田奈弾薬庫専用線跡 その5 - 昭和迷宮物件

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住吉神社からいよいよこどもの国へ向かう。

神社脇道路
先述の通り、廃線跡は神社東側からこどもの国の駐車場へ向かうそうだが、西側もなにか痕跡はないかと疑ってみるも、風雲たけし城でお馴染みとなった緑山スタジオへ続く整備された道路が続くばかりだった。
水道架橋
それでもやや荒漠とした田園風景は廃景探索に相応しく、水路の架橋に惹かれ、東急こどもの国線脇へと導かれた。
線路脇生コン工場路地
ここで、今回の連載の冒頭で紹介した【該当記事】、小規模生コン工場に出くわす。
生コン工場景

工場脇電車通過
工場のすぐ脇を電車が通り、目の前のこどもの国駅へ入線する様が間近に伺える。さて、自分もやっとこ、1年ぶりの入場と行こう。
●一年前の記事:前連載第33回「弾薬庫ばかりの"子供のくに"」
昨年同様、巨大鏡餅がお出迎え。
こどもの国鏡餅

相変わらず正月早々家族連れで賑わっているが、今回は前回見落としてしまった一部の戦跡と、イサム・ノグチのオブジェを目撃するのが目的だ。

プールを冬期だけリンクに変えたスケート場の脇を進む。こどもの国自体はすり鉢状になっており、入口から放射状に広がるように坂が伸びている。つまり、奥へ行けば行くほど、すり鉢のヘリに向かって坂が急勾配となる。
スケート場脇から坂がはじまる。まず第一のキツい坂を登り終えると、石積みのトンネルが突如として現れる。

石積みトンネル
斜面に埋没するように作られた遊具で、打ちっぱなしのコンクリート煤けた風合いといい、知らなければ旧日本軍時代の遺構と見紛う存在感。
コンクリ突出遊具頭頂部
コンクリ遊具広場
この先、石垣の切通しに、格納庫のような青緑の鉄扉がこれまた遺構のようだが、こちらも後付の単なる設備らしい。
石垣切通
切通鉄扉
切通トンネル
しかしこの先のトンネルといい、軍施設内の引込線跡の気がしてならないのだが、勘ぐり過ぎだろうか。

切通の上には、格納庫の換気口のような、半端に切られた阿部定的なコンクリの物体が整列していた。

換気口整列
よくみると昨年みた旧日本軍のそれとは趣が異なり、ややガンダムチックというか、機能美を超えたものを感じる。
換気口イサムノグチ
これがイサム・ノグチの作品で、言われてみれば先程の切通のトンネルも、形状的にはデザインされた風が感じられなくもない。1965年の開園の翌年、イサム・ノグチ61歳の時の作だそうだが【参照サイト:稲城と田奈の弾薬庫跡】、園内にそれを示す案内板のたぐいが存在しないのは残念でならない。

切通しを抜けると少しの間、閑散とした冬の枯れた山林風景が続く。一部崖か崩れたような山肌を覗かせる箇所があったが、下の方に穴を埋めたような、明らかに土の質の異なる半円状の痕跡を発見した。

弾薬庫跡容疑山肌
やはりこの通り道自体が米軍接収以前より存在していたのではないだろうか。

この先、熱帯植物園手前にイサム・ノグチによる遊具があり、こちらは明らかに後付けされた恣意的なデザインとすぐに見て取れる。

イサムノグチ遊具
高度経済成長期に近未来的とされたような幾何学的な形態ながら、コンクリートをなにかでコーティングすることなく、素材感を全面に出すラインの感じは、一般的な児童向け遊具とは一線を隠していると思う。

そしてここからはさらに先、園内のヘリ、最高位地点を目指す。
(続く)

宮城県のアンテナショップ"宮城ふるさとプラザ"が、池袋にあることを、テレビで知りました。アンテナショップというと、銀座や有楽町、東京駅周辺など、赤ちゃんと一緒だと、行きづらい場所にあると思い込んでいた私は、池袋にあるのなら、もっと早く行けばよかったと反省。さっそく行ってきました。まずもって驚いたのは、想像していたよりも充実した品揃えだということ。微力ながら応援するつもりできたのに、たくさんの商品から、東北のパワーを感じることができて、逆に元気をもらいました。品薄の納豆も並んでいます。"川口納豆"です。パッケージに書かれた「村松博士製法」の文字を意識しつつも、"白松がモナカ"は、上品なお味で美味ですし、"陣中"のスモーク牛たんも美味しくいただき、"佐藤清治製麺"の白石温麺も、パッとゆでて、野菜と一緒にサラダにして、美味しくいただきました。そして、こけし通信筒と、仙台七夕のストラップも買いました。七夕の頃には、もっと元気になっていて欲しいと願いながら‥‥。

今回ご紹介するのは、ひと昔前の"こけし郵便"です(私は昔からそう呼んでいるのでした)。骨董市で、こけし郵便を見つけた時は、とてもロマンチックな感じがして、感激したのを覚えています。そして、今も販売されていると知った時は驚きました。裏面には「登録出願中」の文字があり、底の栓を抜くと、楊枝のような木が刺さっていて、その木にくるくると紙が巻いてあります。現在は底がネジ式で、ネジと紙が別になっていますから、書きやすく、より頑丈なつくりになったのですね。思うに、誕生日や母の日などのカードとして、使うのもステキです。特別感が増すような気がします。

もうひとつは、"箱橇っ子人形"です。子供が毛布にくるまって箱橇に乗り、こけしとおたよりを持っているという、懐かしい感じがするお人形なのです。橇の横に、意匠特許番号の札が付いていたので、調べてみると、米沢市の佐藤忠雄さんによって、昭和32年5月22日に意匠登録されており、意外と新しい玩具だとわかりました。それにしても、「橇」って難しい漢字ですね。思うに「ソリ」を漢字で書いたのは、はじめてのような気がします。ソリで遊んだ経験はありますが、あまりいい思い出はなく、どうも私は、ソリ、スキー、スケートという冬の遊びは苦手です。雪を見るのは好きなのですが。けれど、この箱橇は楽しそうだと思いました。毛布にくるまって乗っていればいいわけですから(?)。

おしまいに、お人形が持っているおたよりの文面をご紹介します。このおたよりは、縦3センチ、横8センチの細長い紙に書いてあり、小さく折りたたんであります。箱橇と毛布の間にさしこんであったので、よく残っていたと思うのです。これを読むと、雪国東北の暮らしぶりと、忍耐強さが伝わってきます。東北は冬の訪れが早いです。どうかどうか、雪が降りはじめるまでに、被災地の方々が、あたたかい場所で暮らしておられますように‥‥。

おたより
とおい お山が まっしろなぼうしを かむって さむいかぜが 雪のまちのとおりを ふいてとおると みんなは 木でつくったハコゾリを出して おつかいをしたり こもりをしたりして あそびます。
さむいかぜで ほおは いつも まっかですが いつも げんきなのです

宮城ふるさとプラザから‥‥。




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お見苦しい点ありますが、どうぞご容赦ください。

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