56-1.JPG

暑い暑いといっていた9月も残りわずかとなりました。近頃急に秋らしくなり、気温も下がったので、ホッとひと息です。でも、あまりにも急な変化なので、風邪をひかないように、服装も考えないといけません(夏風邪は、3週間くらい続きましたから)。思えば、ここ数年、服装なんて考えるどころじゃありませんでした。ニット好きな私が、Tシャツ、フリース、トレーナーと、動きやすく、洗濯しやすい服装に変わり、日焼け止めすら忘れるような毎日(当然ノーメーク)。そして、大好きな革の鞄をやめて、軽さ重視で、ラシットに変更。人って、変われば変わるものです。けれど、そろそろ、少しずつでよいので、生活を戻していきたい、なんて思ったら、サイズ増‥‥。笑うしかありません。それに、"食欲の秋"ではありませんか。ごはんも美味しいし、サイズを落とすのは、ちょっと無理かも。

ごはんといえば、田んぼも、稲刈りがはじまり、黄金色の美しい季節ですから、広大な田園風景を見に出かけたくなります。そんなことを思っていたら、東京ドームのとなりにある小石川後楽園に行った時に、小さな田んぼを見つけました。以下3枚の写真が、その田んぼなのですが、案山子が凝っていてビックリした上に、まわりに高層ビルや、ドームの屋根が見えるのが、なんとも不思議で、感激したのでした。

56-2.JPG

 麦わら帽子に、おさげがお似合い。金魚柄の浴衣も可愛いです。

56-4.JPG

 水戸黄門は、笑いました。

56-3.JPG

 この案山子は、ちょっと怖いと思うのは、私だけ?

今回ご紹介するのは、たわわに実った稲穂つながりで、雀と稲穂が描かれた、図変わり印判のお皿です(直径約150ミリ)。雪が谷大塚にある"道具屋 福や"で求めました。ご主人も雀がお好きで、ずっと手元に置いていた、お気に入りのお皿だと聞き、とても嬉しかったことを、よく覚えています。それにしても、古い器をいろいろ見ていると、雀が描かれたモノって数が多くて、いかに雀が、人々の暮らしの中にとけ込んでいて、愛おしく思われていたかが、うかがい知れるのです。私の手元にも何枚か雀が描かれたモノがあり(No.32参照)、少しずつ、ご紹介していこうと思いますが、この雀は、フワフワした羽から、ちょこんと小さな足が出ている姿も、優しい感じの表情も、なんともいえず可愛らしく、手元にいる器の中で、ベスト3に入る絵柄だと思います。

56-5.JPG

 

おまけ

台風15号、すごかったですね‥‥。わが家も、翌朝玄関を開けたら、通路に落ち葉や枝が散乱。こんなに通路に物が落ちていたのは、7年目にして、はじめてです。ここのところ毎年異常気象といっている気がします。

56-6.JPG

歩きはじめて、まともに水たまりと向き合った娘。しばらく戦っていました。水たまりと。当然、靴と靴下はビショビショ‥‥。

 

55-4.jpg

上野松坂屋に行ってきました。目的は屋上です。デパートの屋上って、最近では遊具が減少気味だと聞きますが、松坂屋はどうなのでしょうか? 子供の玩具売り場の探検も兼ねて、行ってみることにしました。だって、子供が歩くようになって、毎日外に出たがるのです。玄関に行っては、自分の靴を持って歩いたり、親の靴を投げたり、アピールがすごい! もちろん私だって、リクエストには答えたい。いろんな物を見せてやりたいと思うわけで(1歳の記憶なんてないけど)、シブイ街並散歩は得意ですが、たまにはカラフルな玩具がある場所でも見せようと思いました。 

55-1.JPG

上野松坂屋といえば、テレビのワイドショーでは、北海道の催事や、お中元、お歳暮の売れ残り商品を、格安で販売するなど、企画のおもしろいデパートとして、よく取り上げられています。一度、格安販売の時に、のぞいたことがありますが、本当にすごい人で、割り込む根性のなかった私は、そそくさと退散しました。

さっそく屋上に行ってみると、懐かしい感じのする、私好みのベタな屋上といいましょうか(スミマセン)。都内のデパートでこれだけ遊具が並んでいるところは、少ないのではないかと思いました。夕方に行ったせいか、人も少なく、娘は、はじめてみる大きなアンパンマンや、ピカチュウに大興奮。反応がおもしろくて、思わず私もニコニコしちゃいます。

