No.255 『夢声戦中日記』 ご案内 - ガラクタ共存記

255-2.jpg

濱田研吾さんが解説された、『夢声戦中日記』が中公文庫から発売されました。

徳川夢声さんのお名前は皆さんご存知でしょう。明治27(1894)年、島根県の生まれ。活動写真と呼ばれていた、無声映画時代の弁士として有名で、その他にも俳優、文筆業など多方面で活躍された方です。

この本は、その夢声さんが戦時中の昭和16年から20年までに書かれた、数多くの日記の中から、解説者の濱田さんがチョイスし、原文を加筆せずにまとめたものだそう。芸能史的に資料性が高いと思われる下りや、プライベート上の興味深い部分など、さすが夢声ファンである濱田さんが選んだだけあって、面白く拝読しました。
自他ともに認める、夢声さんの大ファンであり、研究者でもある濱田さんですから、戦後70年という節目の年に、戦時下の夢声日記を世に送り出すことができたのは、さぞ嬉しかったことと思います。

読んでいてしみじみ思ったのは、「昭和も遠くなったなぁ」ということ。日常、古物に接している私ですらそう思うのですから、古いモノたちと縁薄い生活を送っている方からすれば、なおさら遠くなったと感じておられるのではないでしょうか。
娘が幼稚園に行くようになり、平成生まれのママともおつきあいしているのですが、話題が若いころの話になると、「ごめんねぇ。昭和の話で‥‥」なんて、ついつい予防線を張ってしまう自分に、年齢を感じてしまったり。ちょっと前までは、年配の方がおられると明治や大正の話も出ましたが、最近はとんと聞かなくなってしまいました。

気が向いたら、タイムスリップする気分で、70年以上前の話を読むのもいいかも知れませんね。
興味のある方は、ぜひぜひ手にとってみてくださいませ。


255-1.JPG

今回ご紹介するのは、写真のお皿です。縦15.5センチと小ぶりで、黄色味がかった色合いの縁取りに、ちょっと荒削りな感じの絵柄があしらわれ、持った感じはぼってりと厚みがありました。

中央に描かれているのは、よ~く見ると雀でした。ラフな絵ですが、緑の葉の間を雀がはばたく様子と、四周の色合いがどことなく品良い感じなのに惹かれて、テーブルの真ん中に置いたら素敵かも、と求めました。
涼しくなって、どこからか金木犀の香りが漂うこの季節には、ぴったりな雰囲気じゃありませんか? そうそう、今年はドングリの当たり年で、出かける先々で、娘がどんどん拾ってきます。ドングリを入れる器としてもよさそうですね。


【 お ま け 】
シルバーウィークは、長野県に行ってきました。久しぶりのお天気続きとあってか、まあ、ものすごい渋滞で大変でしたが‥‥。
途中釜飯で有名な"おぎのや"で食事をしたとき、おみやげコーナーで、釜飯のうつわをそのまま小さくしたような、可愛らしいお釜を発見して思わず手に取りました。赤の包み紙はりんご飴、緑のそれは漬物なんですって。ちょっとトクした気分で、嬉しかったです!

255-3.JPG

廃線跡のレンガの橋、「めがね橋」もはじめて見ましたよ。とても大きくて立派な姿に、びっくりしました。

255-4.JPG

娘と静かな廃線跡を歩いて、探検したりと楽しかったです。

255-5.JPG

娘の好きな「ぐでたま」チャンと一緒に、駅の跡で記念写真。

木曽岬温泉がいま話題になっていることをご存知だろうか。看板にそう書いてあるのだから間違いないが、むしろ話題にしているのはB級スポットマニアだけかもしれない。「ゴールデンランド」というイカしたネーミングセンスにして、ジャリ風呂、ジャリサウナのキーワードにも心が躍る。


kisosaki02


木曽岬温泉があるのは、愛知、三重県境の木曽三川デルタ地帯。田園風景を名四国道が分断し、付近に目ぼしい観光スポットは何もない。まともな人なら長島温泉(ナガシマスパーランド)に行くだろうし、すぐ近所には庄助という料理自慢のちゃんとした温泉旅館もある。


kisosaki01


遠くからでも目立つ古ぼけた建物とは対照的に、エントランスの看板だけが歓迎ムードを示している。「いらっしゃいませ」の文字をくぐると、がらーんとした光景が広がり、しかも物音ひとつしない。大宴会場の賑わいなど想像もつかないが、どさ回りの演歌歌手のポスターが貼ってあったりもする。


kisosaki03


浴室は500名収容と贅沢な広さを誇るが、客はまばら。おじいさん達は湯船に浸かるでもなく、床でごろんとしている。お湯は大量にあふれているから、そこかしこが寝湯なのだ。皆さんに倣って寝てみるが、お湯は意外と熱い。そしてふと目をやれば名古屋城(なのだろうか)。さすがだ。


kisosaki04


そして名物ジャリ風呂。その名のごとく床一面には砂利が敷き詰められ、お湯をうっすらと張っている。石を均して寝てみれば背中や腰のつぼ押しが心地よい。砂風呂よろしく埋もれてみるのも良いだろう。苔むした玉石にげんなりするが。ちなみにジャリサウナはこれの室内版で、スチームサウナ感覚だ。


kisosaki05


露天風呂はないが、外気浴の中庭があって、ベンチではおじいさんが寝ていた。ここを訪ねる客は寝る以外にやることはないのか。とくにオモシロハプニングもなかったため、このレポートは結論もなくおしまいにしたい。


