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「ら〜めん路漫避行」タイトル

第11回 あーおかめ市〜大嫌い…
でも大好きよ川口マイライブ
刈部山本

この時期、心躍るアレがやってくる! そう、大晦日開催のコミケ…ではなく、一年で一番好きな行事、川口神社のおかめ市のこと(コミケでは当連載に関連したB食町歩き本を出してます!新刊は千住の路地裏徘徊!詳細は文末のお知らせ欄[ここをクリック]を是非みてちょうだい)。
内容は酉の市ながら、川口神社のそれは古くからおかめ市なのだ。幼少のみぎり、高度経済成長期以降にキューポラのある町にやってきた同級生という名の第二次ベビーブマーもその親も教師ですら酉の市といいやがる。川口の中でさえマイナーになっていく状況でそんなこと声高に言っても仕方ないのだが、川口では「もんじゃ」ではなく「ぼったら」というように、「おかめ市」が正義ですから。新住民は朱に交わってください!

景観俯瞰

駅前に川口一丁目1番地再開発計画としてキュポ・ラやキャスティといったビル郡ができ、その周りに高層マンションが立ち並ぶ。本当にここでおかめ市が開催されるのか不思議でならないが、なんと呼ばれようとも時代が変わろうとも、PTAが歩道の腕章をつけてミーティングをし、ヤンキーと補導員というシュールな終りなき闘争は今なお続いている。実に正しい。

型抜き

今日ばかりは再開発よりこっちが主役とばかりに、発電機により光る裸電球のオレンジのテキヤの灯りが煌々と輝いている。人並みに飲まれながらドネルサンドや唐揚げの臭いに誘われていると、まだ残っていた、型抜き! しかも小学生が大勢たむろして画鋲の先で型を真剣な眼差しで切り取っている。ヒジョーに正しい。

ピットイン
せんべえ

出張大衆居酒屋のような飲み処も健在。川口神社真裏にあるせんべい屋もまだ営業していた。

川口神社

一通りぐるりと回り、川口神社に入る。今年もお参りの列が出来ていた。並んでいるとき、昔は必ず正門の脇にハモニカを吹く傷痍軍人がいたものだった。門を抜けたところには、毎度のコンピュータ占いがいるのだが、イマヒトツ時代遅れのパソコン。しかし今年は液晶モニターに進化していた。

熊手ゾーン
熊手

お参りをした後、熊手ゾーンに入る。以前は熊手を売る通りが2筋あった気がするのだが1筋のみ。しかし相変わらず威勢のいい声が響き渡る。毎年様々の酉の市に出かけては熊手を買っているが、今年はスケジュールが会わず、ここで済ます。ヨヨヨイ♪の三本締めをしてもらうと、今年も終わるのかとしみじみしてしまう。

射的

熊手エリアの先は射的がメインになっている。ここに以前は見世物小屋が来ていた。以前某所で撮った写真を載せておこう。

見世物小屋

川口神社西側裏手から抜ける道は狭く、毎年立ち止まるほど込み合う。ここに結構ナイスな物件が散見できるのだが、数年前からおかめ市の度に存続をチェックしている。今年も健在だ。立派な和洋折衷の震災後の物件と思しき風貌で、一部蔵も見える。

和洋折衷_横

和洋折衷_上

和洋折衷_蔵

この和洋折衷物件の路地を出たところに今年も玄米パンの屋台が出ていた。テキヤというとヤッツケなジャンクフードというイメージだが、ここの玄米パンは手づくり感溢れるもの。しっとりねっちりした食感で、蜜の甘さがじわ〜っととろけるのだ。しかし昨年から市販のものを蒸かすだけになってしまった。今年もやはり市販のものだった。それでも蒸かしたては身に染みるほどホカホカで旨いのがなんだか悔しい! どなかた現存する手づくり玄米パンのテキヤをご存知ないだろうか。

玄米パン割った
玄米パン屋

またひとつ好きな味が想い出になってしまった寂しさを押し殺しつつおかめ市を後にし、駅の反対側へ向かう。ここにもう一つ最近ながら川口の味、まる玉ラーメンの本店がある。寒いおかめ市の時は締めにここで食べると本当に温まって大変重宝している。

まる玉

ここのスープは鶏白湯といって、白濁した濃厚鶏スープは粘土があってポタージュのようにマイルドに舌にまとわり付くのだ。しかし意外と嫌な後味はなく、満足度がありながらあっさりと飲めるのも特徴。
麺は細麺を硬めに指定。やや縮れたウェーブがカチン!と残っている。硬めだとまるで博多ラーメンのバリカタのよう。チャーシューは肉肉しさがありながらも柔らかく、アオサもトロンとした独特の喉越しで慣れると癖になる。
近くではアリオ川口にも支店があり、まさに川口を代表するラーメンといっても過言ではない。また都内にもここから巣立った店があるが、個人的には本店とアリオ川口が好み…しいて言えば本店がやっぱり一番かな。

まる玉外観

らーめん まる玉
11:30〜14:00/17:30〜23:00
定休;水・日曜
埼玉県川口市川口4-2-3
※時間等変更の場合があります
公式サイト:http://www.ma-rutama.co.jp/

ともあれ、こうして毎度毎度のおかめ市はいつも通りに幕を閉じた。徐々に変化はしているが、おかめ市という受け皿はなくなっていない。どんなに再開発が進もうとも。そのことがとにかく嬉しいかった。他の酉の市もそうした町本来の姿を見る機会として非常に重要視している。これまでにいった酉の市のレポも今後取り上げるだろうが、また新たな酉の市との出会いがこれからも楽しみだ。



刈部山本

刈部山本(かりべ・やまもと)とは・・・
ラーメンなどのB級グルメを主食とし赤線跡・軍事遺跡・レトロ建築等を巡る路地裏徘徊人。
東京の下町、谷根千の路地裏に潜む古本喫茶を自営。レトロ少女マンガ・サブカル・町歩き等の古本・ミニコミが揃う空間で最高品質の珈琲と自家製ケーキを持て成す。
ふるほん結構人ミルクホールHP http://kekkojin.heya.jp/




2007年12月19日更新
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