2011年1月アーカイブ

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おはじきを眺めていたら、ひんやりと冷たくて、きれいで、まるで雪の結晶のよう‥‥なんて思ってしまったのは、昨年の暮れから雪の話ばかりしているから。だって、故郷の鳥取県に大雪が降ったのです。それも、水分をいっぱい含んだ重たい雪が、急激に積ったために、交通機関は壊滅状態で、国道9号線では1000台もの車が動けず、漁港として有名な境港では、300隻を超える船が沈没しているとのこと。山間の集落では何日も停電が続き、東京でも、連日トップニュースで取り上げられました。新年から地元がこんなにテレビにでるなんて‥‥。実家に食料品を送ろうにも、宅配便もいつ届くかわからない状況で、いつでも送れるなんて思っていましたが、甘かったなぁと反省しました。やはりいつ起こるかわからない災害のために、保存食など準備しておいたほうがいいですね。

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ありがたいのは、離れた故郷の様子をインターネットで確認できることです。米子いんふぉねっと『暮らしと観光ガイド』の中の、"米子市日記"では、連日の大雪写真をあげてくれ、雪への驚きや、生活の大変さなどが書かれています。日記の写真は、美しいものが多くて、大好きな大山を楽しみに眺めてきましたが、雪もだいぶ少なくなり、安心しました。

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そしてもうひとつ、鳥取県立『夢みなとタワー』のライブ映像発信、"展望室からの眺め"は、暇があればいつも見ています。大雪の時は画面が真っ白でした。いったいどうなることかと思いましたが、普段は雲の流れから風向きを思い、朝焼けや夕焼けの美しさに目を細め、波の高さに力強い日本海を思う‥‥。帰りたいというわけではありません。「故郷は遠きにありて思うもの」なのです。

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雪に見立てたおはじきは、何年か前にまとまって出た時に「戦前のおはじきだよ」といわれて、ガラスを収集している友人と一緒に買いました。少々不格好ですが、そこが魅力のひとつです。梅、菊、桜の花の形をしているので、"花はじき"なのでしょうか? 中央には赤と黄色の塗料が塗られていたようですが、ほとんどとれてしまい、少しだけ残っています。そして、なんともいえない美しい色のガラス。たくさん気泡がはいっている青いおはじきは、泡を含んだ海の色にもよく似ています。

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旦那サンが、オモチャの電話を買って来ました。赤い公衆電話の貯金箱で、商品名は"電話銀行"。これがよくできているんです。遠目に見ると本物みたいですし(小さいけど)、10円玉を入れると音楽が流れます。それも日本人の心に届く昭和メロディということで、「あの日にかえりたい」「少年時代」「贈る言葉」「川の流れのように」「秋桜」などなど、懐かしい曲が10曲も入っているという素晴らしさ。おもしろいので、ついつい10円玉を入れて聞いてしまいます。ちなみに10円玉がいっぱいになると、目標達成を知らせてくれて、返金してくれるそうです。最近の貯金箱ってスゴイです。
公衆電話といえば、駅前は別として街中ではずいぶん減りましたね。たまに見かけると懐かしい気持ちになったりして(ちょっと早すぎ!)。でも、どの電話ボックスもきれいにしてるなぁって眺めていたら、以前はいろんなチラシを貼られて、問題になっていたことを思い出しました。チラシって今は貼ってないのかな? そう思い、チラシがたくさん貼ってあった、西武池袋駅西口前の、ずらりと並んだ電話ボックスも見てみましたが、ボックス内にチラシは貼られておらず、外側に2種類貼ってあるだけ。宣伝がチラシである必要がなくなったのだと、あらためて思いました。

