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田端宏章
第8回 徳用マッチの面白さ その2
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前回に引き続き、全国で集めた今も買える徳用マッチをご紹介したいと思います。100円ライターやチャッカマン全盛の昨今ですが、まだまだガンバッているマッチ工場は意外と多いのです。仏壇のお線香に火をつけるのに100円ライターじゃちょっとバチ当りかなぁ、と思ってる全国のおじいちゃんおばあちゃん達に支えられている感の強い徳用マッチ。今回は、そんな徳用マッチの中から、動物を商標にしたマッチをご紹介したいと思います。
徳用マッチ界では動物を商標として使用している割合が非常に高く、たとえば有名な象、ツバメ、馬首、鶏、金鶴、鶴丸などの商標が思い起こされます。今回はあまり見かけない動物商標マッチ(失礼)を取り上げてみました。
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★鎖虎印(中外マッチ)…最初に買ったのは静岡県の伊東市でした。以後、静岡県内ではたまに見かけるマッチです。地球の上を綱渡り(しかも鎖!)という図柄が、明治・大正当時のマッチ商標の可笑しさを踏襲していて好感が持てます。硫黄と硝化綿を全く使わず身体にやさしいので「ヘルスマッチ」の名が付いています。
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★虎糸車印(東亜マッチ)…長野県松本市にて発見。以後、一度も見かけたことがないマイナーなマッチです。このマッチは松本市内の銭湯で見かけ、買った場所を訪ねてやっと見つけた物です。虎と糸車の関係性がかなり微妙。なお、未確認ですが、神戸マッチという会社のマッチで、鞄獅子印(かばんししじるし)というマッチがあるようです。これまた鞄とライオンの関係性が全くわかりません。
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★太鼓獅子印(中外マッチ)…有名なマッチですが、売っているところを見かけたことがありません。これは私の同人誌の読者の方が送ってくれた物です。これまた、太鼓と獅子の関係が不明です。この商標は明治時代からあるそうで、発売元の会社のホームページには、当時のマッチ図像(もう少し細かい絵だった)が掲載されていました。これの姉妹品で「みつだいこ(三太鼓)印」というマッチもあります。
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★ワシ印(神戸マッチ)…横浜の中華街にある雑貨屋さんで見つけました。神戸のマッチを横浜で買うなんて、なんか繋がりがあるような、ないような。牡丹の花といい、ワシの描写といい、とても現在も発売されているマッチの商標とは思えません。なお、同社には「三虎印」という三匹の虎がじゃれている商標のマッチがあるそうですが未確認です。
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★鶴盃印(ハリマ)…山口県にて購入。鶴が盃の中に入っている絵が商標。これならなんとなく解る気がします。とてもお正月的で目出たい図像です。なお、同社には「鶴鈴印」という、鶴が鈴をくわえている商標のマッチも発売しています(長崎県で購入)。同じような絵柄なので今回は省略させていただきました。
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★キリン印(第一燐寸)…京都市内の某家具屋さんのトイレに置いてあるのを発見し、どこで買ったのかを尋ねたところ、「山科区のドラッグストアで売っているのを見たことがある」と教えて下さり、やっとのことで買うことが出来たマッチです。それ以後、1回しか売っているのを見かけていません。このマッチのイイところは、裏面にもキリンの図像があるところ。またその絵がなんとも愛くるしいタッチで描かれているのです。グラフィックデザイン的にも優れており、とても日本製のマッチという気がしません。表面は日本風なのですが……。
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次回はいよいよ徳用マッチシリーズ最終回ということで、記憶にあるような気がするけど、あまり見たことがない徳用マッチをご紹介します。お楽しみに。
(たばた ひろあき 27歳 男)
※日本絶滅紀行からのお願い
みなさんの家の近くの雑貨屋さん、スーパーなどで「うきわかもめ印」「犬印」「赤玉印」「NO.1印」「ハープ燕印」「鈴猫印」「天狗印」「菊印」「虎印」「タケノコ印」「ほうれん(牛車みたいなの)印」「金貨印」「リス印」「ひょうたんこうもり印」という燐寸を見かけたことはありませんか?目撃情報などをお寄せいただければ幸いです。
2002年9月20日更新
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