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「プラモ線の旅」タイトル

今柊二

「スターウォーズとウエザリング」


 前回書こうと思って書けなかったのが「リアルな未来」と「未来は汚れている」ということだった。スターウォーズに出てくる宇宙船はスターデストロイヤー、ミレニアム・ファルコン、どれもとっても、実に細かいメカで実在しそうなリアル感にあふれており、さらに汚れているところが実にクールだった。それまで見ていたテレビの特撮にしろ、アニメにしろ、そのリアル感はまったく別世界のものであった。それまでの未来というのは、なんだかツルツルしていた。たとえばマジンガーZでは、足にしろ腕にしろ、きれいな円柱体であり、表面はまさに超合金Zでピカピカツルツルだった。確か、マジンガーZに空を飛べるジェットスクランダーが搭載されたとき、「触ると指を切るほどシャープなので危険だよ」と弓博士が兜甲児の弟(シローだっけ)に言っていたのを強く覚えているなあ。我々はマジンガーZの頃から「リアルなロボットのおもちゃが欲しい!」という願望を抱いていたが、そこでいう「リアル」とは、金属のリアル感、もっというと重量の「リアル感」であった。

 その意味では実写もので1977年放映の「大鉄人17」なんかは、敵ロボットもまたタイトルのように鉄っぽく実にミリタリー色あふれ、リアルっぽくて、大好きな作品だった。この場合も重そうでリアルな「鉄」だった。だが、これは全体の流れから見ると例外であった。あとはもう、アニメも実写もなんだかリアルを忘れて現実には成立するのが不可能か、完全にギャグとして作り手が送り出しているとしか思えないようなメカが目立っていた。印象的だったのは1976年放映の「超神ビビューン」で、3名の主人公の超神の名前がビビューン、バシャーン、ドシーンで、名前だけでもおかしいが、出てくるメカも、ベニシャークなど形態と色遣いで脱力するようなものが多かった。当時はテレビを見ながら「お願いじゃけん、メカにサメのようなとんがった歯をつけるのやめてくれ!」と懇願したものだった(笑)。

 そこへもってきて、「スターウォーズ」の宇宙船は鉄ではない、なにかまったく新しい素材で、リアルっぽいというところが実に大きな変化だった。ここで子供のときからマジンガーZなどで触発されていた「巨大メカの重量のリアルさ」から「新素材のリアルさ」に変化したのである。

 さらに宇宙船は飛んだり、撃ち合ったり、接触したりしているわけだから当然薄汚れているはずであり、そのあたりの「汚れたリアルさ」というのも実に革命的であった。たぶん当時の子供たちはそれを見て「ああ、リアルとはこういうことか!」とひざをたたいたはずであった。

 もっとも、プラモデルの世界には以前から「ウエザリング」という「汚し」の手法があり、その頃にはプラモ歴も長くなっていた私も、ときおりコレクションしているウォーターラインシリーズに濃い鉛筆の芯で汚しをつけたり、塗料でアクセントをつけたりすることははじめていた。しかし、当時はそのスキルが空想のアニメと結びつくことになろうとはまるで予想していなかったのだ。

 しかし、それは結び付くことになるのである。

 1979年、プラモデル及び子供たちのアニメ界に大きな変動が生じようとした。

「季刊映画宝庫」 「私の人生に
多大な影響を与えた
SF少年の夢」

2003年6月13日更新
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