巨大建造物の最近のブログ記事

(前回の続き)
vol.53 多摩湖自転車道を行く・その1

54_map.jpg

あ、圧倒的じゃマイカ!!?
54_01.jpg 改めて見なくても圧巻のフォルムとディティール、そして経時変化具合。
花見の時期、桜ともよく映える。
54_02.jpg 見とれてばかりもいられないので少々蘊蓄を。
隣り合う二基の村山下貯水池取水塔の第一取水塔は大正14年の完成で、貯水池の取水塔第1号となるらしい。塔は水面の上に出ている部分だけでも12m以上あり、二つの取水塔の中間には朝霞・東村山線から水を引き込む導水路口が潜んでいるという。
円柱型のシルエットにネオバロック様式と呼ばれる柱・窓、そこにドーム屋根が被さるという姿は、その後の取水塔の雛形になった。
54_03.jpg 煉瓦のディテール、半円窓のR、ドーム屋根最上部の針金細工のような意匠、入口上部の紋章、そのどれをとっても間近で見たいと、湖岸と繋がるアーチ橋から潜入したくなるが、残念ながら工事中で間近から拝めない。
水位によって煉瓦部分の経年変化の度合いが違うから独特の退色グラデーションができており、近づきがたいオーラを発している。それにしても昼間からしてこの迫力なのだから、夜中、天体観測なんぞで暗闇の中、傍に取水塔が現れた日にゃ、卒倒してしまうだろう。
カメラを構えながらも、ズームするとどこか後退るような絵になってしまう。ビビリな自分はここで退散。

自転車道へ戻ろうと鉄橋を歩いていたら、石を積んだ段々畑状態の斜面が窺えた。
54_04.jpg 十二段の滝といって、多摩湖がオーバーフロー、つまり堰堤から溢れないようにここから余り水を放水するのだそうで、水の勢いを抑えるため段々になっているという。

自転車道を西へと進む。
左手に瀟洒な住宅が続くここは湖畔という住所地になっている。
54_05.jpg 多摩湖と東大和緑地の間は宅地開発され、キレイに区画整理がされていおり、等身大リカちゃんハウスが並ぶ。ここだけ「ウソだろ!?」って程に虚像のおとぎの国のようだ。
54_06.jpg 今どの辺を走っているのかわからなくなるほど、新緑の落ち着いた風景が延々と続く。次の目的地はまだかよっと思う頃、緑に囲まれた中に真っ赤なラインが覗き見られる。
54_07.jpg 鹿島橋という結構立派な鉄橋で、二つの丘を橋が繋いでいる。橋の手前が村山下貯水池で向こうが上貯水池になっている。つまり谷間の道が、二つの貯水池を区切る堤体へと繋がっている。

ここでその谷間を南へ下ってみることにする。
橋の脇にはまるで獣道のような緑溢れる旧道が続いている。緑のフィルターを通して直射日光は和らぎ、雨露にぬかるんだ足元からは土のにおいがする。
最初はその涼しさに気持ちをよくしていたが、段々と道幅が狭くなるにつれぬかるみも増し、なんだか普段見かけなさそうな両生類がヒョッコリ顔を出しそうな不穏な空気が満ち満ちる空間になっていた。
54_08.jpg 単にビビってきただけだが、この先道はなさそうだと自分に言い訳をして来た道を戻る。
途中の分岐点を入ると、そこは舗装された道路になっていた。ホッと胸をなでおろし、改めて湖の向こう岸へと渡ろう。
(続く)

   

その1 | その2

湾沿いに突如、錆びに錆びまくった物体が転がっているのが目に入ってきた。
35_01.jpg なんだ、なんなんだこりゃ!?
よくみると、錨(いかり)など船舶のパーツのようなものにみえる。
35_02.jpg しかし漂着したというより、何者かの意志が介在したような、恣意的な配置に見えてならない。
どうも、これはアート作品というかオブジェのようなものらしい。
35_03.jpg 散乱する丸太は、空からみるとカニの形をしているようで【航空写真】、他に「海の王座」と題された作品もあるが、これという大々的なアートとしてのアピールはなく、どちらかと言えば放置プレイ的。産業遺産が散乱していると捉えたい格好だ。
35_04.jpg

