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今回ご紹介するのは、平尾賛平商店が、大正7(1918)年 に発売した化粧品、"レートメリー"です。入っていた商品のチラシを見ると、「東京市日本橋區馬喰町一丁目四番地」の住所になっており、調べてみると、明治11(1878)年に開業し、昭和29(1954)年に廃業したそうです。箱には、「クリームと白粉の効果を兼ね具へて居ますから、このままお肌にお伸しになるだけで、美しい化粧栄が致します」と書いてあります。"化粧栄"という言葉に、ついつい面倒に思って、毎日のお化粧ができずにいる私にとって、大正時代から、美しさを追求してきた女性の姿を想像すると、少々反省してしまいます。

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チラシをご覧になるとおわかりのように、たくさんの化粧品をつくっておられますね。パッケージもとてもステキです。レートメリーの容器も、グリーンがかったフタといい、厚手の白いビンといい、ロマンチックといいましょうか‥‥。見ているだけでも、美しくなれそうな気がします。ちなみにビンの大きさは、高さが650ミリ。直径が450ミリです。

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レートメリーの容器と一緒に、No.86でご紹介した中山太陽堂の"クラブ美身クリーム"の、大きいビンも出てきました(整理整頓が、きちんとできていません。スミマセン‥‥)。神戸発の中山太陽堂は「西のクラブ」といわれ、日本橋発の平尾賛平商店は、「東のレート」といわれたほど、東西にあったこの2社は、有名な化粧品メーカーだったそうです。

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クラブ美身クリームの大きいビンは、高さが480ミリ、直径450ミリです。小さいビンも一緒に並べてみると、やっぱり上品で、ステキなパッケージですね。ちなみに、箱には「中瓶」と明記されています。 

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全部一緒に並べてみると、華やかでステキです。見ているだけで、うっとりしちゃうから不思議です。しばらく眺めていたら、今年からは、私も少し真面目に、自分のケアに力を注ぎたいと思ったのでした。‥‥‥‥。

  

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手のひらにのる小さなノートとかメモ帳って、今は使わないかなぁ~って思っても、ほしくなるのはなぜでしょう? なにかあった時に、パッと鞄から取り出して、ササッとメモをとる、そんな自分になりたいという願望があるからでしょうか(私だけ?)。

先日も、コンビニで、すごく可愛いメモ帳を見つけてしまいました。黄色やピンク、ブルーなどカラフルな色の表紙に、ページがひらかないよう、ゴムで止めることができる構造で、なおかつキーホルダーとして、鞄や手帳につけることができるメモ帳だったのです。「鞄につけたら、可愛いなぁ。なに色がいいかなぁ」って、真面目に選ぶこと、数分。結論からいうと、手帳ですら、まだまだ余白が残った状態なので、あきらめました(娘がひっぱって壊す様子が目に浮かびますし‥‥)。ちなみに、商品名は"ロルバーン ポケット付きメモ ミクロ"です。

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そんな小さいノート&メモ帳好きには、たまらないと思われるノートが、今回ご紹介する"トウランプ"の景品です。未使用で、まとまって売られていた時に遭遇し、2冊購入しました。小さいながらも、しっかりとしたつくりで、それも景品でありながら布張り製という豪華さ。そして、なんといっても色がヨイ。鮮やかなオレンジ色に、金色で型押しされた文字が、実にステキなのです。縦85ミリ、横55ミリという、手のひらにのせて持った感じもちょうどよく、表紙のデザインといい、魅力的なノートだと思います。 

東電電球株式会社で発売され、「トウランプ」の名称で親しまれた電球は、昭和10年頃には、全国で使用されていた電球の、約40%を占めていたというから、すごいですね(東光電気株式会社参照)。なんでも、この会社は、東京電力株式会社の前身である、東京電燈株式会社の電球製造部門が分離して、設立されたそうで、たまにホーロー看板なども見かけます。ノートと同じく、電球とトウランプの文字が描かれた、鮮やかなオレンジ色の看板です。オレンジ色は、家の中を明るく照らす、電球のイメージカラーなのでしょうか。ぴったりな色だと思うのです。 

 

おまけ

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1月24日の朝。東京に雪が積もりました。雪がとける前に撮影をしようと、日の出直後に近所でパチリ。はじめて自分の足で、雪の上を歩いた娘は、どういうわけか、雪を手に持って「か~いい(可愛い)ね)」といってました。 

 

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今回は、No.82でご紹介しました、KBKの小さなビンと、ほぼ同じ大きさの"クラブ美身クリーム"のビンをご紹介します。"クラブ化粧品"といえば、私がご紹介するまでもなく、とても有名ですが、明治36(1903)年に、神戸市にて"中山太陽堂"として創業をはじめ、クラブ美身クリームは、明治44(1911)年に誕生しました。トレードマークの花笠をかぶった2人の女性は、画家の中島春郊さんが、前田公爵夫人をモデルに描いたとか。とても華やかで、印象に残る絵柄ですよね。

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大きさの比較として、最近ご紹介してきた小さなモノたちと並べてみました。クラブ美身クリームのビンは、高さが23ミリ、直径25ミリで、KBKのビンと比べると、1ミリほど大きいつくりとなっています。 

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両方とも、フタにまで、気が配られているのも素晴らしいですね。 ちなみに、クラブ美身クリームのフタは、アルミ製ですが、文字がエンボスで描かれているのがステキです。

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発売当初から、とても人気のあったクラブ美身クリームは、長年にわたって、さまざまな形のビンで、販売されてきました。残念ながら、ラベルはありませんが、意識していると、ご縁があるもので、私のもとへ何個かやってきました。"ガラス集めてみました"を書いておられる、びっきさんも違うビンをご紹介しておられます。

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ラベルがなくとも、フタに文字が描いてありますから、クラブ美身クリームのビンだとわかります。ちなみに、黒いフタのビンは、"クラブ美身衿白粉"です。厚手の白い陶器のビンは、とても可愛らしいと思うのです。

 

おしまいに、オススメ書籍のご紹介です。いまさらなのですが、昨年の冬に購入して以来、ずっとご紹介したいと思っていました。

『浪漫図案 明治・大正・昭和の商業デザイン』(編:佐野宏明 発行:光村推古書院)

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子供が産まれて、ほんの少しだけ気持ちに余裕ができた時に買った1冊です。ページを開いたとたん、紹介されたパッケージ、ラベルなどの多さに、思わず声をあげちゃいました。 すご~くひさしぶりに、趣味の世界を見た感じすらしました(オーバーと思われるかも知れませんが、産後の半年間って、必死に育児中なので、今までとは世界が変わった感じがしちゃうんです)。紹介されたモノは、化粧品、薬品、食品、日用品などで、それもオールカラー。ラベルはもちろん、仁丹ケースや石鹸の箱、ビールに、化粧品のビンに、歯磨き粉、蚊取り線香の箱、インキ瓶、レコードの針容器などなど、たくさんの商品を見ることができます。巻末の参考文献や、年表などの資料もありがたく、古物好きな方には、資料本として、手元に置かれるといい書籍だと思います。 

 

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