No.253 特別展「衣服が語る戦争」へ行く


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今年は終戦から70年の節目の年。それに関連しての特集や報道を、テレビをはじめ雑誌や展覧会など、さまざまな場所で目にすることが多いですね。

上にチラシを掲げた「衣類が語る戦争」展も、そのひとつといえるでしょう。何より、私の尊敬する蒐集家であるH氏が、ご自身のコレクションを提供されたと聞いては、見に行かずにはおられません。今月末までということもあって、旦那さんと娘を連れ、家族3人で行ってきました。

場所は、新宿駅から甲州街道を西へ向かったところにある、文化学園服飾博物館です。私も旦那さんも、新宿には縁薄い方で、娘はもちろん初めて。高いビルが立ち並ぶ繁華街に興味しんしんで、親ともどもお上りさんのようにキョロキョロするしまつ。館内に入ると、平日の午後という時間でありながら、年配の女性でにぎわっており、みなさん熱心に展示を見ておられました。

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会場に展示されている品の点数は、思ったより多くない印象でしたが、よく知られている戦時中の国民服にはじまり、戦車や飛行機が描かれた子供着、不要な着物を改造することで生まれた更生服、代用材料のドレスなど、当時の世相を垣間見れるものばかり。
感心したのは、先の戦争だけでなく、日清・日露から、第一次大戦当時のモノまで展示されていたこと。戦争が衣服や布製品に及ぼした、デザインや素材への影響には、ここ数十年だけでない長い歴史があることがわかりました。勉強になるなぁ。

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気になるH氏所蔵の展示品は、紙縒糸(紙の帯を細い糸状に縒ったもの)で織った服や、スフ(ステープル・ファイバー、合成繊維の一種)製の服など、傷みやすく保存が難しい素材の品が少なくないにもかかわらず、いずれもとてもよい状態だったのが印象的でした。骨董市でお会いすると、常に厳しい目で品定めをしていたHさんの様子が思い出されて、「さすがだなぁ!」と、尊敬の思いが増したものです。

当時のモノたちは、時間がたって色あせているせいもあってか、どうしても暗い色合いのモノが多くなってしまうのですが、そんな中で子供服だけは、色遣いが華やかなだけでなく絵柄も斬新ときていて、物資の乏しい中でもわが子の成長を願う親の姿が垣間見え、一児の母としてはついつい見入ってしまうのでした。

そうそう、一緒に行った旦那さんは、紙縒糸で織った女性服や、ミノムシの蓑袋を平たく伸ばして継ぎ合わせた鞄に、特に関心を示しており、人が編み出す工夫というもののすごさに驚いていました。
セミのぬけがらを生のまま(!)持ち歩くのが好きな娘に、「ミノムシのおうちで鞄がつくれるよ」なんて話したら、「自分もつくる!」って、ミノムシ探しの旅に出そうだな‥‥、なんて思ったりして。

展示は衣服にとどまらず、洋裁研究雑誌「装苑」の戦時中の号や、木や貝でできた代用品のボタンなど、関連するさまざまなモノまで押さえているあたり、さすが服飾博物館。
娘とこういう博物館へ来たのは、はじめてのことでもあり、落ち着いてじっくり見るというわけにはいきませんでしたが、以前にくらべるとだいぶききわけがよくなって、静かについてきてくれるようになりました。今後もなるべく、こういう機会をつくっていきたいですね。


【 お ま け 】
早いもので、8月も終わりますね。最後の週に入ったとたん、急に気温が下がって朝は18度です。びっくり! そんな秋の知らせとともに、義理の父の一周忌があります。昨年の今ごろは大忙しでしたケド、この一年、本当に早かったなぁ。

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8月のはじめには、故郷にも帰ってきましたが、暑かったです。連日晴天で、雨の心配ゼロ。そんな山陰も珍しく、いい時に帰ることができたと感謝しています。そうそう、地元では素敵な古道具屋さんを発見しました! 次回ご紹介しますね。

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朝早くからテンション高めの娘、水平線から出てきたばかりの朝日を前に、さっそくシャボン玉遊びです。


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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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このブログ記事について

このページは、さえきあすかが2015年8月26日 08:30に書いたブログ記事です。

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