それが結構かっこ良く、あまりアート的な個人の主張を感じさせないところに好感が持てた。
35_05.jpg 海と空の青さに映える錆びついたドス黒い紅。
35_06.jpg 特にクラブマンハイレッグのようなタカアシガニ型の代物はシルエットも美しく、バカみたいに晴れ渡った青空に頽廃的な影を落としていた。
35_07.jpg 作品とはいえ、なにか日常的なもので組み上げられているのに日常的でないものを見せつけられたような、不思議な気分になってしまった。
そんな折、広い空の下、海を眺めていたら、沖合にクレーン船を発見した。
35_08.jpg ゲートブリッジに近づいてきているのだろう。やはり箱桁の結節工事は進んでいるようだ。
この他にも、海底の堆積物を取り除く浚渫(しゅんせつ)船と覚しきシルエットも見受けられた。
35_09.jpg やはりここは湾岸開発の最前線なのだ。日常目にしないサイズの物に圧倒され、満足の後に帰路に着くことに。

行きとは別に、若洲から木場の貯木場の辺りまで歩いた。
35_10.jpg 運河沿いの工場を眺めながら、結構な距離歩いただろうか。
35_11.jpg 疲れたところで東京ヘリポート前のバス停から東京メトロ東西線の木場駅へ出た。

今回、どこがレトロだという散策になったが、産業遺構や巨大建造物を前にすると、日常当たり前だと思っている人間サイズの光景をあっさりと超えたスケールに、日常の小さな世界の中で生きていることを実感させられる。こうした異化効果や擬似的時間旅行は戦前の民家の並ぶ路地裏に迷い込んだ時に感じる錯覚と通じるものがある。今回も日常を見つめるいい自覚の契機になった。
ゲートブリッジが開通すれば徒歩で渡れる。またその頃に来て、今度は西側の中央防波堤を散策するとしよう。

(完)

   

前回の記事

釣り人の多くいる堤防を真っ直ぐに進み、ゲートブリッジの結節点の真下あたりまで行くことができる。
34_01.jpg 橋脚部分を見上げると、まだ建設中といった風情が残っている。
34_02.jpg 釣り人を避けながら歩くこと10分。いよいよ先端まで近づいてきた。
34_03.jpg 灯台越しに結節部を見上げる。
34_04.jpg おおっ、いいねぇ。ここが近々いよいよ繋がるのかぁ。
どん詰まりの鉄柵に掴まりながら、そうこうしていると直ぐに時間が過ぎてしまうが、場所が場所なので、吹きっさらりの海風で、時折身体が持って行かれそうになる。
続々見物人は来るし(平日の真昼間にもかかわらず、自分のような物好きは結構いるものだ)、長居もしていられず、再び堤防を戻ることに。
34_05.jpg 堤防には完成時のプレートが埋め込まれていた。1980年――凡そ30年前か。ちなみにケーソンとは地中や水中に埋めるコンクリートor鋼製の箱。

若洲海浜公園へ戻り、公園を外周する遊歩道沿いに少し歩いてみる。
するとなにやらバージ船(艀はしけ=小型の貨物船)のような貨物船がみえた。
34_06.jpg どうもゲートブリッジを結節する箱桁を海上輸送しているらしい【ゲートブリッジHPのPDF「中央径間箱桁仮設工事の概要」を参照】。パーツを運んでここで組み上げ、起重操船「富士」なるクレーン船で持ち上げるのだろうか(クレーン船そのものを組み上げるのかな)。タモリ倶楽部では、最近港湾部の大型工事でよく見かける第50吉田号【吉田組HP参照】が写っていたが。

こういう作業は遠くからではチットも進捗がないようにしか見えないので、再び遊歩道を歩くことに。
青空の下、妙にバカ明るく脳天気な光景が広がる。
34_07.jpg すると、突如としてこの光景には異物としか映らない、謎の物体が目に飛び込んできた!

