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ノスタル爺

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第3回 1955年(昭和30年)


 「最初は放送局も、NHKと日本テレビの2局だけだったのね。現在のようになったのは、いつ頃なの?」
 「キー局と呼ばれるNHKと民放4局が揃うのは1959年なんだよ。民放の2局目は、55年に開局したKRテレビ(現TBS)だったね」
 「後発のテレビ局って、何か特長をださないといけないから大変だったでしょうね」
 「そうなんだよ。日本テレビがスポーツ中継に力を入れて成功していたから、KRテレビはドラマに力を入れたんだ。映画評論家の双葉十三郎さんが、アメリカ映画の『影なき男』をヒントにして企画したのがKRテレビ初の連続ドラマ『日真名氏飛び出す』だった」

日真名氏飛び出す,日真名真介,泡手大作,久松保夫,高原駿雄,中村竹弥,新選組始末記

 「『影なき男』って、ウィリアム・パウエルとマーナ・ロイの夫婦探偵が活躍するミステリー映画だったわね。ユーモアあふれるオシャレな映画だったわ」
 「貴女は、クラシック映画が好きだったね。つまり、『影なき男』のようなサスペンスとユーモアを持ち合わせた明るい探偵劇ということで、企画されたんだよ。内容は、銀座でフォトニュース社を経営する日真名真介が、仕事で撮影に行くと必ず事件と遭遇し、名推理を働かせて、助手の泡手大作と事件を解決するというもので、泡手大作はマーナ・ロイというより、『銭形平次』のガラッ八のような存在だったね。日真名氏はいつもパイプを咥えていたからホームズかな」
 「誰が主演だったの?」
 「日真名氏が久松保夫で、東宝の傍役だった人。泡手大作は高原駿雄で、彼は文学座の無名の俳優だった。VTRのない時代で、すべて生放送だったので、毎週確実に拘束できる役者でないと穴のあく危険性があったからね。久松保夫と高原駿雄は名が売れ始め、人気者になっていった」
 「映画のトップスターが出るわけないか。出演料が安いから製作費は安かったんでしょう?」
 「それがそうでもないんだな。当時ドラマの相場は30分30万円だったんだが、この番組は50万円かかっている。大道具・小道具に金をかけたこともあったが、ロケを取り入れたことが要因だったそうだ」
 「生番組なのにロケ?」
 「電車なんかが走るところをフィルムに撮り、セットのガード下の場面から、フィルムに切り替えると、登場人物の上を電車が走っていることが一目でわかる。電車音だけで表現していた、それまでのスタジオ・ドラマにはない臨場感が出たそうだよ。脚本がよかったこともあって東大新聞研究所が調査した視聴率では71%を記録し、62年まで続いた人気番組になったんだ」
 「無名だったけど、テレビに出て有名になった役者さんって、他にもいるんでしょうね?」
 「『江戸の影法師』に主演した中村竹弥もそうだね。この番組もKRテレビ制作で、民放初の本格的な連続時代劇だったんだよ。中村竹弥は、歌舞伎役者の化粧係をするかたわら舞台にも立ち、NHKや日本テレビのドラマにも出演した経験から抜擢されたんだが、これが当ってね。彼はKRテレビと民放初の専属契約を結び、『隠密草紙』、『半七捕物帳』、『右門捕物帳』、『又四郎行状記』、『旗本退屈男』、『風流あばれ奉行』、『新選組始末記』、『鞍馬天狗』、『父子鷹』と主演し、テレビが生んだ時代劇スター第1号になったんだよ。中でも『新選組始末記』の近藤勇は良かったなァ」

参考資料:テレビ史ハンドブック(自由国民社)、テレビドラマ全史(東京ニュース通信社)


2004年5月19日更新


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