82-1.JPG

ビンを意識しはじめた頃、そのビンの素性や質感よりも、ビンに描かれた模様というか、エンボスが多いモノに惹かれました。それも、文字以外の模様があると、私の中では位が高いといいますか、「ステキ~!」みたいな感情が湧いてきたりします。そもそも、はじまりは、友人が誇らしげに見せてくれた"白玉ソース"のビンでした。文字だらけのビンが、カッコよくて、うらやましかったです。どのようなビンかというと、"川原の一本松"でご紹介しておられる『白玉ソース特集』をご覧ください。すごいでしょう? 現在流通しているビンと、比較にならないくらい個性的なヤツです。でも、白玉ソースのビンもすごいのですが、こちらのブログもすご過ぎます。私もいつも参考にさせていただいてます。ありがとうございます。

82-2.JPG

今回ご紹介するのは、私が持っているビンの中で、一番模様が多くて小さいビンです。なんと、高さが22ミリ。直径が24ミリという、とても小さなモノで、比較のために前回ご紹介した、高さが約50ミリの犬型鉛筆削りと一緒に撮ってみましたが、小さいでしょう? でも、大きさとは裏腹に、存在感溢れまくりのビンなのでした。その上、色がまたいいんです。ペパーミントグリーンのガラスです。

82-3.JPG

金属製のフタには、「KBK」の文字があり、「KBK」を囲むように、トランプのマークである、ハート、スペード、ダイヤ、クローバーが描かれています。文字部分は、赤く塗られていたようで、少し色が剥げていますが、金属のフタは、アルミじゃなくて、真鍮というのが、高級感というか、重厚な感じがして、シブイですね。一見外国製のビンかと思いましたが、容器の底には、「KBK TOKYO」の文字があるので、日本製です。ビンのまわりには、「123J456Q789K」の文字があり、文字の上には、ハート、スペード、ダイヤ、クローバーが繰り返しエンボスで描かれています。トランプを意識しているとすると、数字の間のJはジャック、Qはクイーン、Kはキングでしょうか? 

82-4.JPG

ちなみに、中はカラだったのですが、ベタッとした物が残っており、香料からポマードではないかと思いました。しかし、こんなにエンボスだらけだと、ラベルも貼るところがありません。いったいどうやって販売したのでしょう? 商品を購入した時に景品として配られたのでしょうか? お配り物にしては凝り過ぎだと思うのですが。そもそも「KBK」ってなんでしょう。カネボウらしいのですが、調べきれていません。びん博士に聞いてみようかな。わかったらご報告しますね。

 

81-1.JPG

この2つの鉛筆削りは、平成19年(2007)の元旦に、上野の不忍池の畔で、毎年開催されている骨董市にて、求めたモノです。この市は、年に何回か開催され、この後も何度か訪れたのですが、この時以上にラッキーな出会いは、今日までありません。古い文房具好きな私にとって、本当に嬉しい出会いでした。業者さんの話によると、大正15年生まれの、当時80歳のおじいさんが、コレクションを手離されて出たモノだそうで、今にして思えば、買い占めてしまえばよかったと悔やまれるほど、状態のヨイ、玩具や文房具が並んでいたことを、よく覚えています(金銭的に無理でしたけど‥‥)。

実は、つい先日、旦那サンのお正月休み最終日に、上野動物園へ行った帰り、ちょうどこの骨董市をやっていて、ちらりと見ました。残念ながら、モノとのご縁はなく、そういえば、以前いい出会いがあったなぁと、この鉛筆削りを思い出したのです。それにしても、連日8℃という、寒い日が続いています。業者のみなさんには、頭の下がる思いです。

81-2.JPG

この指人形のような、犬型の鉛筆削りは、高さが約5㎝です。紫色のセルロイドでできた顔と、水色の金属に金色で描かれた"鉛筆削"という文字が、なんともいえずステキで、私が持っている鉛筆削りの中でも、ベスト3に入る、お気に入りの鉛筆削りなのです。 

