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第7回 ヨコハマの洋食(3)…伊勢佐木「コトブキ」 |
ヨコハマの伊勢佐木町と言えば、かつては東京銀座・浅草と並び比較されるほどの繁栄ぶりであったという。何しろ、文明開化の街であり、外国船がヨコハマに入ってくれば、世界各国の観光客や船員たちがこの伊勢佐木に土産ものを買いに訪れたという。そのなごりは今でも残っており、外国人相手の土産ものを売る店がいくつか残っている。また、洋画も東京以上に早く上映された。今でもビルとしてその名称をとどめている「オデオン」はかつてはヨコハマきっての有名映画館であり、輸入された映画の封を切るという意味での「封切り」と言葉もこの映画館で生まれたそうな。ちなみに、現在伊勢佐木町なかばに「オデオンビル」は立っているが、もともとは少し離れたところに位置していたらしい。ちなみに、このあたりは複数の映画館があったが、ヨコハマの中心地が移動すると同時に映画館も次々と姿を消し、マンションなどに変わっていった。昔を知っているからこそ、跡地にできたマンションに住んでしまいたい気持ちになった。この界隈は男、それも独身男性にとっては、古本もたっぷり買えるし、気軽に入れるおいしい定食屋も数多くあるし、その気になれば数多くのきれいなお姉さんのいる店もあるしで、非常に居心地がよい。しかし反面、あまりの居心地のよさのため、まったく東京に行かなくなってしまうという弱点もあるため、あえて断念した。
さて、消える映画館もあれば残る映画館もある。日劇という映画館は現在でも残っている。この映画館は、マイク濱の映画で舞台となったため、ご存じの方も多いことだろう。ヨコハマ在住の50〜60歳のおじさんたちに話を聞けば、かつてはこの日劇で映画を見るのはデートコースの一つだったそうな。で、その日劇を出た後には、そのそばにある「コトブキ」でオムライスなり、カレーライスなりを食したそうだ。
その「コトブキ」は現在、伊勢佐木の通りに店舗を移した。この店のスゴイところは、24時間営業ということと、平日はどの時間でもランチが食べられるということだ。残念ながら、この「コトブキ」を訪れるときは土曜か日曜が多いため、私はいまだこのランチは食べたことはない。ただし、この店のあまりにもオーソドックスなオムライスにしろ、涙が出るほど粘度が高いカレーにせよ、よくあがったカツにしろ、ファンは非常に多いようで、独身のぼーっとした30男から、20代のヤングファミリーまで幅広い客層をとりこんでいる。
ちなみに、カレーなどの単品にも味噌汁をつけてくれるのも、うれしい限り。レバーカツなど、他の店ではほとんど絶滅したメニューもあるので、いつか食べて見たいものだなあ。
2003年10月8日更新
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