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でも、チラシが問題になっていたことも、こうもあっさり過ぎていくと、電話を取り巻く環境が、いかに激変したかを思い知らされます。私自身、公衆電話はずいぶん使っていませんし、テレホンカードも、最後に使ったのはいつだったか思い出せないくらいです。携帯電話の普及により、公衆電話の存在ですら、こんな感じですから、"電話料金箱"の存在なんて、遠い彼方って感じでしょうか? いえ、世代によっては彼方にすらないですね。
電話料金箱とは、各家庭に電話がまだまだ普及していなかった頃に使用されたモノで、下宿などで呼び出しに使われた電話や、公民館など公共の場にあった電話の横に置かれていました。公衆電話のお金を入れる箇所が、外付けだったという感じでしょうか。公衆電話の普及とともに消えていったと思うのですが、電話料金箱は種類が多数ありますから、当時はそれだけ重要があったのでしょう。

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ご紹介するのは、あまり見ないタイプの電話料金箱で、木とセルロイドでできています。暗めの水色に金色の文字という組み合わせが、とても気に入っていて、文字の書体も昭和レトロといいますか、懐かしい感じがします。大きさもいろいろがありますが、これは小さいほうで、高さ13.5センチ、横幅7.5センチ、奥行き4.5センチです。電話機の横に置かれたり、柱などに掛けてあったのでしょうね。でも、見るからに簡単に盗まれてしまいそうな小さな箱です。当時は盗難被害とかなかったのでしょうか? まったくなかったとは思いませんが、それでも電話料金箱の存在を思う時、当時の人たちが電話を切ったあとに、きちんとお金を入れていた様子が思い浮かびます。そして、電話が今ほど身近で簡単に使える物でなく、貴重な存在であったことが偲ばれるのです。

お知らせ
プラスチックでできた電話料金箱とご紹介していましたが、セルロイド製でしたので、セルロイドに訂正しました。詳しくは、"No.28 電話料金箱という存在を教えてくれた、木製電話料金箱"をご覧ください。

ご案内
1月22日(土)から26日(水)まで、豊島区目白にあるアンティークショップ、布と玩具 LUNCOで、「振袖、訪問着そしてうさぎ」と題して、うさぎ柄の着物、帯、帯留、帯〆、布、うさぎの玩具などを販売されます。
LUNCOのオモシロ着物柄 (Marble books)古いモノを商う人を見ていると、パワフルな方が多いのですが、LUNCOのオーナーであり、『Luncoのオモシロ着物柄』(Marble books発行)の著者である永田欄子さんも、半端じゃないくらい元気な女性です("その49 『Lunco』と『小さなレトロ博物館』、着物だらけの1週間"参照)。集まってくる着物も、とてもおもしろいモノばかりで、よく底をつかないものだと思うのですが、それだけ着物の歴史は、奥が深いということなのでしょう。

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9日の日曜日、富岡八幡宮骨董市に行ってきました。本当は、東京ビックサイトで開催している骨董ジャンボリーに行きたかったのですが、しばらくは無理なので、まずは近場からと、家族3人で門前仲町を目指しました。ところが、甘かった! 初詣のお客さんと重なって、ものすごい人なのです。嵐やAKB48の写真がぶら下がった屋台が並ぶ光景は、"今"を感じて微笑ましく眺めつつも、境内の片隅に追いやられた骨董屋を見つけるのも、近づくのもままならず、なんとかたどり着いたお店で、視界に飛び込んできたのは、旭日でした。それも中心に「發」の文字があります。

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「發‥‥ハツ、これはもしや初日の出という意味?」
いきなり脳内で変換されて、手に取ったのは小さな缶でした。下半分にはローマ字で「TRADE MARK ASAHIHATSUMEI KOGYOSHA」と書いてあります。「發」と「旭日」がトレードマークの旭発明工業社の缶なのです(社名の文字は「発」になっています)。今年はじめて行った骨董市で、なんだか縁起がヨイ出会いです。"皇紀2599卯年のカレンダー"に続き、手を合わせて拝みたくなるような、ありがたい日の出(?)を見させていただきました。それにしても、見れば見るほどインパクトのある缶ですね。元気をいっぱいもらえる気がします。考えてみると、「発」という字は、発明、発進、発信、出発、利発、活発など前向きな言葉が多いからでしょうか。旭日と合わせると、気合い充分な感じがするのは私だけ? 「發日の出」は‥‥少し強引かな? 気に入ったんですけど(すみません)。

