靖国神社青空骨董市の帰り道、九段下のお堀を見たら、一面に蓮の花が咲いています。蓮の花の時期かぁ‥‥と思い、もっと身近に見たくなりました。近くに蓮を見ることができる場所で、頭に浮かんでくるのは、上野公園の不忍池です。この時期は"うえの夏まつり"も開催され、不忍池の湖畔には、植木や楽焼のお店のほかに、件数は少ないのですが、骨董市もやっています。そんなことをハタと思い出し、早速行ってみると、池全体が盛り上がったような、自分の背丈より高く、大きな蓮の葉っぱにビックリ。そして、そんな葉っぱの間に咲く、花の美しいこと! 今まで見た中で一番美しい気がしました。
思うに、蓮の花って、年齢を重ねるほどに、美しく見える花かも知れません。私はこの日から、散歩コースに不忍池を入れ、青空の下で見て、曇り空の下で見て、今年ほど蓮の花を見たことはないというほど、見てきました。その時々の景色に、なんて美しい花なのだろうと、ただただ眺めるだけですが‥‥。ちなみに、行くたびに骨董市をのぞきましたが、モノとはご縁がありませんでした。残念。
蓮の花といえば、No.17で、少年倶楽部繪はがきをご紹介しましたが、絵葉書もいいけれど、実物にはかないませんネ。見れば見るほど、手を合わせて祈りたくなる、まさにそんな花です。今回ご紹介する、不忍池絵葉書は、戦前のモノには違いありませんが、細かくはいつ頃でしょう。昔も今と変わることなく、不忍池一面に、美しい蓮の花が咲いていたことが、わかります。絵葉書の種類も多数あることから、観光地としても人気があったことが、うかがい知れるのです。
不忍池の湖畔に、"蓮見茶屋"という甘味屋があります。上野観光連盟が主催する、夏季限定のお店で、店名のごとく、蓮が美しく眺められる場所にあり、娘と何度か訪れました。なんといっても、靴を脱いであがることのできる板の間があるのが嬉しく、お客様が少ない時には、娘は自由に歩けるので、柵の先にある、自分の顔より大きな葉っぱをひっぱったり、葉っぱにたまった雨水を落としてみたりと、楽しそうです。撮影したこの日は、関東一体に雷注意報が出されており、ゲリラ雷雨にどこで遭遇するかわからない日でした。ついさっきまで、晴天だった空が、いっぺんに暗くなり、前方には稲妻が走っているのに、後方は晴天という空模様が、神秘的な蓮の花を、ますます神秘的に映し出している、そんな気がしました。
それにしても、去年の猛暑も、すごく大変でしたが、今年の夏は気温差が激しく、1日1日の変化がすごいです。おかげさまで(?)家族3人夏風邪をひいてしまい、病院通いです(なかなか治りません)。そういえば、今年は蝉が鳴くのが例年より遅かったのですが、8月中旬の上野公園では、蝉の鳴き声をシャワーのように、あびながら聞くことができました。やはり夏は、こうでなくては! この声も、もう少しの間しか聞けないと思うと、しばし、立ち止まって聞いてしまう私です。実は、余談ですが、蝉には日頃お世話になっているのです。上野公園ほどではありませんが、わが家からも蝉の鳴き声は、よく聞こえます。近頃天候が不安定で、買い物へ行くタイミングを悩んだりしているのですが、雨が降っている時は、蝉は鳴かないことが多く、蝉の声が聞こえはじめると、雨がやんだことがわかるので、私にとっては、天気を知らせてくれる、感謝すべき存在なのでした。