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「あやかし動物園」タイトル

園長 ペリプラ葉古

その9−メダカ


園内に小川が走っています。
この川にもなにか生き物がいるみたいです。
そぉーっとのぞいて見てみましょう。
あ、メダカ!

メダカ

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かつて川の中にはメダカの学校があった。
そぉーっとのぞいて見てみたら、
みんなでおゆうぎしているのが見えた、という。
いまはそう簡単には見ることはできない。
おゆうぎもさることながら、メダカそのものを。

子どもの頃、川で捕まえる魚の定番といえば
フナであり、ドジョウであり、メダカだった。
それらはまさしく雑魚(ざこ)であり、
時として捕まるナマズやタナゴに比べたら粗雑に扱われた。
そんな記憶を頼りに、昔遊んだ川に行ってみるとよい。
まずは「川」と呼ばれるものの変貌ぶりに腰を抜かす。
子どもにとって遊び場だった「りっぱな川」は
大概の場合、大人の目からは「しょぼい流れ」に見える。
それは視点が高くなったためだからさておくとして、
もはや「川」じゃないのだ。
よくてコンクリートで固められた水路、
せいぜい生活用水の流れこむどぶ、
多くの場合土地開発で存在そのものが消滅している。
岸にレンゲやスミレの花咲く「春の小川」など望むべくもない。
運良く水路化した「川」が残っていたら、
ためらうことなくズボンをめくって入ってみて欲しい。
人目を気にせずに網をふるってみて欲しい。
ナマズやタナゴはまず捕まらないだろう。
頑張ればフナくらいは網にかかるかもしれないが、
ドジョウだって難しい。
メダカとなってはおそらく見ることすらできないはず。
現在メダカは環境省指定の絶滅危惧種に指定されているのだ。

 「え、メダカを捕まえた?
 小さくて、色や形がメダカそっくりだって?
 じゃあ聞くけど、その魚、目玉が身体の上に飛び出してる?
 ほら、違うでしょう。
 メダカは目玉が高いところにあるから目高。
 おじさんが捕まえたのはカダヤシといって、
 ボウフラの駆除のために日本に持ちこまれた移入種。
 カを絶やすのでカダヤシ。
 こいつは爆発的に増えていて、
 いまや日本中の川や池にいくらでもいる。
 カを絶やす前にメダカを駆逐したんだってわけ。
 (笑)」

カダヤシ

カダヤシ

東京の多摩川もそうだが、
日本中の川がきれいになりつつあるというニュースを聞く。
何十年かぶりにアユが戻ってきたんだとか。
水の汚れだけ見たら確かにその通りなのだろう。
少し前までは農薬や洗剤の通り道になっていたのが、
使用規制や下水道整備によって減少した。
水質汚染の状況は多少は改善された。
タマちゃんまで現れるようになった。
が、そのことはメダカにとって住みかの復活を意味しない。
メダカはあれで気高い魚なのだ。
さらさら流れる小川でなければ生きてはいけない。
日本の原風景ともいえる小川でなければ。
一度壊れた景色を元に戻すのはまず不可能だと思われる。
予言しよう。
近い将来、メダカは水族館でしかお目にかかれなくなる。
メダカの学校は入場料を払ってのぞくはめになる。

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【メダカ】
メダカ目メダカ科の淡水魚。かつては北海道を除く国内の河川や
池沼、水田などに広く分布していたが、現在は激減しており、平
成11年に環境省(当時は環境庁)によって絶滅危惧U類に指定さ
れた。よく間違えられるカダヤシはメダカ目カダヤシ科の属する
アメリカ原産の淡水魚。


2003年1月15日更新
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その8−ムジナ
その7−回虫
その6−カッパ
その5−アリジゴク
その4−デメキン
その3−ジュウシマツ
その2−イボカエル
その1−スピッツ


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