2012年8月アーカイブ

栃木放送の企画で毎年「湯めぐりスタンプラリー」が行われている。そのパンフレットの中で気になる存在といえばピラミッド元氣温泉だ。ほかの施設とは明らかに一線を画す色物系。お宝発見に興奮したが、訪問までに2年も経ってしまった。


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塩原温泉郷の玄関口、西那須野塩原インターからひとっ走りの距離。砂漠ならぬ原野の先に現れたピラミッドは黄金色に輝き、正面にはスフィンクスも鎮座している。学生時代に訪れたエジプトでは巨大な姿と悠久の歴史、らくだ引きのしつこさに圧倒されたが、当然ながらそれらと全くもって対照的。


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館内にはなぜか奇石や奇木が数多く展示されており、聞けば館長のコレクションだという。中国の専門業者より買い付けており、いかに珍しいものかを後でさんざん聞かされたが、ピラミッドとの関係性は聞けずじまい。食事処やゲームコーナーもあるので施設としては充実しているが、平日のせいか片手で数えられるほどの客しかいない。土日の様子や宿泊の稼働率はわからないが、多くは興味本位の客だろう。


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ピラミッドの内部に浴室があるため壁面は傾斜しており、ガラス張りで明るい日差しが入ってくる。うっすら茶色がかった温泉で、広々とした湯船から大量にあふれていた。男女を隔てる壁には「氣柱」と名付けられた柱が立ち、その柱を通じてピラミッドパワーが湯に溶け込んでいるという。露天風呂は木でつくった素朴なものだが、壁に目をやればアニメチックなイラストが。ところどころの統一感のなさには目をつぶるべきなのか。お湯が霧雨のように降り注ぐミストサウナは独自開発だというが、特別珍しいものではなかったことを付け加えておきたい。


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ピラミッドの頂点部、つまり2階は瞑想室になっている。利用には別途840円かかるが、今回は館長の案内で特別に見せてもらった。階段は最後の一段だけ蹴上の高さが異なり、不意につまづいた感覚となったが、館長いわく「最後まで気を抜くな」。下りるときには「始めの一歩が肝心」とのこと。思わぬ人生教訓がここにあった。


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このピラミッドはクフ王のピラミッドを1/10に再現したもので、瞑想室の中央に置かれた水晶は玄室だという。磁北からの太陽の光が集まって「氣」を生み出し、水晶の真下に位置する柱に送られるのだ、と。「お湯がまろやかな感じがしたでしょ?」との問いには素直に頷くしかなかった。「水晶の前で力を抜いて立っていると、手がピリピリしたり、足裏が暖かくなったりする人もいる」「音楽を流すと5~6分でみんな寝てしまう」。これも氣のパワーで、ひいては宇宙のパワーだと館長は力説する。


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話好きな館長のこと、科学持論は止まることを知らない。館長自身は携帯電話などに使われているチップの研究開発に長年携わり、勲章も授かったという。しかし科学が人間社会に及ぼす悪影響を憂慮し、60歳を機に自然環境と共存すべく建設したのがピラミッド温泉なのだ、と。そして科学で証明できない「超科学」現象もこの世には存在し、ピラミッドパワーもそのひとつだと言う。難しすぎて常人には理解しがたいが、館長の話に説得力がありすぎて、ただただ頷くしかなかった。


ピラミッド元氣温泉
源泉/塩原温泉(源泉名:ピラミス温泉、単純温泉)
住所/栃木県那須塩原市接骨木493-3
電話/0287-35-4141
交通/東北自動車道西那須野塩原ICより約4.5km
     JR宇都宮線西那須野駅よりバス「千本松」
料金/(平日)大人400円、中人300円、幼児100円
     (休日)大人600円、中人400円、幼児100円
     (水曜午前中)大人350円、中人250円、幼児100円
時間/10:00~21:00、年中無休

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Author


    シダ トモヒロ
    -Tomohiro Shida-
    大学時代より国内各地とアジア諸国をおもに旅する。また高校時代から同人誌や機関誌の編集に携わり、98年創刊時より「旅の雑誌」編集人。趣味は旅行、ビリヤード、野球観戦。

    ミニコミ誌HP:
    旅の雑誌ONLINE

    温泉&野球ブログ:
    旅は哲学ソクラテス

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