前回予告をさせていただきましたが、8月のはじめに帰省した際、素敵な古道具屋さんを発見しましたので、ご紹介します。

話のはじまりは、妹からのひと言でした。
「お姉ちゃんが好きそうなお店ができたんだけど‥‥」って。
正直、半信半疑の私は「へぇ、そう?」と生返事。東京ですら、骨董店の経営が厳しいこのご時世、私の故郷のような片田舎(スミマセン!)に、古道具屋さん、しかも私好みのモノを商っておられるお店など、あるわけないと思っていたからです。

とはいうものの、古道具屋さんとくれば、気にならないといえばウソになります。妹に案内されて、娘と探検がてら訪ねてみることにしました。

254-7.JPG

着いたところは、以前スーパーがあったところ。赤地に白い文字を染め抜いた、「古道具」ののぼりがはためいているのを見て、先ほどまでの疑わしい表情はどこへやら。急に期待が高まって、ニコニコ顔になるのですから、現金なもの。
屋号は"古道具ぶんぶく"さん。ウキウキと店内へ。

254-12.JPG
「こんにちは~」と声をかけ、一歩店内に足を踏み入れたとたん、なんともいえない懐かしい匂い! 私のイメージにある、大好きな古道具屋さんの雰囲気、そのものだったのです。

妹を振り返り、「でかした!」という気持ちを込めて目線を送ると、得意げな顔でニンマリ。
できた妹を持って、お姉ちゃんは嬉しいぞ!

254-2.JPG

素敵な雰囲気にたがわず、収穫(?)の方もなかなかで、嬉しい限りでした。店内のご紹介は後でゆっくりするとして、求めた品物を2つご覧にいれますね。

254-1.JPG

お店に入ってすぐ目についたのが、このセルロイド製の達磨さん。「眼力(めぢから)」という言葉がしっくりくるような、威厳のあるお顔に鉢巻キリリ。セルロイドらしい淡い色合いもよく似合い、いっぺんで気に入りました。高さ14センチ。

254-3.JPG

七転び八起きの縁起物である、達磨さんのパターンにたがわず、底に重りが入っていて、起き上がり小法師になっています。本体が軽いので、起き上がり方もピョコリ、ピョコリと可愛らしい感じ。

右手に持っているのは何でしょう、太い筆のようにも、武将が使った采配のようにも見えますが、珍しいですよね。よく見かける達磨さんは、手の表現がされていないのが普通でしたし、以前ご紹介した達磨さんもそうでした。地方によって、違いがあるのかしら。

254-4.JPG

もう1つは、煙草のパッケージを絵柄にしたお小皿です。このお皿は、ほぼ同じ絵柄のものを以前ご紹介しましたよね。ただし、私の家にいるお皿は直径15.5センチで、今回求めたお皿は直径13センチと、いくぶん小ぶりなのが違います。いうなれば、バージョン違いというところで、思わぬ発見に嬉しくなりました。

コレクターの間では、すでに有名なお皿ではありますが、煙草の銘柄が親しまれていた当時の世相が感じられて、好きなモチーフのひとつです。

254-5.JPG

広い店内には、目移りしそうなほど古物がずらり。これはお仕事として昨日今日始められたのではない、きっと、長い年月をかけて集められたに違いない、と確信。器はもちろんのこと、民芸品や着物から、状態の良い玩具まで、品揃えもバラエティ豊かでした。

大好きなモノばかりのお店に興奮のひと時を過ごし、これではいけないと深呼吸、少し落ち着いたところで、お店のご主人にお話しをうかがうことに。

思ったとおり、ご自身も古いモノがお好きで、長年にわたって少しずつ集めてこられたそうです。"古道具ぶんぶく"をオープンされたのは、今年の3月だそう。開店してまだ半年あまり、数少ない地元の古道具屋さんだけに、頑張って続けていただきたいと思わずにはいられませんでした。

254-8.JPG

お店の様子も、いくつか紹介させていただきましょう。まずは入口から。臼に壺、植木のお鉢やお釜と、大物のうつわ類が並んでいます。奥の箪笥越しに、ぶんぶくさんの看板が見えますね。

254-9.JPG

店内、瀬戸物の棚をのぞくと、こちらも欲しくなるモノばかり。漆器やガラスのビンも気になりますね。壁に架かっている、八角時計もいいなぁ。

254-10.JPG

こちらも器がたくさん、お茶道具や民芸品、お人形もあって楽しい一角。郷土の焼き物もありますよ。

254-11.JPG

このお酒の広告は素敵ですね! おヒゲにステッキの洋装紳士、奥さんと娘さんの着物がすごくきれい。手前の汽車のオモチャも気になります。状態はどれも良くて、大切にされてきたことがうかがえました。

254-13.JPG

思わず座ってみたくなるベンチの前は、テーブルかと思いきや、足踏みミシン。本当に多種多様な品揃え、時間の経つのを忘れてしまいそう。


254-6.JPG

場所は、境港線の大篠津駅を降りてすぐ。鬼太郎の街・境港や、米子空港からもディーゼルカーで一本という、便利なところです。山陰に旅行されたときは、ぜひ立ち寄ってみてくださいね!


古道具ぶんぶく
住   所:鳥取県米子市大篠津町4923
電話番号:080-3888-2937
営業時間:10:30から17:00
定 休 日 :日曜定休、不定休

前に戻る 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11
...トップページへ







Powered by Movable Type 5.03