No.252  メンソレータムの木製ぞうさん

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長さ9.5センチ、高さ5.5センチという、手のひらに乗るくらいの、小さな木でできたぞうさんのおもちゃ。絵の具でつけられた色はかすれ気味で、上塗りされたニスもむらがあり、決して丁寧とは言えないつくりですが、駄玩具そのものの素朴さに魅力を感じて、骨董屋さんの古い棚の中から手に取ってみました。

転がしてみると、カラカラと音を立てて軽やかに走ります。錆びて茶色くなった車輪は、ブリキのプレスを二枚あわせたもので、釘で板に打ち付けてあるだけというこれまた素朴な感じ。娘も「かわいい~」と気に入ったようだったので、我が家の仲間としてお迎えすることにしました。

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最初に見たときは、ぞうさんが右を向いた状態だったので、台座に書かれた「薬庭家の界世」の文字が目に入りました。ははあ、薬屋さんで配ったようなノベルティか、とすぐ見当がついたところでひっくり返してみると、「ムターレソンメ」! なるほどメンソレータムなら、「世界の家庭薬」のフレーズも納得です。つくりからして、まず戦前製と思って間違いないでしょうから、近江兄弟社時代のノベルティではないでしょうか。

本当に子供の手に渡ったのなら、この素朴なつくりからして、すぐに壊れてしまったでしょうから、大人の手でどこかにひっそりとしまわれて、大切に保管されていたに違いありません。きっと私のような小物好きのお母さんがいて、「子供に壊されたら、ぞうさんがかわいそうだわ‥‥」なんて、引出しの中にこっそりしまい込んだのかも‥‥と、あれこれ想像してしまいました。


【 お ま け 】

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我が家には、お友達の絵本作家、たごもりのりこさんの絵本がたくさんあります。最近、字が読めるようになった娘は、たごもりさんの絵本はどれを開いても、見返しに「〇〇〇ちゃん(娘の名前です)へ たごもりのりこ」と、自分あてのサインが入っていることに気づき、嬉しくて仕方がないようです。
以前、娘を連れて個展にうかがったときは、まだ赤ちゃんで何もわかりませんでしたから、今度たごもりさんとお会いしたら、「絵本を描いた人だ!」と、きっと大喜びすると思います。

そうそう、絵本といえば、携帯用の絵本なんてあるんですね! 単に小さい絵本、という意味ではなく、既刊のよく知られた絵本が、絵柄も装丁もそのまま、ぎゅっと縮小されているのですから、ステキじゃないですか! 
写真の「はらぺこあおむし」は、縦10センチ、横13センチという可愛らしいサイズで、「愛蔵ミニ版」というのが正式名称みたい。娘との旅行のときに持っていこうと、三冊買っちゃいました。


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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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このページは、さえきあすかが2015年8月 8日 23:31に書いたブログ記事です。

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