きょうは、泉谷しげるさんの64歳のお誕生日!
我らがIZUMIYAは、すごい。何がすごいって、健康なのがすごい。
泉谷さんは、毎日、カラダを鍛えている。
それで、「でもそんなのロックじゃないよなぁ〜」と笑ってみせる。
3月の「運命の人」の最終回で見せたウチナンチュの演技は、素晴らしかった。
いくつもの物語の中で誰かを演じる、俳優の泉谷しげる。
その中で、いちばん長く演じているのが、ミュージシャン、泉谷しげるだ。
北海道南西沖地震のときに、「一人フォークゲリラ」と称してチャリティー街頭ライブを続けた。
「お前ら、募金しろ!」
「売名です!」
「俺をもっともっと有名にしてくれよ! 何かあったときにすぐ飛んでいけるようにしてくれよ!」
現実という物語の中で、観客や聴衆をしばしば強引に巻き込み、すべてを前を向く精神に変えていく。
そんな泉谷さんのやり方を、好きじゃない人もいるだろうと思う。
でも、いったい、誰が忌野清志郎と桑田佳祐と小田和正を同じ舞台に上げることができるだろう。
泉谷さんは、泉谷しげるという自分自身をフルに活用して、世界に点在する無数のポイントを繋げ合わせ、実りのある力を発動させていく。
そうして、少しでも実際に世界を変えようとする。
で、そんな泉谷さんの歌う歌は、力強いけど、とても繊細で、人のココロの隙間を突いてくる。
泉谷しげるの歌は、誰のつくる歌にも似ていない。
どうして、こんな精神の気付かなかった場所を、えぐるような詩が書けるんだろう。
何かを思い出すんだ。何か大切な、でも忘れてしまったことを。
思い出させてくれて、そしてすべてを肯定する勇気を再び煌めかせてくれる。
「春夏秋冬」を何度も何度も繰り返し口ずさみながら、井の頭公園や中央線沿いを歩いて歩いて、ビルや駅の隙間に潜り込んで眠っていた、あのときの私は、それでも確かに希望を信じていたんだ。
「きょうですべてが終わるさ きょうですべてが変わる
きょうですべてが報われる きょうですべてが始まるさ」
そしていま、泉谷さんは「時よ止まれ 君は美しい!」と叫ぶ。
これは、チャチな慰めなんかじゃない。
前へ進むための励ましなんだ。
そして、自分という存在の肯定からまた一歩進んで、自分と違う存在たちを肯定する。
時間や空間、そのすべてに抗っているように見えて、そうじゃない。
乱入なんかしたことない。シャイでピエロなロックンローラー&フォークシンガー。
ロックもフォークも、なんて優しい音楽なんだろう。
泉谷さんの歌を思い出すと、そして口ずさむと、絶対大丈夫だって思える。
まだまだ自分の人生、捨てたもんじゃないって、そう思える。
時よ止まれ 君は美しい!
すべてが変り 消えてゆくなら
今の君を止めたい!
永遠なんて信じない
自然に勝てるハズもない
空を見上げたのはいつだろう
毎日宇宙(そら)に見られてる
だけどくらしに変化はない
時の流れに追いつけない
日々これ体は新しくなり
なぜ心は遅れてゆく
Oh 君をこんなに愛して
今のままの君を愛している!
時よ止まれ 君は美しい
すべてが変わり 消えてゆくなら
今の君を止めたい
同じ時間を生きてるのに
なぜ君とこうもちがうのか
だけどねたンでるワケじゃない
その美しさ わかるのさ
だから君に感謝しよう
時の流れを止めるほどに
記憶の連鎖にとびのって
来るべき時を伝えよう
Oh 君をこんなに愛して
今のままの君を愛している!
時よ止まれ 君は美しい!
すべてが変り 消えてゆくなら
今の君を止めたい!
「時よ止まれ 君は美しい!」詞・曲:泉谷しげる
泉谷しげる「すべて時代のせいにして」
1. 業火 2. すべて時代のせいにして-Album Version- 3. 黒い箱男 4. ナンバー2 5. やさしさの素描 6. 生と死の間に 7. 逃亡者 8. 時よ止まれ 君は美しい! 9. 回想 10. 春夏秋冬 2008 Version -Bonus Track-
Released on October 1, 2008