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肝心な中味ですが、強力接合剤。大正時代の接着剤と思われます。商品名は『キングスターチ』。クローバーのキングのトランプが目印です。よく見ると下の方には桜の花びらが舞っていて、見れば見るほど、めでたい缶ですが、用途は、「木竹、金属、陶器、硝子、石、皮革、ゴム、セルロイド等何品ニテモ固着セザルモノナシ」と書いてあり、なんでもくっつけることができるわけです(本当かな?)。必要な量の粉末を水に溶かして使用するとか。ちなみに会社は横浜市鶴見区にありました。接着剤といえば、旧サイト"その37 「更生の友」と「ナオール」こと、60年前の接着剤の巻"でも紹介しています。接着剤の商品名として、「更生の友」、「ナオール」も、おもしろいです。

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キングスターチは大小2種類売っていて、ついつい2ツ買ってしまいました(大:直径4.3センチ、高さ5.9センチ。小:直径3.5センチ、高さ5.3センチ)。めでたさの重複ということで(?)
‥‥ご愛敬。ほかのお店も見たかったのですが、はじめて見る縁日に驚いたのか、赤ちゃんがぐずり出しまして、御本殿にも行けず、西参道を抜け、深川不動尊を突破し、逃げるように人ごみを脱出しました。一息ついたのは深川東京モダン館です。江東区の観光案内所なのですが、もともとは、昭和7年に建てられた東京市深川食堂の建物でした。"モダン館"の名前のごとく、モダンな建物で、休憩するにはもってこいの場所です。この日は梅昆布茶の振る舞いがあり、美味しくいただきました。余談ですが、こちらでミニ骨董市やミニ古書市を開催されたこともあるそうですよ。それにしても、この日は気温が12℃という暖かく、気持ちのいい晴天で、お散歩日和でした。そして、私にとっては一瞬の骨董市でしたが、楽しいひとときでした。

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 「飴屋瓶」と聞いて、下北沢にあるアンティークショップ、あんてぃかーゆを思い出すのは、オーナーの加藤恵子さんが書かれた『こまごま古道具』(住まいの図書館出版局発行)を読んで、その存在を知ったからです。
 あめやびん、ご存知ですか? 
なんとも優しい響きのビン。それはお砂糖やお菓子を入れたビンのことで、大正から昭和初期につくられました。現在の大量生産でつくられるビンとは、まったく違って、当時のビンって驚くほど、いろいろなデザインがあるのです。大好きなブログ"ガラス集めてみました"の中でも、たくさんの飴屋瓶が紹介されていますから、ぜひ見てほしいのですが、多種多様のビンたちに驚かされます。昔の人の、ガラスビンに対する遊び心が感じられるのです。
 
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私の家にも、長年連れ添っている飴屋瓶がいます。黄色い練りガラスのビンです。古いモノなのに新しい感じがするというか、古いモノの中でも、ひときわ目立つ色です。格子模様に王冠と月桂樹の葉が描かれ、高さは15センチ。口元がナナメになっているのもご愛敬で、へこんだアルミの蓋も時代を感じさせてくれる、とても可愛らしいビンです。飴屋瓶って、黄色のほかにも青、緑、ピンクなどがあり、透明なモノと中が見えない練りガラスのモノがあったそうです。『こまごま古道具』の中で紹介された、青い練りガラスのハートが型押しされたビンなんて、今でも写真を見ると、うっとりしちゃいます。
 