55-2.JPG

大人気ない私は、つい本気でワニたたきに参戦。娘の目線で、ワニが出てくるので最初は喜んでいましたが、最後は一度に全部出てきたワニに大泣き。慌てて離れました。ごきげんとりということで、一緒にトーマスに乗って、金魚を見たり、ゲーム機のいろんなスイッチを押してみたりと、彼女なりに楽しんでいるように見えました。55-3.JPG今回は、そんな上野松坂屋にちなんで、戦前の"記念繪葉書 松坂屋(東京・上野)"をご紹介します。袋に3枚入っていました。まず1番上は、イラストですが、関東大震災後の新店舗として、昭和4(1929)年4月1日に開店した、新築落成の上野松坂屋を描いたモノです。ちなみに、上野松坂屋の創業は、大正6(1917)年だそうですが、大正12(1923)の関東大震災で全焼し、昭和4年に再建したのです。この新館で、エレベーターガールが、はじめて登場し、新聞には「昇降機ガールが日本にも出来た。上野松坂屋の新館で初試み。婦人職業の新進出」と載ったそうです。"昇降機ガール"って、意味はそのとおりなのですが、表現に笑ってしまいます(松坂屋「ひと・こと・もの」語り参照)。

55-5.jpg2枚目は、1階の陳列場です。天井から照明、そして柱も豪華で、すばらしいですね。3枚目は、「飛行機上より見たる上野松坂屋」です。ご覧ください。ひと昔前の上野界隈を‥‥。私がお世話になっている(?)不忍池も大きいです。それにしても、いかに上野松坂屋が大きく、立派なデパートで、上野の象徴的存在のひとつであったかということを、見ることができます。これらの絵葉書をジッと見ていたら、今後も娘の記憶に残る、懐かしく、大好きなデパートであってほしいと、ぼんやり思ったのでした。

55-6.jpg

暫く更新に間が開いてしまい、御礼が遅れた。コミケお越しくださった方、ありがとうございました。新刊『戦跡商店喰い』の特典、第一弾を公開中。よかったら見てやってくだされ。

(本誌内編集後記にあるパスワードを入力すると特典ページが開きます)

で、夏コミ明けてスグ冬コミの申込をしなければならず、いつもサークルカットをどうするか悩むのだが、取り敢えず、今回の続編、商店喰い2-ARCADER-として、天蓋式(アーケード)商店街を集中して特集することにした。まぁ今回の取材で続々取り上げたい商店街が出てきたので、ネタはストックできているのだが、どういう切り口でアーケードをまとめようかと、ただ天蓋式を食べ歩くだけじゃ物足りないなぁと思っていた矢先、上沼田団地の取り壊し風景に出くわしてしまった。
38_05.jpg いや、厳密に言えば、取り壊し直前の状態を目撃したのだった。これにより、団地1Fによくあるアーケード商店街と天蓋式商店街を結んで冬新刊は特集が組める!と思い至った。高度経済成長期の栄華と現状を巡るにはピッタリではないだろうか。

上沼田団地は足立区西部に位置する1960年代の団地ラッシュ草創期に建てられた巨大団地群。昭和30年代築の多くの団地がそうであるように、老朽化から建て替えを余儀なくされて久しい。
半年以上前から取り壊しの準備が始まっていたようで、そばを通るたび気になっていたのだが、つい先日、所要で足立区コミュニティバス「はるかぜ第6弾」の車窓から眺めた際、いよいよもってカウントダウンは近いと見て取れ、先頃急行してみた。
38_01.jpg 1~7号棟が今回取り壊しの対象のようで、低層階にはネットがかけられ、階段室入口部分にはベニヤが打ち付けられ、施錠もされていた。
38_02.jpg 38_03.jpg 立ち退きはとうに済んでいるようで、遠目に見える室内は暗く、もぬけの殻の様子。自転車置き場も一部置いていかれた粗大ゴミが野放しになっている他は何もなく、雑草が伸び放題、無造作に生い茂っていた。
38_04.jpg 上沼田団地の特徴は、後付された浴室と思われる配管がベランダ側に伸びている点だろう。
38_06.jpg スチール色の鈍く輝く銀が垂直に鉄格子のように幾筋も伸びる様は、特に夜通りかかると迫り来る感覚を覚える。そこにきて外壁そのものが年代を帯び、ヒビ割れ黒ずんでいるから尚のこと迫力を増している。
それが何棟も続く圧倒的な光景に見せられ、機会があれば夜な夜な、中央を南北に貫く主要道路を通るようにしている。

同年代の東側に連なる第2アパート群は今のところ健在で、しばらくはその勇姿を拝むことはできるが、工事区域内におられた警備員に少しお話を伺ったところ、この日の3日後には取り壊しが始まるとのことで(つまり1~7号棟は既に取り壊しが始まっている)、間一髪、当団地群最古参の姿をこの目に焼き付けることができた。
38_07.jpg 以前、拙著06年冬号『足立JCT』でサラっと取り上げて以来、幾度となく通りすぎてはじっくり眺めることのなかった上沼田団地。室内に入ることは許されなかったが、この度晴れてできる限り細部にまで窺い知ることが出来た。以上、簡単に写真をピックアップしてみたが、詳しくは拙著今冬新刊を待たれたい。

前に戻る 81  82  83  84  85  86  87  88  89  90  91
...トップページへ







Powered by Movable Type 5.03