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「プラモ線の旅」タイトル

今柊二

「怪獣相撲ブーム」

バンダイのThe特撮 コレクション6 ペギラ。400円でした。1983年発売です。

The特撮 コレクション6 ペギラ

 1967年生まれの私にとって、消しゴム文化のなかで最大のイベントはやはりこの怪獣相撲であった。このときほど怪獣消しゴムを熱心に集めたことはなかった。怪獣消しゴムは確かガチャガチャで買っていた。価格は20円で、現在は大体200円がオーソドックスな価格帯だからずいぶんと安かった。もっとも今のガシャポンのように、彩色などは施されているわけもなく、まさに単色の怪獣の形をした消しゴムだった。それ以前にも、怪獣やサッカーボールなどをかたどった消しゴムもあったことはあったのだが、怪獣消しゴムブームのときの消しゴムたちは形のシャープさがそれまでのものとはまるで違った。とりあえず、ケムラーはケムラーの形をしていたし、レッドキングはちゃんと頭が小さかった。

 で、これらの怪獣消しゴムでトントン相撲を行なうわけだが、前述したこの2種類の怪獣はとても強かった。ケムラーはふだんは4つんばいだが、後ろ足でたたせることができ、そうするとかなり安定性がよくてめったに倒れなかった。さらにレッドキングも三角錐のかたちなので、安定性は抜群だった。逆にウインダムやバルタン星人、キングジョーなど、ヒト型の怪獣たちは、ものすごく弱かった。そのため、相撲もいつしかヒト型はヒト型どおし、怪獣は怪獣どおしというようにルールが決まっていった。

 さらには専門のトントン相撲用の土俵まで販売されるようになり、確か親友のタン君が学校にもってきて、トントンやっていた記憶がある。さそしてトントンやりつつ、それぞれの怪獣の特性を図鑑などを参考にしつつ暗記していくのも大事な作業であった。自分のもっている怪獣たちの特性を知っておくのは必要最低条件であったのだ。そして勝敗の決着がついた後だが、べーゴマのように負けるととりあげられるというわけでもなくて、最初に「真剣勝負」(奪取あり)か「普通の試合」(交換など一切なし)を決めてから闘った。そして多くの場合は「普通の試合」だった。怪獣の特性を覚えるのは、ちょうど1960年代後半に少年時代を送った諸先輩たちとほとんど行動パターンは同じなのだが、そういう「勝負の真剣味のなさ」というのは、我々の世代(少なくとも私の周辺)の特徴だったのかも知れない。

 さらに、70年代末期の我々の時代が「ウルトラマンファースト世代」と大きく異なるのは、ウルトラマンの怪獣に対して、数々の強力なライバルがいたことだった。そのひとつが前述してきたようにアニメの数々だったが、もう一つがアメリカからやってきた映画であった。60年代のウルトラブームのときにも英国の「サンダーバード」がいたが、このアメリカ映画の攻撃力は実にスゴかった。

 その映画は「スターウォーズ」というタイトルだった。(続く)


2003年4月10日更新
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