鴻池綱孝
教育玩具などイラナイ。
ただ怪獣があればイイ!の図。
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〈第六夜〉 マルサン商店『エビラ』『アントラー』『ガボラ』登場
1962年7月19日、五歳の誕生祝いの写真から。第三夜でゲットしたウルトラマンを中心に『アントラー』〈左〉と『ガボラ』〈右〉が仲間入り。手前にはバースデーケーキを狙う『エビラ』の姿が見える。
『アントラー』は日本橋のデパートで購入。手足、首の他、左右の角〈あご〉を含む7箇所というシリーズ中、最多可動部を持つアクション派のソフビ怪獣だ。ウルトラマンに次ぐであろうヒット商品で、その生産量ゆえに現存数も多く、その大半が角(あご)の欠品である。続いて『ガボラ』を購入。誕生日に『エビラ』と繋がる。
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【エビラ】
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マルサン商店(右)とブルマァク(左)の比較。ブルマァクが引き継ぎ生産された分からは、鼻(?)の黒線がなくなり、左右に張り出していた触覚は、左右逆にされ前向きに倒されている。ビニールパッケージに入れる為、幅を稼ぐ処置といわれている。
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【アントラー】
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手前が当時所有と同タイプ。腹部の彩色がキミドリ色のもの。奥は水色成型色のタイプで共にマルサン商店製。
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「海老料理」の再現。
食べるならブルマァクの方がうまそう。
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『エビラ』はほとんど「エビ」そのものだった。小学校の寸劇コントでは「海老のご馳走」として活用もした。‘69
マルサン商店が倒産後、ブルマァクが引き継ぎ生産された分からは、鼻(?)の黒線がなくなり、左右に張り出していた触覚は、左右逆にされ前向きに倒されている。ビニールパッケージに入れる為、幅を稼ぐ処置といわれている。このようにして町の小売店では、紙ヘッダーにビニール封入というスタイルで売られていた。
しかし、ピーク時の新宿のデパートは違っていた。売り場には4〜5m角の簡易プールのようなものが設置された。もちろん水は張っていない。プールの中でソフビ怪獣はパッケージから取り出され裸売りされた。その数、数百個はあったであろう。まるで佃煮状態だ。子供達はプールのまわりを陣取り、好きな怪獣を掻き混ぜ、掻き混ぜ、探した。『ナメゴン』がいる。『パゴス』や『ペギラ』、『バルタン』もいた。『ガラモン』は何色だったのだろう?『ブースカ』もいる。『ゴロー』はおそらく手にも取らなかっただろう。
お目当てが見つかると、商品というのも気にもせず、遠慮かまわずガチンコ遊んだ。この時点で怪獣同士の色移りは必至だった。色キズは歴戦の勲章だ。最終的に『モスラ』か『エビラ』かを逡巡したが、『モスラ』はオンナの怪獣だった事を思い出し、結局『エビラ』となった。
当時の週刊朝日が報じた「昼夜フル回転して月産百万個、それでも注文に応じられない」とか、東京中日新聞の「マルサン商店に聞くと、ベストワンのウルトラマンだけで(三ヶ月間で)なんと三十万個も売った。他の怪獣でも一日最高三千六百個が売れた」という伝説のような話も、この売り場をして、おおいに頷けるはなしだ。
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【ガボラ】 |
手前のオレンジが当時買った物と同タイプ。
奥のピンク成型に銀吹きの物は初期生産と言われているが、記憶にはない。
見ていても、「ピンク=女の子」という固定観念が強かった時代に、自ら進んで買う事はなかっただろう。共にマルサン商店製。 |
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つづく…
2002年8月12日更新
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