今柊二 |
第2回 わが地下街での定食史(1)
…四国松山編 |
そもそも四国の片田舎に生まれたために、都会に普通にあるものひとつひとつが珍しくてしかたがなかった。何しろ、大手メーカーのちゃんとしたハンバーガーを食べたのは中学2年のときだった。県庁所在地・松山に英検4級の試験で友人達とともにやってきて、試験終了後ロッテリアで食べたのが最初である。それまでは今治の達川ベーカリーというパン屋で売っていた、揚げパンのなかにレタスと揚げハンバーグが入った「ハンバーガー」しか食べたことがなかったので、実に新鮮だった。「へえこれが本当のハンバーガーか」と思い、ほとんど擦りこみのようなもので、私のなかではロッテリアのハンバーガーが標準の味となってしまった。ただ、今考えるとよほど達川ベーカリーのハンバーガーのほうがウマイと思うが(母親に確認すると現在も売っているらしい!)。
さて、話がそれたが、その松山には、「まつちかタウン」という地下街があり、そこも試験終了後、友人たちとともに歩いた。親とともにではなく、子供達だけで、私の街・今治から国鉄で1時間乗ってやってくるのははじめてだったので、少し緊張しつつ、しかし試験が終わったのでほっとしたためか、興奮しつつ歩いていたのをよく覚えている。その「まつちかタウン」はなんでも四国で唯一の地下街だという(当時。現在もそうらしい)。一直線の地下街で、小さい地下街なのだが、そこは松山市駅の地下の部分にあり、かめやという、愛媛ではメジャーなうどんやとか、オランダ焼きという名称のお好み焼きを食べさせる店などがあり、そこそこ繁盛していたのだった。ちなみに、今年の3月に松山に帰ったところ、まつちかタウンがほとんど変化してなくて、オランダ焼きの店も、かめやも健在だったので、少しうれしかったなあ。ちなみに、このオランダ焼きというのは、生地がワッフルのようにふわふわしており、お好み焼きとしてはかなりうまい。ちなみに、かめやに限らず、四国のうどんで人気が高いのは肉うどん。肉は牛肉を甘く煮たものがうどんの上にのっていて、そのせいで汁が少し甘くなっているのがうまい。これとお稲荷さん(四国のお稲荷さんは必ず、れんこんやゴマなどの具が入っています!)と食べると実に幸せな「肉うどん定食」となるのだった。
ただ、予想していたよりはこじんまりとしていたので、「なんだ、地下街なんてたいしたないにゃあ」と今治弁で感想をつぶやいたが、「地下街」がたいしたことある存在だと気がつくには、18歳で横浜に来るまであと4年の月日が必要だったのだ。(続く)
2003年7月18日更新
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