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最終回 霞が関から新宿駅まで
〜霞が関から山の手をめぐって〜


−桜田門前から再びバスに乗り込み、国会議事堂へと向かいます−

・霞が関中央官庁街

霞が関中央官庁街 S33

霞が関中央官庁街 S33

 バスは桜田通りを南へと向かっております。ここ桜田門から虎ノ門の地域を「霞が関」といい、この一帯に中央官庁が集まっています。地名の起こりとなった霞が関は、日本武尊の頃置かれていた関所で、古い和歌にもその名が記されております。明治のはじめ、官庁の多くは丸ノ内や有楽町につくられましたが、明治5年の大火に遭い、明治19年に霞が関に官庁街がつくられることになりました。バスの進行方向右手にはおなじみ警視庁の建物、その反対には法務省、最高検察庁、最高裁判所の赤レンガの建物が見えます。最高裁判所の先にある灰色の大きなビルは第一合同庁舎、更にその向こうが防衛庁でございます。右手には、建設省・自治省などが入っている第二合同庁舎、大蔵省、国税庁などが入っているねずみ色のビル、皆さんに関係の深い文部省の茶色の建物が続きます。[ちなみに、日本初の超高層ビルである三井霞が関ビルが完成したのは昭和43年のこと]
 
・国会議事堂


国会議事堂 S33

国会議事堂 S33

 第二合同庁舎の角を右折して坂を登ると、皆様おまちかねの国会議事堂が見えてまいります。永田町の高台にひときわ高くそびえ、世界でも屈指の大建築といわれるこの国会議事堂は、大正9年に工事が始まり、延べ254万人の労力を費やして昭和11年に完成いたしました。敷地は6万9226平方メートル、建坪は5万1888平方メートル、中央の塔の高さは66メートルもあります。材料は全て国産品を用い、建築費は2580万円かかったそうです。内側は向かって左側が衆議院、右側が参議院で、部屋の数は全部で449室あります。議事堂の向こう右手奥にある建物は、新しい国会図書館で現在建設中でごさいます。[新しい国会図書館が開館したのは昭和36年8月、平成14年10月には関西文化学術研究都市(京都府精華町)に「関西館」がオープンした]

・首相官邸


旧首相官邸

旧首相官邸

現首相官邸
現首相官邸

 国会議事堂の見学を終わりまして、これから議事堂の裏手に回りますが、左前方の交差点角に茶色の建物が見えてまいります。あちらの建物が首相官邸です。皆さんご存じの通り、わが国の政治の組織は、司法、立法、行政の三権がそれぞれ独立しておりますが、首相官邸をはじめそれらの建物は永田町周辺に集中しております。文字通りここが「日本の中心地」であることがよくわかります。[平成14年に新しい首相官邸が隣に建てられ、旧官邸は新たに「首相公邸」とすべく、現在改装工事中]

・赤坂見附

赤坂見附跡

赤坂見附跡

 政治の中心地を見た私たちは、これから山の手の住宅地へ向かって台地の上を走ります。バスの通る道の両側には商店街もありますが、なにかひっそりした感じです。これらの商店街は裏通りにある住宅地相手のものですから、銀座などの商店街とは違っております。バス間もなく「赤坂見附」へと差し掛かります。ここは「四谷見附」と同様、江戸城の外堀にかけられた橋のそばに設けられた門で、城内の出入りを監視しておりました。

・国会図書館(旧赤坂離宮)


国会図書館 S33

国会図書館 S33

 赤坂見附の交差点から紀伊国坂を上っていくと、左手に国会図書館が見えてまいります。ここには紀州徳川家の屋敷がありましたが、維新後皇室に献上されて「赤坂離宮」となりました。現在の建物は明治41年に建てられたもので、外観はイギリスのバッキンガム宮殿を、内部はフランスのベルサイユ宮殿をお手本にしたそうです。昭和23年に所有が国へ移り、今は国会図書館として使われています。[のちに国会図書館は国会議事堂そばに移転し、現在この建物は「迎賓館」として使われている]
 また、この奥では昨年御成婚された皇太子ご夫妻がお住まいになる東宮御所が建築中で、来月(昭和35年6月)完成の予定となっております。

・神宮外苑

神宮外苑(奥は絵画館) S33

神宮外苑(奥は絵画館) S33

 国会図書館の周りの道を半周して、バスは神宮外苑へとやってまいりました。この地は大正15年に民間の寄付を募って造成され、明治神宮に寄進されました。そこに、明治天皇・昭憲皇太后の治世を伝える「聖徳記念絵画館」、六大学野球が行われる「明治神宮野球場」、古橋広之進が世界新記録を樹立した「明治神宮水泳場」などが建てられたのです。また、これに隣接して「国立霞ガ岳競技場」(大正13年開場)、「秩父宮ラクビー場」(昭和22年建設。28年改称)があり、現在スポーツの一大中心地となっております。来る39年10月には東京オリンピックが開催されますので、皆さんまたいらっしゃって下さいね。

 バスは、神宮外苑から四谷三丁目の交差点を左折。新宿通りを新宿駅へと向かいます。

 「さて、もうすぐ終点の新宿駅へと到着します。長いようで短かった2泊3日の修学旅行、皆様はどのように感じられましたでしょうか。これからご家族の待つお家へとお帰りになられますが、もしまた東京に遊びに来る機会がございましたら、是非とも今回同様まぼろし旅行社のバスをご利用下さるようお願いいたします。拙いご案内ではありましたが、これまでのご静聴ありがとうございました」

(「ああわが心の東京修学旅行」 完)
調査協力:財団法人 日本修学旅行協会


2003年2月20日更新
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