No.05 猛暑の夏におすすめの温泉

連日の猛暑、さらには節電が叫ばれる今年の夏。いかに涼しく乗り切るかは、皆さんにとっても最大の関心事だろう。暑い時には熱いお茶を飲むと良いとは言うが、暑い時こそ温泉に、というと正直しんどい。やはり夏は水風呂に限る。サウナで汗だくになったあと、くらくらになるまで水風呂に浸かる。さながら修行僧の気分だが、水風呂も冷たすぎると身体に負担がかかって逆効果。あちこちの銭湯で調べた結果、体調や季節にもよるが水温は20℃以上が好ましい。


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さて、山梨県山梨市の岩下温泉は1700年以上の歴史を持ち、甲州最古の温泉なのだとか。のどなか住宅地のなかに建つ一軒宿で、平成築の新館と明治8年築の旧館が少し離れて建っている。岩下温泉の特徴は「冷泉」であること。源泉は28.2℃で、これを沸かさずに浴用に使用しているのだ。水風呂の冷たさが苦手な人でも無理なく浸かれるし、夏の火照った身体をクールダウンするにはもってこいの、絶妙な温度なのだ。


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日帰り客が利用できるのは旧館の浴室。廊下の先に男女の浴室が並んでいるが、その向かい側には半地下構造で、広々とした浴室がある。廊下からは数段下っていくが、仕切り方が完全ではないため、廊下から浴室はほぼ丸見え。専用の脱衣所もないし、湯船に仕切りはあるものの、実質的には混浴だ。誰も入浴していないし、そもそも入浴してよいのか?という疑問。なぜなら旧館には案内役が誰もいなかったから。お金もあとで支払ったのだが、随分おおらかな雰囲気だという印象。


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ひとまず浴室でひとっ風呂。狭さといい、薄暗さといい、昔ながらの旅館風情。手前にあるのは源泉そのままを使用した湯船で、ひんやり加減が気持ちいい。奥にあるのは加温した湯船だが、長湯好きにはたまらないぬるさ。冷たい、温いを繰り返していたら、あとから客がやってきた。廊下の向かい側にある混浴湯船の話題になり、「入ってもいいらしい」との話を聞き、さっそく移動。


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裸のまま廊下を突っ切ることが恥ずかったが、それは難なくクリア。もし事情のわからない客が居合わせたならば、変態騒ぎの衝撃的光景だろう。そして、広々とした湯船にざぶんと浸かる。こちらも源泉そのままの温度だが、湯船が広いためか先程よりも冷たく感じる。古くから万病に効く霊湯として知られ、地元の人々の湯治で賑わったという。そんな光景を想像してみるが、一人ぽつーんとこの浴室を独占するのは贅沢。いやむしろ寂しい。実はここを訪ねたのは5月の、とある平日。混浴に期待するなどもってのほかで、出会ったのは男性客ただ一人。


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訪ねるならば猛暑真っ盛りの今がおすすめ。個人的には極寒の時期にも、また訪ねてみたいと思う。


岩下温泉旅館
源泉/岩下温泉(単純温泉)
住所/山梨県山梨市上岩下1053
電話/0553-22-2050
交通/JR中央本線山梨市駅からタクシーで約7分
     中央道一宮御坂ICから約20分
料金/大人400円、小人300円
時間/9:30~20:00、毎週月曜日休館


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Author


    シダ トモヒロ
    -Tomohiro Shida-
    大学時代より国内各地とアジア諸国をおもに旅する。また高校時代から同人誌や機関誌の編集に携わり、98年創刊時より「旅の雑誌」編集人。趣味は旅行、ビリヤード、野球観戦。

    ミニコミ誌HP:
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    温泉&野球ブログ:
    旅は哲学ソクラテス

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このページは、シダトモヒロが2011年8月19日 01:51に書いたブログ記事です。

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