田端宏章
第11回 トリスを飲みにトリスバーへ行こう! その2
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前回に引き続き「現在のトリスバー事情」を探っているわけですが、ここで、前回の「トリスバーの沿革」について補足したいことがありますので付け加えます。
サントリーのニ代目社長、故佐治敬三氏の著書『へんこつなんこつ 私の履歴書』(日本経済新聞社)によると、トリスバーの起源は昭和25年(1950)にさかのぼるそうです。当時、東京池袋の久間瀬巳之助という人がサントリーに出向き、「スタンドバーをやりたい。しかもトリスハイボール一本、おつまみも塩豆だけ。均一価格70円」と提案したそうです。そのアイディアにサントリーはもろてを上げて大賛成。以後、最盛期には全国で3万5千軒ものトリスバーが出現したそうです。
さて、そんなトリスバーはまだ残っているのだろうかと、情報収集をしていた私の元にいくつかのトリスバー情報が入ってきました。
「サントリーパブ ブリック 中野店」
東京・中野、JR中央線中野駅の北口から徒歩2分のところに「サントリーパブ ブリック」はあります。老舗トリスバーとして知られるブリックは、第一号店が昭和26年(1951)に銀座で開業、中野店は昭和39年(1964)に開店しました。開店当初からほとんど変わらないレンガ造りの外観を眺めながら中に入ると、きびきびとした紳士的な店員さんたちが出迎えてくれます。1Fはテーブル10席、2Fにはテーブルが30席もあり、結構広いお店です。サントリー・ホワイトはワンショット200円。もちろんトリスのハイボール(200円)もありました。おつまみも充実しており、どれも400円〜600円とリーズナブル。まさに庶民のためのトリスバーここにあり!といった感じです。夕方5時から営業で、夜12時までやっています。日曜日休み。
さて、そんなトリスバーですが、さらに有力な情報が飛び込んでまいりました。なんでも学生街にあり、今でも150円でトリスハイボールが飲めるらしく、しかもウナギの寝床のように細長い小さなお店なんだそうです。もちろん、かなり古いお店であることは間違い無さそうです。
というわけで、次回は、今も残る超老舗トリスバー潜入記をご紹介したいと思います。ご期待下さい。
2002年11月22日更新
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