなかったので、昨日買ったカニパンを食べる。日本の味と違い、ふわふわ感とか甘さに深みがなく、ビリビリと舌を刺す感じがありつつもずっと平板な味で驚き。袋の裏には、ちぎっていろいろな形に並べ替えることが書いてあったので、子どもが食べるものなのだろう。

【社員旅行3日目】

  ホテルがなかなか教えてくれなかったパスとIDがわかり、朝、ようやく客室に来ているはずのLANでネットがつながった。メールの設定が面倒なので、日本とはミクシィのメッセージを使って情報交換するが、お互いになにも変わったことがなかった。
  ここのホテルはバイキングだが、日本の普通クラスのホテルよりもよほど種類が豊富だ。私は下記のものばかり食べている。
  ・いろいろなシリアルに温かい豆乳をかけるとふやけておいしい(無脂肪乳あるが冷たいのでパスだ)  
  ・プレーンオムレツ焼いてもらう(普通はハムとかいろいろな具を選んでコック氏に焼いてもらう)  
  ・パンの種類が豊富なので脂質が少なそうなロールパン  
  ・トーストにママレードとイチゴジャムをつける  
  ・ローストチキン  
  ・トマトジュース  
  ・オレンジジュース  
  ・吐司(トースト)は流れ作業で焼ける機械があるが、あまりよく焼けない。これは強迫神経症の私にはわだかまりが残ってストレスだ。そしたら願いが天に通じたのか、途中でポップアップ式にかわった。  
  ・豆乳(豆漿)トウチャンは温かく膜が張っているので気持ちが悪い  
  ・ルーポーカオという大根餅もあったが油が気になるので食べなかった  
  ・おかゆ、白飯もあるがパン中心おかずで揃えると難しかった

   

  ここの従業員は10時まで時間なのに9時半になるとあと30分で終わりだと言いに来る。皿はどんどん下げる。フォークまで持っていってしまう。追い立てられているのか。ここにもぬれたナプキンはない。


2010年3月10日更新


第11回 「超大作! 吉見百穴と小江戸・川越の旅」
第10回 「大増鍾乳洞と国際マス釣り場」
第9回 「青梅探石行と日原鍾乳洞」
第8回 「会津若松・野口英世青春通り」の巻 後編
第7回 「会津若松・野口英世青春通り」の巻 前編
第6回 修善寺の昭和レトロな温泉宿の巻
第5回 青梅商店街<その2>の巻
第4回 青梅商店街の巻
第3回 スカラ座閉店愛惜記念「名曲喫茶」の巻
第2回 水戸の駅前商店街漫歩
第1回「牛にひかれて善光寺参り」の巻


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