60年代カバーポップスが 豪華布陣で新録音 漣 健児トリビュート 『Together and Forever』

　60年代カバーポップスと言えば、フジテレビ「ザ・ヒットパレード」でしょ。坂本九、森山加代子、ザ・ピーナッツ、弘田三枝子、中尾ミエ、伊東ゆかり、園マリ、ジェリー藤尾、渡辺トモ子、飯田久彦、田代みどり、スリー・ファンキーズ、ダニー飯田とパラダイス・キング、鈴木やすし、田辺靖雄と梓みちよの“マイ・カップル”、踊る指揮者のスマイリー小原……と、挙げていけばキリがない。オリジナルの洋楽アーティストの動く姿はテレビではなかなかお目にかかれず、「電リク」なんかのラジオの音楽番組で、つまりレコードを聴いていたわけだが、その代用品として存在したのが「ザ・ヒットパレード」で歌われる日本語によるカバーポップスだった。オリジナルの洋楽そのものより代用品であるこちらの方が人気は高かった。

　漣健児（さざなみ　けんじ）という人はその頃のめぼしい洋楽ポップスの訳詞を400曲以上手掛けた訳詞家だ。“洋楽”を“日本語のポップス”にしてしまった人と言っていい。坂本九が歌った「ステキなタイミング」（オリジナルはジミー・ジョーンズ“Good Timin’”）のサビは「この世で一番かんじんなのはステキなタイミング」と訳された。飯田久彦が歌った「ルイジアナ・ママ」（オリジナルはジーン・ピットニー）は「あの娘はルイジアナ・ママ　やってきたのはニューオリンズ　髪は金色　目は青く　本物だよ　ディキシー・クイン　マイ・ルイジナママ　フロム・ニューオリンズ」と、オリジナルの英語詩を生かして訳された。とてもユニークな訳詞のセンスを持った人だった。

　また、漣健児は訳詞家の顔以外に、TULIP、甲斐バンド、REBECCA、プリンセス・プリンセスなど数多くの日本人アーティストを世に送り出した、音楽出版社／プロダクションの経営者でもあった。つまり『Together and Forever』は、かつて彼の会社に所属していたアーティストたち（現在はバラバラ）が集まって、彼の訳詞作品を歌い綴ったアルバムということ。だから、通常だったらあり得ない顔ぶれが揃っているわけだ。

　ナンバー・ワン・ヒットを持っているアーティストたちが揃っているだけに、声の良さ、歌の上手さだけでも飽きさせないし、選曲がイカシテるので古くささを感じさせない。とにかく異色で出色の、これこそ究極のトリビュート・アルバムと言えるのではないか。うるさ型のオールディーズ好きもおそらく唸らせてしまうでしょう。

漣 健児トリビュート『トゥギャザー・アンド・フォーエヴァー』
12月8日発売
定価: 3,000円（税込）
CD番号: MTCH-1118
発売元: Flash Point Records
販売元: 3Dシステム／プライエイド・レコーズ
http://www.polystar.co.jp/sazanami/

※“漣 健児トリビュート『Together and Forever』“は、「ポップス少年黄金（狂）時代」のリトル・R・オノさんが中心となりまとめた企画です。

2004年12月８日更新
ご意見・ご感想は webmaster@maboroshi-ch.com まで

『大正テレビ寄席』、９月２７日（月）に一夜限りの復活
赤塚漫画の異色作『たまねぎたまちゃん』、９月１４日に初の単行本化
企画展　えほんの路地　−そこはこどもの大宇宙−
はとバス５５周年記念「懐かしの昭和のくらし探訪」コース
「正チャン帽」が復活！　「正チャンの冒険８０年」
みんなで創り上げた街の記録　企画展　団地ライフ
「昭和の街」に『元気』がやって来た　「青梅赤塚不二夫会館」、堂々オープン
ガチャ「学研　科学と学習ミニコレクション　パート２」好評発売中！
ガチャ「学研　科学と学習ミニコレクション　パート１」７月下旬再発売！
ミニチュア看板「昭和ホーロー賛歌」７月発売！
ガシャポン「ぼくの小学校〜２時間目〜」６月上旬発売！
「昭和の住まい展」開催中
小学校前のワンダーランド「まぼろし文具店」
　 「台場一丁目商店街」にオープン
昭和を描いた風俗絵師 　「おのざわ・さんいちの世界」展
写真集『船橋の定点撮影』好評発売中
「ゴジラと科学」展−Link Science−
タイムスリップグリコ第3弾
★伝説のあのライブが遂にDVD化！★
若き少年の心甦る！　「鉄腕アトム」復活
懐かしの名車「三菱コルト」が今秋復活！
涙と涎の「まぼろしの日本映画」復刻プロジェクト
タイムスリップグリコ第２弾詳報
東映がTV特撮主題歌のDVDを発売！

→