(続く)

   

先日、HDレコーダに溜まっていたテレビ番組録画をチェックしていたら、タモリ倶楽部の東京ゲートブリッジの回を発見した。
番組では、新木場側(南側埋立地:若洲)とお台場側(埋立地南端:中央防波堤)の橋が結節した後にロケが行われたようだが、自分はこの結節する中央径間箱桁架設工事を狙って訪問する予定だったのだが、工事3日間の最終日(2011.2.27)、一本につながった日には都合が合わず、その瞬間をおさめることができなかった。
初日にいくも、迫力ある映像は撮影できなかったが、とりあえず、ゲートブリッジの恐竜然としたシルエットの迫力は感じられると思うので、ひとまず、レポートさせていただきたい。

そもそもゲートブリッジは・・・詳しいことは国土交通省のHPを見ていただくのが一番。
国土交通省関東地方整備局 東京港湾事務所:東京港恐竜出現!?
まぁ沖へ沖へと増殖する埋立地を結ぶ新たな橋というわけだが、三角形(トラス)の骨組みで構成された造形が、近年稀に見る機能美溢れる橋桁で、構造物オタクの心を鷲掴みにしている(と自分は勝手に解釈している)。
初めてゲートブリッジのイメージを見たとき、久々に一瞬でグッときた。
しかも徒歩で渡ることができると聞き、それ以来、完成を待ちわびているのだ。

新木場からもお台場からもバスで近くまでアプローチできるのだが、新木場側は若洲海浜公園というゴルフ場やキャンプ場を備えたレジャー施設があるため、比較的アクセスしやすい。午後に訪れたので西日を考慮して、本来西側に当たる中央防波堤から撮影するのがいいに決まってるのだが、今回は勘弁頂き、後日、改めるとしよう。
というのも、新木場駅舎下に、ややディープな定食屋があると聞いて、どーしてもそこでお昼を済ませたかったのだ。そんな理由かよ!?
とはいえ、かなりステキな店なので、私のB級グルメブログをぜひ、参照いただきたい。
デウスエクスマキな食卓:丸惣@新木場~その暗い路地を抜けろ!

さば味噌に満足したところで、駅前ロータリーから都バス、木11:若洲キャンプ場前行きに乗り込む。

33_01.jpg

倉庫群の間を縫うように走り、橋を渡ると若洲エリア。ここから工事中の風景が目立つようになる。ゲートブリッジの完成にあわせ、整備が進んでいるようだ。臨時のガードレールのウサちゃんが無限増殖する、なんとも壮絶な光景だ。

33_02.jpg

風車が近づいてくると、いよいよ若洲海浜公園エリアに入る。

33_03.jpg

終点若洲キャンプ場も臨時のバス停で、砂利道を跨ぐように管理事務所を抜けて、ゲートブリッジの橋脚のたもとへ。ここから堤防が橋梁の結節点のほぼ真下まで伸びている。ここで一気に視界が開け、東京港が見渡せる。風が冷たいが、なんとも清々しい気分になる。

33_04.jpg

遠くに工場が伺えるのが、なんとも臨港風景らしい。

33_05.jpg

この堤防は釣り人用に解放されているようで、平日の昼までも釣り客が結構糸を垂らしている。
その先に、件の恐竜が2頭、頭をもたげ向かい合っている様がはっきりと見て取れた。

33_06.jpg

(続く)

   
...トップページへ
NEWS!!!
当ブログ書籍誕生!
『路地裏ら~めん漫湯記』
…前身となる連載『ら~めん路漫避行』の東京23区内記事の加筆訂正+書き下ろし記事で構成された、東京裏町ラーメン銭湯攻略本!

Author


    刈部山本-karibe yamamoto-
    自営の珈琲店でスペシャルティ珈琲のドリップやケーキの仕込みに追われる傍ら、路地裏や廃スポットを徘徊してはB級グルメを貪る日々。B食+路上観察を纏めたミニコミ(同人)誌を年2回定期刊行。

    ら~めん路漫避行
    …旧サイト連載:ラーメンを巡る路上観察紀行

    デウスエクスマキな食卓

    …B級グルメブログ

    結構人ミルクホール

    谷根千路地裏の厳選珈琲店


刈部山本の本

    最新:ふろ式・酒場の叙景
    風呂入って一杯ヤれる攻略本

    夏新刊 『背脂番付』
    …ドキッ、アブラまみれの背脂ラーメンガイド!
    Amazonでも取扱中!
    (+105円だけど送料無料)
    弊ブログ・ヤフオク・委託先書店にて取扱中:委託先在庫状況はコチラまで
Powered by Movable Type 5.03
powered by.

  ...トップページへ移動

2014年4月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

このアーカイブについて

このページには、過去に書かれたブログ記事のうち巨大建造物カテゴリに属しているものが含まれています。

前のカテゴリは埼玉県です。

次のカテゴリは廃線です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。