ノスタル爺
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三匹の侍
チック 「ところで、テレビのチャンバラといえば、『三匹の侍』が衝撃的だったね」
タック 「テレビで初めて、刃音や人を斬る音を効果音として付けたんだよね。チャリン、バサッ、バサッ」
チック 「それで、立回りが迫力を増した。丹波哲郎や長門勇は、もともと殺陣の巧い役者だから余計にね」
タック 「単純な勧善懲悪でなく、社会性もあって、ドラマにも厚みがあったろう。五社英雄は、これで名を上げ、メジャーな監督になっていった」
チック 「オレはエロッぽいシーンを期待して見ていたんだけど……、平幹二郎が、女好きの浪人で、一番おいしい役」(笑)
タック 「三原葉子とか、万里昌代といった悪女が平に絡むんだよね」
チック 「オレ好みのグラマー女優が多かったなあ」
タック 「おい、おい、グラマーなんて言葉、今頃使わないぜ」
チック 「とにかく、肉感的で、そそる女優ね」
タック 「それはそうとして、三人の中で一番ユニークだったのが長門勇。正義感あふれる豪剣の使い手や、ニヒルな二枚目というのは、椿三十郎や眠狂四郎などに先例があるけど、百姓出身の芋侍というのは、なかったからね」
チック 「『三匹の侍』を見るまで、長門勇なんて知らなかったものなあ」
タック 「他のメンバーが代っても、桜京十郎の長門勇だけは代わらなかった」
チック 「芝左近の丹波哲郎が、橘一之進の加藤剛に代ったけど……?」
タック 「『三匹の侍』が終了して、1年後に『新・三匹の侍』というのがあるんだよ。安藤昇、高森玄、それに長門勇がメンバーだった。安藤昇の立回りは殺気があって、オレは好きだったけど……」
チック 「『新・三匹の侍』は憶えていないなあ」
タック 「いくら五社英雄が企画した作品といっても、カラー化程度で、きわだった特長もなく、短期間で終了したからね。昔の名前で出ても、中身がともなわなければダメ、ということかな」
どこまでも続くオジサンたちの話です。
三匹の侍
キー局:フジテレビ
期 間:1963年10月10日〜69年3月27日
キャスト:丹波哲郎(途中で加藤剛に交代)、平幹二郎、長門勇
新・三匹の侍
キー局:フジテレビ
期 間:1970年7月6日〜9月28日
キャスト:安藤昇、高森玄、長門勇
2003年2月13日更新
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