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第二十一回『テーブルにココア、
今夜はもう一度、ミステリーゾーン気分。』


似顔絵  ホラ、アレ、そうそう、テレビ画面がまだ白黒の頃に必死でみたーッといった感じに懐かし番組話で盛り上がりながら、実は細かい所の話になると曖昧で困ってしまうのが、最近の僕の懐かしい白黒テレビ時代の番組記憶。
 図書館なんかで偶然見つけた昭和のあの頃を掲載している報道写真集的な本などを読むと、どうやら五十三歳になる僕が小学生の頃からテレビはカラー放送が始まったらしいが、我が家では中学生になっても相変わらず白黒画面のテレビをみていたので、本当はカラー放送番組なのに記憶は白黒画面のことがあるかも知れないと、こうしたモノを書いていると、最近ちょっと時折不安になる僕である。
 昭和四十一年。ビートルズの来日記念放送が特番でその夜テレビ放送された時も兄と一緒に白黒画面で見たし、その頃に始まった朝の若者向け番組・ヤング720(確か、西郷輝彦がデビュー曲の「十七才のこの胸に」を一カ月間だったか毎朝歌っていた)も白黒画面であった記憶がある。
 考えるみると、同じ頃に森進一の「女のため息」大ヒットや「オバケのQ太郎」大人気とかを知ると絶対白黒だったと一安心はするが、随分遅くまで僕は白黒テレビでみて過ごしていた感じで、懐かしいほとんどの番組記憶がそう。テレビを普通にカラー画面でみる頃には、僕の子供としてのテレビに夢中時代は過ぎていたようなのである。

 例えば、僕の好きなイケてる宇宙特撮と言えば、カーク船長・エンタープライズ号の「宇宙大作戦」。これも白黒だった記憶があるのにビデオを知る友人の話では一九六九年にテレビ初放映モノとかでカラーとの噂。ここ最近本当に突然の迷宮・白黒ドツボに丁度ナニ一本分くらい嵌っている僕であるが、思春期の夜の股間の疼きを一時忘れるくらい僕を虜にしていた三十分モノ白黒テレビ番組に「ミステリーゾーン」があった。

白黒テレビ番組

 不思議体験やミステリー、恐怖モノが大好きだった僕がみていたテレビ番組の一つミステリーゾーンは、後に、アウターリミッツとか世にも不思議な世界とかタイトル変更されて何度もブラウン管に戻って来たりで、僕の頭の中を放映時代混乱状態にさせたが、そのミステリーゾーンの中でも特に印象深く残っている一話に、美しい顔の話がある。

 多分、髪はブロンド。普通以上に美しい若い女性は自分の顔についてコンプレックスがあり、死にたいと思う程悩んだ末に整形手術を受けるのだが、どう考えても僕にはその謎が理解できなかった。医者や看護婦が、醜い顔で可哀想と口々に同情し驚きドア向こうでいろいろ囁く中で、ついに整形手術を受けるのであるが、無事手術も終えて顔を覆っていた包帯を取った彼女の顔は、何とブタの顔だったのである。
 普通以上に美しい顔を持つ彼女がなぜ悩み追いつめられて行ったのか、最後の一分間の心臓に楔モノ・ドンデン返しで分かるのである。理由のわからない結末に慌てふためく僕がみたのは、周囲の医者や看護婦全てがブタの顔をしている世界。凄くショッキングな話であった。
 あなたが美しいと思う顔は生活している現在の世界での価値観であって、人類全てがブタの顔という世界に生まれた彼女は、全く逆の醜いといった評価を受けて生きていたのであると、最後に番組案内役の男性が画面に出てきて語るが、それがまた凄くヒッチコック的で外国臭プンプンのミステリーゾーンパターン。
 本当は他にもアレコレ何話も凄い話があったはずで何やら僕の記憶がブッ飛んでいるのだが、コレは何度思い出しても素晴らしく、今でもミステリーゾーンの記憶と言えば一番にそのブタ顔の話を思い出す僕なのである。

 と言って、ミステリーゾーンはそんな奇抜な展開話ばかりではなく、H・G・ウエルズの小説を元にした映画「タイムマシン」的な空想モノ話もあった。
 ある時、突然、青年が一瞬で全ての物が静止状態になり、動けるのは自分だけとなる。その時に、この先、目前で起こる少女のトラック事故死を知るのであるが、その運命を変えるため青年は(多分)時間が動く前にロープを使いトラックを一旦止める操作をして事故を遅らせ、娘を救うといった話である。NHKで放映された「不思議な少年」のように自分の意志で時間を止めたり動かしたりはしないが、偶然の時間静止により人の運命を変えた話は見ごたえ満足モノだった。
 長い宇宙旅行から地球に帰還した宇宙船がある田舎に着陸。が、そこは地球ではなく意識の中に残っている地球、例えば、農場風な場所に家があり人がいても、マネキン人形のように静止状態なのである。番組が始まった場面と終わりの場面が同じ場面で繰り返される。その帰還した乗組員は永遠に着陸・捜査・着陸と同じことを繰り返すといった僕には全然わけの分からない話も、また記憶にある。
 その、円盤型の宇宙船が降下着陸する場面にしても直接セット組み撮影のはずで、スターウォーズエピソードT・Uのようなコンピュータ操作による驚異的映像ではないのだけれど、僕など理解に苦しむ不思議なストーリーに惹かれ、また予想もしなかった最後のドンデン返しは面白く、忘れられない。

 不思議と言えば、アランドロン主演「世にも怪奇な物語」といった三話で一本の映画も大ヒットしたが、ソレも、もう何十年も前の話。白黒テレビ時代の記憶アレコレの懐かしさにワープロの前で頬に手ポーズの僕の首すじに、初夏の風がヒンヤリ。大好きなバンホーテンのココアをテーブルに、今夜はもう一度「ミステリーゾーン」を見たい気分である。


2004年6月16日更新


第二十一回『テーブルにココア、今夜はもう一度、ミステリーゾーン気分。』
第二十回『昭和四十六年の白黒ポルノ映画と、露骨裏ビデオ。』
第十九回『青春大ショック、芸能界スター・美容整形の噂を知った日。』
第十八回『当たる不思議「私の秘密」と、死ぬほど笑った「ジェスチャー」の頃。』
第十七回『欧陽菲菲と膀胱炎でヒーヒーの僕と、NHK受信契約騒ぎの日。』
第十六回『微妙にウタマロ、チン長十四センチのセックス満足度』
第十五回『コンドームと僕と、正常位』
第十四回『再会、また一つ。僕のテレビに懐かしの少年ジェットが来た。』
第十三回『ユーミンとセックスと鎌倉、僕の二十七歳の別れ。』
第十ニ回『シロクロ本番写真と五本の指』
第十一回『永遠のオナペット、渥美マリ』
第十回『ジェームズ・ボンドのセックスとナニの話』
第九回『二十一歳の冬、僕とフォークと喪失と。』
第八回『大阪スチャラカ物と言えば、てなもんや三度笠で決まり。』
第七回『嵌った嵌った、森繁の社長シリーズとアレコレ』
第六回『ジュンとネネではなく、VANとJUNの話』
第五回『夏は怪談映画、あの映画看板も僕を呼んでいた。』
第四回『青春マスターベーション』
第三回『ワッチャンの超極太チンポ事件』
第二回『中高年男性、伝説のモッコリ。スーパージャイアンツ』
第一回『トランポリンな僕のこと、少し話しましょうか。』


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