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「プラモ線の旅」タイトル

今柊二

「銀河鉄道999と鉄道プラモデルと永遠の命」


 先日(2002年8月)、あるオジさんたちとのカラオケ大会に参加した。そのオジさんたちはマジメな職業の人たちで、しばらくは演歌や歌謡曲など普通のカラオケ大会だったのだが、あるオジさんが何を思ったかいきなり『銀河鉄道999』を歌い出した。それもテレビバージョンである。しかもサビも効いていてすこぶるうまい。おまけにカラオケの画面にはオリジナルのアニメまで写し出されている。

いきなりカラオケ大会はすさまじい盛り上がりを見せて、サビの部分を30〜40前後のオジさんたちが絶叫しはじめるという恐ろしい事態となった。かくいう私も、映画版とは違うまぬけで親しみやすい顔の鉄郎と美しいメーテルの姿を見て、懐かしさに「鉄郎、999にお乗りなさい!」と叫んでいたのであった…。

 このように、「999」はかつての子どもたち、今のオジさんのこころを熱くつかんだアニメであった。1978年よりフジテレビ系で放映されたこの物語の筋は、西暦2221年、機械人間による人間狩りで母親を殺された星野鉄郎が謎の美女メーテルとともに、機械の体をタダでもらえる惑星をめざし銀河鉄道999に乗り込む話である。

この物語が今なお魅力的に我々のこころのなかに残っているのは「永遠の命とは何か」というとても哲学的なテーマを具体的に扱っていたからだろう。子どものとき、私はあまり健康的ではなかったことも手伝って、死について考えることが多かった。いや、そんなエラそうな概念的なことではなく、ただ「死ぬのはイヤだ」と考えていたのだ。そんなとき「死と永遠」について様々に思いを発展させてくれたのが、この「999」であり、手塚治虫の「火の鳥」であったと思う。

 そのような深い魅力とともに、「999」はメカの部分でも魅力をビンビンに発していた。銀河鉄道の外観は蒸気機関車のそれであったのである。そして機関車部分の内部は作者の松本零士お得意の幻想的な光る計器盤で飾られた「999」の頭脳であった。

そしてこの物語は、やはり全国の「鉄ちゃん」や「鉄ちゃん」の素質を持っている人たちを強くひきつけ、大きくブームとなった。そして空想は現実にも影響を与えることとなり、劇場版が公開された頃には国鉄(現在のJR)が「999で行くミステリーツアー」などを企画して大盛況となるほどであった。

模型界のなかでも鉄道模型派は長い伝統を誇る大勢力なのだが、この時期はさすがに「999」に影響されたようである。鉄道模型の老舗雑誌である「鉄道模型趣味」(機芸出版社)にも当時はジオラマのなかにさりげなく「999」の看板をあしらったようなレイアウトが紹介されていた(378号、1979年9月号)。

 さて、バンダイは「100円ヤマト」と同様に100円の「999」シリーズを展開した。ちなみに「999」は仲間の車両が「111」、「222」などと全部で9種類あるのだが、それらが模型化されたのである。このプラモデルもまたディスプレスイ志向の強いモデルで可動部分は少ないが、ディテールは充分再現されていて、Nゲージスケールであったところも、鉄道模型ファンをうなずかせる出来映えであった。

小田急物語
また100円シリーズ以外にもイメージモデルと呼ばれたデフォルメタイプのものや(ほら、地球から999が飛び立とうとするあのシーンの再現モデルです)、車両付きのプラモデルも発売されたのであった。(続く)


2002年11月11日更新
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