昼間は渋谷と恵比寿の間にいることが多いので、自然と食事をとるのもそのあたりが多い。ただ、ランチタイムには、諸事情があってなかなか外に出ることができないので、食事は大体15時過ぎとなる。
そういう場合の選択肢としてよく出てくるのが渋谷区のひがし健康プラザの食堂。ここはeatという直球な名前。定食も豊富で大体600円台でボリュームと栄養が満点なのだ。
93_01.jpg さて、秋風が吹き抜ける9月末の15時過ぎ、この食堂を訪れる。
食堂内は私同様遅い昼食タイムのおやじたちと、区の施設の利用にやってきたおばさんたちが少しいる程度。奥にある券売機の前に立ち、何を食べようかと思ったが、ざる(そば・うどん・中華)半カレーセット550円が気なったのでこれにしよう。カレーを食べると、帰宅して家の夕食メニューが大体カレーであることがなぜか多いけど、まあいいや。
券を買って、麺は中華でお願いすると番号札をわたされる。しばらくかかるので水を飲みつつしばし待つことに。テレビの国会中継を見ていると、番号を呼ばれたのでとりにいく。
93_02.jpg おお、こりゃ立派なセットだ。薬味として、福神漬とラッキョウがついているが、カウンターでサービスの沢庵もいただいて着席。
まずはカレーから。半カレーといえども立派な量で、じゃがいも、にんじん、肉がたっぷり入っている。食べると家庭的な味わいのうまさ。
これはしみじみうまいなと思いつつ、今度はざる中華を。薬味でネギとともにテンジャンがついているのがユニーク。つゆも中華麺用のものらしく、脂も浮いている。食べると、つるつるとステキなのどごし。茹で具合もグッドでシコシコしていて、食べ応えがある。
両方ともものすごくうまいわけではないが、まあまあうまい。この値段でまあまあうまいのはとてもエライことなので、これからもここにはよく来るだろうなと思いつつ、麺をつるつるすすったのであった。
2011年9月に記す

東京・大手町にある、日本郵政とNTT東日本が共同運営する元・郵便博物館、「逓信総合博物館ていぱーく」では、これまでも切手と昭和レトロを題材にした企画が催されていますが、ただ今「昭和レトロと郵便展」と題して、切手ブームから昭和30年代を振り返る企画展が開催中です。

同時開催として、
有名コレクターによる明治時代のニセモノ切手の収集や軍事郵便、航空切手などの切手展や、画家 斎藤吾朗の描く、丸型ポストのある街並みを描いた絵画展&昭和の生活雑貨や切手等のコレクションの展示
も併催されているそうです。

詳細:ていぱーくHP http://www.teipark.jp/event/event.html#2
2011年9月17日(土)~12月18日(日)
9:00~16:30(入館は16:00まで)
逓信総合博物館1階特別展示場

57-1.JPG明治生まれの祖母の部屋は、いつも、きちんと片付いていました。それも、見た目がすっきりとなるように、大半の物を押し入れや、納戸にしまい、引き出しの中も、缶や箱で上手に仕切られ、ボタンはこの箱。野菜の種はこの缶。いただいた手紙は、この箱というふうに、それぞれの物に場所が決まっていました。なので、部屋の模様替えが好きな私の、よく変わる部屋を見るたびに、「真っ暗な中でも、どこになにがあるのか、わかるように片付けなさい!」って、よく怒られたっけ‥‥。

そんな祖母の部屋から見える、縁側の上のほうにある棚には、祖母にしては珍しく、見せる収納といいますか、色とりどりの空き缶や空き箱が、きれいに並んでいました。今にして思えば、祖母にとっての、コレクション(?)だったのかも知れません。遠く離れた子供たちから贈られてくる、お菓子など入ったカラフルな空き缶や空き箱のひとつひとつに、祖母なりの思いがつまっていたのかも知れないと、思ったのです。棚に並ぶ美しい缶たちは、子供の私にとっては、あこがれの入れ物でした。祖母にもらった四角い平べったいお菓子の缶に、海岸でひろった貝殻や、ガラスの欠片を入れて、眺めていたことも、懐かしい想い出です。

57-2.JPG今回ご紹介するのは、大正12年に発売された"仁丹の薬歯磨"の空き缶です。仁丹の歴史は、森下仁丹歴史博物館を見ていただくとして、私が子供だったら、祖母の部屋にあったとしても、手に取ることもないであろう、真鍮製のシブイ缶です。大人になったからこそわかる、かっこいい楕円形の缶(横幅105ミリ。高50ミリ)といいましょうか。商品名も前と後ろに彫ってあるだけなので、同色ですから撮影してもわかりづらいのですが、そんな地味さが、ますますお気に入りなのでした。もちろん中央には、小さくトレードマークも彫ってありますが、日本語表示だけでなく、ローマ字も書かれているあたりが、素敵さを倍増させている気がします。

57-3.JPG 仁丹といえば、町名表示板に仁丹が描かれたホーロー看板、「仁丹町名表示板」を紹介しておられるサイト、"京都仁丹樂會"も、たいへん興味深く、おもしろいなぁと読んでいます。京都をはじめ、大津や大阪など、関西に多いようですが、仁丹探しからはじまった探検は、文化や産業、歴史などの探究にもつながり、それらをていねいに紹介しておられるのです。なんだか、古物の発見とも似ていると思いました。私も、こうして縁あって、大正時代に生まれた"仁丹の薬歯磨"と出会えたからこそ、仁丹の歴史など、知りたいと思ったのですから。

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