81-3.JPG

こちらも、犬の鉛筆削りですが、高さは4㎝。全体がアンチモニーでできているので、小さいわりには、ずっしりと重たく、ハガキ程度の大きさの紙なら、文鎮として押さえることもできます。犬の絵柄もステキなのですが、小さな方位磁石がはめ込んであるのも素晴らしい。もちろん、お気に入りなのは、いうまでもありません。 

81-4.JPG

おしまいに、冬景色になった不忍池をご紹介します。蓮は枯れ、夏の頃とは、まったく違う景色です。たくさんの水鳥も訪れ、楽しそうに、枯れた蓮の間を泳いでいます。思うに、1年を通して、季節を感じることができる場所が、身近にあるのは、ありがたいことですね。

  

当ブログでの告知が遅れましたが、無事に路地裏徘徊B食巡りミニコミ雑誌の新刊が昨年末に発行と相成りました。
c81デウスエクスマキな食堂11年冬号『団地団地レボリューション! 商店喰い2-ARCADER-』全120頁 1050円
阿佐ヶ谷・足立上沼田・金町と、全蓋式(アーケード)商店街と団地を巡り、、昭和30年代、戦後高度経済成長期の夢の詰まった計画、その現実と幻影に出会って来ました。そこで地元に密着した洋食屋のチキンカツ・喫茶店のナポリタン・肉屋の焼き鳥・大衆酒場の煮込み・中華屋で半チャンラーメンと身に入れた記録です。
これから1月の中旬~末にかけまして【委託先】へ納品して回ります。当ブログに興味を覚える方にはきっと気に入って頂ける内容だと思いますので、是非手にとって見て下さい。

で、今回はその本に載せきれなかった路地裏の物件を少し蔵出ししてみたい。
阿佐ヶ谷駅から南へ、善福寺川緑地公園の辺りまでずっと、古くからの閑静な住宅街が続くのだが、五日市街道へ出ると沿道に錆びたトタンで覆われていたり、通りに面した部分だけモルタルで意匠を凝らした看板建築の類がポツポツと現れてくる。ここまでのお屋敷や、やや重厚な住宅建築の風景とは一線を画す、庶民建築が顔を出す。やはり街道には商店など、庶民の生活が根付くのだろうか。

街道から脇道にそれて少し歩いたところに最新型の小綺麗な銭湯があるのだが、それは手前のB食ブログで既に取り上げているので参照いただくとして【ゆ家和ごころ吉の湯】、そこだけ空が抜けて鉄塔が伸びる、郊外的な風景が広がっていた。
42_01.jpg その向かいに、エンヂの塗装と板張りが風雪で禿げ上がった壮絶な風体の一軒家が物凄いインパクトで目の前に立ちはだかった。
42_02.jpg

42_03.jpg 空き家だろうか、荷物や家電で玄関が封鎖されているようだが、生活の匂いはしない。
42_04.jpg

42_05.jpg 庭にはビールケースや発泡スチロール、瓶などがまとまって放置されている。
42_06.jpg

五日市街道へ戻り、目当ての焼き鳥屋へ向かう。
42_07.jpg いわゆる町の肉屋ながら、稀少部位など種類豊富な焼き鳥で知られている。それを片手に緑地公園で一杯やろうという魂胆なのだが、この焼き鳥屋と並ぶ隣のコメ屋と合わせて、モルタル看板建築・銅葺きという2種の趣を異にする木造家屋が同時に鑑賞できる。
42_08.jpg

42_09.jpg 肉屋の方はやや近代的なフォルムで縁のラインの美しいインパクトがあるが、コメ屋の方が年代を感じさせる重厚感がある。
42_10.jpg 保存状態もよく銅が斑にならず深緑色に綺麗に葺いている。
42_11.jpg 焼き鳥の感想は本誌に譲るが、緑地の片隅で焼き鳥を頬張るのもいいもの。
42_12.jpg

そのまま緑地に沿って、以前少し触れた荻窪団地へと向かうのだった。
【了】

前に戻る 70  71  72  73  74  75  76  77  78  79  80
...トップページへ







Powered by Movable Type 5.03