鴻池綱孝
〈第十六夜〉
「ゴメス とポリバケツ、怪獣と母」〈投稿文)
今夜は文京区在住の36歳男性S氏からの投稿分のご紹介です!
昭和42年7月生まれの僕は、ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブン、のオリジナル放映を見ていない世代です。
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S氏とゴモラ: 昭和45年5月29日(2歳11ヶ月)自宅縁側にて |
が、再放送を食い入るように見ていた、とお母さんから聞きました。(2歳〜3歳)。怪獣の思い出話といえば、僕の家では、怪獣遊びをするために、庭に砂場を造って、そこで怪獣ごっこを楽しんでいたんだけど、当然怪獣は砂だらけ。遊び終わった怪獣達は、そのまま、ポリでできた大きなゴミ箱に無造作に投げ込まれていました。ゴミバケツ2個分相当の怪獣を、毎日お母さんが、素っ裸でお風呂場で洗っているんだけど、(その素っ裸で洗っている姿を、お母さんの弟に当たるおじさんが”きたねぇ〜なぁ”とかいいながら、風呂場の戸を開けたりして見ていた,当然お母さんも、しめてよ〜!と怒鳴っていた)。
今でも鮮明に覚えている事柄が、いっしょに風呂に入っている自分が、『青いポリ製ゴミバケツ』と、『ゴメス』の青さ加減が、なんか似ているなぁと思いながら見ていた事。そして、ゴミバケツの蓋には、マジックで書かれた我が家の名前が、ゴメスの足裏にもマジックでしっかりと僕の名前が描いてあった。
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ゴメス: 確かにポリバケツ色だ。だが、バケツがポリ化する以前からゴメスの色はあった様に思う。(’67頃発売)だとしたら、今あるポリバケツはゴメス色ということなのか?〈>違うぞ!) |
この間、お母さんと久しぶりに話しをした。(現在、お母さんは、違う男の奥さんでもあるので、滅多に話などしない。)しかも、自分の怪獣コレクションを前にして。
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らくがきゴメス: 『らくがきシリーズ』といって最初から無塗装の商品。プラカラーが3色付属されていた。写真は茶色の塗料で覆われていたのを剥離したもの。元はバケツブルー。 |
これ持ってた、あれ持ってた、これ買うの苦労したんだから‥‥と、キングジョーを見たり、ガラモン買って来いといわれたけど、とうとう買えなかった話とか、親と話しをしていて、久しぶりに面白かった。あと、デパートでは、こんな感じで売っていた、と当時の話をしてくれた。2歳〜4歳の自分の記憶なんて怪しいものだけど、当時20代前半のお母さんの記憶って以外に覚えていて、今聞くと凄く興味深い話ばかり。どうしても欲しい怪獣が、行き付けのお店で見つからない時は、みよこおばちゃん(現在半ボケ、自分が介護中)が、銀座でOL していたので、銀座のデパートで探してきてくれたのだという。ギラドラスが絶対欲しいと銀座に一緒に、行った事は、今でも覚えているんだよね。一緒になって、あの巨大な、四角の枠の中から、ヘッダーに書いてある名前を頼りに、怪獣を探していたあのおばちゃんが、今では、こんなになっちゃって、人の一生というものは、早いんだな、なんて一匹のセブン怪獣を通して,あらためて考えた。
匿名男性 S氏〈36歳)
私もかつて、叔母に『ナメゴン』をたのんだ事があった。〈第七夜参照)特徴を詳しく話し、絵も描いた。間違えがあってはならないからだ。
うちの叔母も横浜のデパートの怪獣売り場で、必死に『ナメゴン』を探したのだろう。
私たちの世代の親は、代表的な怪獣の名を、いまだよく覚えているものだ。こうした経緯もあって、暗記せざるを得なかったのだろう‥
2003年7月2日更新
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〈第十五夜〉 「怪獣のネーミング」(Part1)
〈第十四夜〉 エビラの勝ち目なき戦い(投稿文)
〈第十三夜〉 運命の塔
〈第十二夜〉 わたしのモゲラ様(投稿文)
〈第十一夜〉 怪塔、現る(part2)
〈第十夜〉 怪塔、現る(part1)
〈第九夜〉 すべての怪獣ブーマーへ告ぐ!
〈第八夜〉 大魔神の学習
〈第七夜〉 「レッドキングでダダ」
〈第六夜〉 マルサン商店『エビラ』『アントラー』『ガボラ』登場
〈第五夜〉 セメント怪獣
〈第四夜〉 マルサン商店『ウルトラマン』登場
〈第三夜〉 マルサン商店『ゴジラ』登場
〈第二夜〉 『マイ・ファースト・ウルトラマン』
〈第一夜〉 増田屋「ウルトラQ手踊り」『ペギラ』『ゴメス』登場
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