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 「復刻ニュース」と「レトロヘッドラインニュース」はひとつに統合して、「まぼろしチャンネル ニュース」に生まれ変わります。「まぼろしチャンネル」が独自の視点で勝手に選んだニュースをお届けします。



市民の声で実現した昭和20年代〜30年代の出版文化&子供のくらしの展示会
企画展 えほんの路地
−そこはこどもの大宇宙−

浦安市郷土博物館・2階企画展示室にて好評開催中
[5月5日(水)まで]

『企画展 えほんの路地』のポスター

 一昨年の秋に、レトロスポットガイド「昭和チック天国」で紹介した浦安市郷土博物館(千葉県)で、現在『企画展 えほんの路地 −そこはこどもの大宇宙−』が開催されている。この展示では、昭和20年代〜30年代の絵本や子供向け雑誌、紙芝居を巡って子供や大人がどのような関わりを持ったのか、そして当時の子供を取り巻いていた学校や地域社会の様子はどうだったのかを、絵本や雑誌、紙芝居、児童による絵や文集、写真などから振り返る。

昭和30年代 子どもをとりまく出版文化

 戦後、子供を取り巻く本の世界は新たな幕開けを迎えた。絵本の分野では、戦前盛んだった外国の翻訳本に代わり、オリジナルの絵本が続々出版された。雑誌の分野では、子供向けに多様な雑誌が発刊され、学年誌、少年少女雑誌、科学雑誌、マンガ雑誌などが子供達の心を捉えた。このコーナーでは当時の絵本、雑誌を展示し、一部は手にとって閲覧できるようにしている。また、「カバヤ文庫」の絵本や「貸本」など書店以外のルートで子供に提供された本も、その一角を占めている。

絵本と雑誌の展示

絵本と雑誌の展示

 ところで、子供向けの出版文化が繁栄する一方で、この頃「悪書追放運動」が大々的に展開された。残酷なシーンや猟奇的な内容を持つ漫画本や街頭紙芝居が子供の成長に悪影響を及ぼすおそれがあるとして、教育関係者やPTAなどがその追放に奔走したのだ。そういった影の部分も、展示されている当時の雑誌記事から伺い知ることができる。

昭和30年代 子どもたちを夢中にさせたもの

 ここでは、当時、本以外に子供を夢中にさせた紙芝居・ブリキのおもちゃ・映画などについて紹介している。

(1)紙芝居
 当時使われた街頭紙芝居十数点の他に、教育紙芝居や現在使われている紙芝居が展示されている。街頭紙芝居は、大阪にあった「三邑会(さんゆうかい)」という製作会社の紙芝居を中心に、話の日本社、オール画劇社、一誠会、聖和会、友愛社、ふるさと、児童芸能社、マツダ画劇社のものが並ぶ。教育紙芝居は、童心社のものが中心。

紙芝居の展示

(2)おもちゃと遊び
 ブリキ玩具製作者の小林二三夫氏、岡部俊男氏のブリキのおもちゃコレクションを中心にメンコ、ビー玉などが並ぶ。ベーゴマ回しなどは館内の「浦安のまち」で体験できるので、そちらにも行ってみてはどうか。

(3)映画
 博物館のエントランスホールに久保板観さんの映画看板、2階の展示ケースには地元コレクターが収集した「橋幸夫コレクション」(ポスター、映画雑誌、レコード)が。また別のケースには、当時の浦安の映画館の写真や子供の見学記などが展示されている。

エントランスホール

昭和30年代 浦安の子供たち

 漁師町浦安の子供達の生き生きとした様子がカメラに収められている。ベカ舟の回りで遊ぶ子供や、子守りをする子供。みんなどこへ行ってしまったのだろうか。

写真の展示

わが母校、浦安小学校

 昭和32年〜39年まで浦安小学校で教員をしていた安藤弘氏のコレクションを中心に、市民から寄せられた思い出の品々が並ぶ。所有者本人のコメントも添えられている。

安藤弘氏のコレクション

 この他、「特設コーナー」では絵本『せんたくかあちゃん』(さとうわきこ作、福音館書店)の原画や、戦時中の子供の資料(教科書・戦争の絵・戦地からの手紙)が紹介されており、展示に一層の深みを与えている。
 実は、この展示会は「浦安おななしの会」という市民サークルと博物館が協力して企画されたもの。会場では、同会のメンバーが展示の説明や絵本の読み聞かせを行っているので、家族連れで出掛けられたらいかがだろうか。

『企画展 えほんの路地』のポスター


会場

浦安市郷土博物館2階 企画展示室

開催期間

3月27日(土)〜5月5日(水)

観覧時間

9:30〜16:30

休館日

月曜日、祝日の翌日、4月28日(水)、30日(金)

観覧料

無料

アクセス

東西線「浦安駅」から「舞浜駅行バス 6番」にて「市役所前」下車
JR「新浦安駅」から「南行徳駅行バス 7番」にて「市役所前」下車

問い合わせ先

浦安市郷土博物館 千葉県浦安市猫実1−2−7
047−305−4300



2004年4月16日更新
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