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もうひとつご紹介するのは、無色透明の飴屋瓶です。波に揺れる水鳥が描かれています。こんなに細かい模様がビンに描かれているのですから、昔のビンって、ステキだなぁと思うのです。ビンといえば、「瓶」「壜」「びん」「ビン」と、書く人の好みで表現されますが、私は昔から「ビン」と書いています。なんで? と聞かれると困るのですが、「ビン」が一番しっくりくるのです。

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ご案内
マッチラベルのコレクターであり、『マッチレッテル万華鏡』(白石書店発行)の著者・加藤豊さんが参加しておられる、『オリジナル燐寸ラベル&マッチアート展vol.10』が、1月9日(日)~23日(日)まで、渋谷区神宮前にあるオーパ・ギャラリーにて開催されます。デザイナーやイラストレーターの方々がオリジナルのマッチを展示即売されるとか。"古燐票博覧会"の中で、ご自身のマッチへ対する思いや、活動を書いておられるように、本当にパワフルな方で、毎年年賀状をいただくたびに、すごいなぁと思っています。その上、5月には出版予定もおありだとか。楽しみです。

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子供の頃、卯年生まれになりたかったです。理由は、十二支の中で一番可愛かったから。申年生まれの私にとって、申はぜんぜん可愛くないし、父には「エテコー」と冗談交じりにいわれるし、母は卯年生まれなもんだから、自分のことをウサギに例えたりして、それも嫌でした。思い起してみると、日常的に干支の話は多かったです。祖母にいたっては、干支によって性格を決めつけていましたし‥‥。干支は、祖母と両親と子供を繋ぐものとして存在したように思います。そのせいでしょうか。私は年齢を聞くより先に、干支を聞くようになりました。聞くたびに「干支聞く人は、最近珍しいよ」っていわれます。

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今回ご紹介するのは、卯年のカレンダーです。嬉しいことに素性がはっきりしていて、京都の四条高倉にある大丸百貨店の名前と電話番号、休業日がカレンダーに印刷されています。大丸で販売したのか、お得意様に配られたのでしょうか? それにしても、なんて素晴らしいデザインなのでしょう。陶器でできた波の上を跳ねるウサギ2羽に、差し込み式になったカレンダー部分が神々しく、手をあわせたくなるような、見事な日の出、御来光が表現されています。"賀正"の文字もおめでたい感じでインパクトがあり、年号は"2599"と書いてあることから、神武天皇即位の年を元年として起算した、皇紀2599年(西暦1939年)だとわかります。かれこれ72年前の昭和14年のモノで、私の母と義理の父が生まれた年用につくられたカレンダーなのでした。底面には大丸の刻印があり、その年が終わっても使えるように、時間表がついているのはさすがで、子供の机に置くには、少々もったいないような、凝ったつくりだと思うのですが、横幅13センチのカレンダーは、机の上を華やかにしてくれるだけでなく、1年間を力強くサポートしてくれたのではないでしょうか。ちなみに、大丸百貨店が四条高倉に開店したのは明治45年で、当時は大丸呉服店でした。商号が大丸に変わったのは昭和3年のこと。いまさらながら、歴史ある百貨店なのですね。

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私にとってもカレンダーは、なくてはならない物のひとつです。たくさん飾った時期もありましたが、現在は毎年いただく日めくりと、シンプルで書き込みのできる特大サイズの物と、月の満ち欠けと潮の満ち引きがわかる『月と波のカレンダー』3点を飾っています。こだわっているのは、どれも六曜、九星、干支が最低限書かれていること。今日が私にとってどんな日か目安にしているのです。
妹から携帯にメールが届きました。私の赤ちゃんの話題になり、最後に「寅年だから強そうだね」と一言。
‥‥‥。

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ウサギといえば、日常使っている器の1枚が、ウサギが描かれた印判の小皿(全長10.5センチ)です。ウサギ5羽と植物が描かれた上品なデザインですが、昔のお皿って、このサイズは結構多いので、離乳食で大活躍中なのです。電子レンジにも使えますし、とても重宝しています。

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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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