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郵便局へ行くと、いろいろな種類の切手を売っています。その中に、アニメの『ベルサイユのばら』切手があったのには、ビックリ。思わず「こんなところにオスカルが!」って、つぶやいてしまいました。子供の頃、テレビにはりつくようにして見ていたので、懐かしいです。主題歌だって、いまだに歌えます。その横に、東京タワーとスカイツリーが一緒になった切手もありました。そうです。アナログ放送からデジタル放送へ変わったことでの、記念切手です。平成23(2011)年7月24日、日曜日の正午。アナログテレビ放送が終了しました(岩手、宮城、福島をのぞく)。‥‥といっても、わが家の地デジ化は、昨年夏に終了しており、すんなりと移行した感じです。でも、正午前には、わざとアナログ放送に切り替えて、画面が変わるのを見ていました。アナウンサーの女性が11時59分に、「アナログ放送、ありがとうございました」って、頭を下げた姿が印象的でした。

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0時には、東京タワーから発信されてきたアナログ電波のスイッチがすべて切られ、その様子が早朝のニュースで流れたのですが、少し寂しく思いました。そんなアナログ放送で大変お世話になった、東京タワーに、「58年間、お疲れ様でした!」ということで、今回は『東京タワーランプ』をご紹介します。ランプといっても、高さが145ミリの、赤い電球なのですが、注目すべきは電球の内側です。ガラスで出来ていると思われる、東京タワーが入っているのです。それもタワーのてっぺんには、星が4つ付いており、星に近いほどの、大きなタワーをイメージしたのでしょうか。なんとも可愛らしいデザインです。この星は、電球を点けた時に、上昇する暖かい空気によって、クルクルまわるのでした。赤い色も、東京タワーらしくていいですね。
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話が前後しますが、今までは、遠くからスカイツリーの建築途中を何度か撮影してきました。けれど、地上デジタル放送がスタートする前に、実物を間近で見てみようと思い、家族3人で行くことに。東京タワーの次を担う、新規電波塔のスカイツリーは、平成24(2012)年5月22日の開業(予定)に向けて、着々と追い込みの工事が進んでいる最中でした。完成すると、日本はもちろん、世界一となる巨大電波塔のスカイツリーは、高さが634メートル。真下から見ると、ものすごい迫力です。大きすぎて視界に入りきらないほどです。ただ、仕方がないこととはいえ、工事の騒音も半端なく大きい。これは、完成したら多くの人に来てもらって、盛り上げてもらわないと、モトがとれないなぁと、真剣に思っちゃいました。
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後日、高速を走る車の中から、東京タワーを眺める機会があり、ビルの間に、見え隠れするタワーの姿に、「こんなに小さかったかなぁ」と思いました。でも、私にとって、いえ多くの人にとって、東京タワーは、間違いなく東京の象徴的存在でした。はじめて東京に出てきた時見たタワーの大きさ。自分が東京に来たんだという実感を噛みしめながら、キラキラ輝く姿を眺めていました。旅行に行っても、東京駅に着く直前に、列車の中から見る東京タワーの輝く姿に、どれだけホッとしたかわかりません。そんな安心感を与えてくれるグッズのひとつとして、この東京タワーランプが、わが家にいたりします。
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昨年5月の話です。『名探偵コナン』が描かれた飛行船が、都内上空を飛んでいました。「コナンの飛行船だ!」思わず叫んだ私に、となりにいた旦那サンも、「おおおお!」と興奮気味。飛行船を見ると、ついつい声が出てしまう2人なのでした。なんかトクした気分になるんですよね。
名探偵コナンといえば、作者の青山剛昌先生が、故郷鳥取県の出身なので、身近に感じる漫画家のひとりです。余談になりますが、山陰本線の由良駅を降りると、青山先生の故郷ということで、"コナン通り"があり、"コナン大橋"や"青山剛昌ふるさと館"があります。また、同じく鳥取県出身である水木しげる先生の『ゲゲゲの鬼太郎』が描かれた"鬼太郎列車"も、米子から境港まで走っており、境港には"水木しげるロード"があります。なんだかアニメで有名になりつつある、鳥取なのでした。それにしても、飛行船にコナンとは、すごいなぁ。ついつい追いかけたいと思ったのですが、臨月に入っていた私は、発見できただけでもラツキーです。そう思って、見えなくなるまで眺めていたのでした。
しかし、そんな私の思いが通じたのか、飛行船が着陸した場所を、突き止めることができまして、撮影に成功したのは、嬉しい思い出です。地上に座って、くつろいでいるように見える飛行船は、見上げるのと違って、本当に大きくて、迫力がありました。家に帰って調べてみると、飛行船"名探偵コナン"号は、映画『天空の難破船』の宣伝用で、お値段は少々高いのですが、乗船もできました。映画は後日見ましたが、飛行船のシーンは、迫力があって見応えがありましたね~。
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こんなトシを重ねた大人まで、ワクワクする飛行船。それが昭和4年の東京上空に現れたら、どうなんでしょう。高層ビルもない、広い空に浮かぶ雄大な飛行船です。遠くからでも発見できて、子供たちは追いかけたに違いありません。手元に隅田川の上空を飛ぶツェッペリン伯爵号の絵葉書がありますが、さぞかし、驚き、感激して、首が痛くなるほどに見上げたのではないでしょうか。絵葉書には、「航程六五〇〇哩を美事征服帝都の上空に雄姿を現はしたるツエ伯號(両國橋上空)」と書いてあります。昭和初期の隅田川近辺は、まだまだ大きな建物が少ないこともよくわかりますし、いかにツェッペリンが大きいかもわかる、お気に入りの絵葉書なのです。

39-4.jpgさて、今回ご紹介するのは、大好きな飛行船が描かれた、アルミ製のカップです。それも携帯できるように、伸縮する構造になっており、つぶすととても小さくなる、便利なカップなのです。大きさは、直径65ミリ、最大の高さが70ミリになります。骨董ジャンボリーで出会った時は、興奮しました。でも、地味だからでしょうか。売っている業者さんは興味がないようで、とても安かったのも嬉しい。肝心の飛行船が描かれている場所は、カップのフタですが、少々稚拙な絵柄で、山なのか雲なのかわからないところを、飛行船と飛行機が飛んでいる様子が描いてあります。う~ん。実にシブイ。味わいのあるデザインです。こういう、チラリと過去の世相を垣間見ることができる、生活雑貨に出会うことも、私の楽しみのひとつなのです。
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vol.35 東京ゲートブリッジ その3 - 昭和迷宮物件

その1 | その2

湾沿いに突如、錆びに錆びまくった物体が転がっているのが目に入ってきた。
35_01.jpg なんだ、なんなんだこりゃ!?
よくみると、錨(いかり)など船舶のパーツのようなものにみえる。
35_02.jpg しかし漂着したというより、何者かの意志が介在したような、恣意的な配置に見えてならない。
どうも、これはアート作品というかオブジェのようなものらしい。
35_03.jpg 散乱する丸太は、空からみるとカニの形をしているようで【航空写真】、他に「海の王座」と題された作品もあるが、これという大々的なアートとしてのアピールはなく、どちらかと言えば放置プレイ的。産業遺産が散乱していると捉えたい格好だ。
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それが結構かっこ良く、あまりアート的な個人の主張を感じさせないところに好感が持てた。
35_05.jpg 海と空の青さに映える錆びついたドス黒い紅。
35_06.jpg 特にクラブマンハイレッグのようなタカアシガニ型の代物はシルエットも美しく、バカみたいに晴れ渡った青空に頽廃的な影を落としていた。
35_07.jpg 作品とはいえ、なにか日常的なもので組み上げられているのに日常的でないものを見せつけられたような、不思議な気分になってしまった。
そんな折、広い空の下、海を眺めていたら、沖合にクレーン船を発見した。
35_08.jpg ゲートブリッジに近づいてきているのだろう。やはり箱桁の結節工事は進んでいるようだ。
この他にも、海底の堆積物を取り除く浚渫(しゅんせつ)船と覚しきシルエットも見受けられた。
35_09.jpg やはりここは湾岸開発の最前線なのだ。日常目にしないサイズの物に圧倒され、満足の後に帰路に着くことに。

行きとは別に、若洲から木場の貯木場の辺りまで歩いた。
35_10.jpg 運河沿いの工場を眺めながら、結構な距離歩いただろうか。
35_11.jpg 疲れたところで東京ヘリポート前のバス停から東京メトロ東西線の木場駅へ出た。

今回、どこがレトロだという散策になったが、産業遺構や巨大建造物を前にすると、日常当たり前だと思っている人間サイズの光景をあっさりと超えたスケールに、日常の小さな世界の中で生きていることを実感させられる。こうした異化効果や擬似的時間旅行は戦前の民家の並ぶ路地裏に迷い込んだ時に感じる錯覚と通じるものがある。今回も日常を見つめるいい自覚の契機になった。
ゲートブリッジが開通すれば徒歩で渡れる。またその頃に来て、今度は西側の中央防波堤を散策するとしよう。

(完)

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