はじめに、お詫びと訂正をしたいと思います。No.8でご紹介しました、水色のプラスチックと木でできた電話料金箱ですが、プラスチックではなく、セルロイドだと判明しました。スミマセン‥‥。触った感じがとても硬かったので、プラスチックだと思い込んでいたのですが、よく見たら、しっかりと枠組みをした木の上に、薄いセルロイドの板が、ていねいに貼られていることがわかりました。よって、No.8の"プラスチック"という記述は、すべて"セルロイド"に訂正させていただきました。ご了承ください。実は、だいぶ前(2月頃)に親しい業者さんからも「昭和25年から30年代はじめのセルだと思うよ~」と連絡をいただいていまして、いつ訂正しようかと考えていたのです。
お口なおし(?)に、もうひとつ電話料金箱をご紹介します。全体が木でつくられた、楕円形の料金箱です。箱に直接文字が描かれていないのは残念ですが、実際に電話料金箱として使用していたモノだと聞いています。料金箱には、紙をはめ込むことができる枠が2つあり、中央の縦書きの枠に、電話料金箱など使用目的を書いた紙を入れ、下の枠には、お店や下宿の住所などを書いて差し込み、柱などに取り付けたのでしょう。一見地味に見えますが、とても美しい楕円形をしています。木目も美しく、実にていねいにつくられたモノだと思うのです。そして、中央の板に使われたセルロイドも、時間の経過から波打ち、飴色に変色していましたが、そこがまた趣きを感じます。写真だと飴色のセルロイドがわかりにくいので、詩吟とコーヒーと毛筆が得意な、会社の上司Kさんに、「電話料金箱」と書いてもらいました。難しかったみたいですが、ありがとうございました。
この電話料金箱は、京都にあった骨董屋"骨董鯨や"で求めたモノです。「これは‥‥?」と手に取った私に、「それ、いいでしょう。電話料金箱なんですよ」と、それまで知らなかった電話料金箱という存在を、教えてくれました。そういえば、No.1とNo.23でご紹介した無針紙綴器を教えてくれたのも、このお店でした。木製品が醸し出す、時代感といいますか、そのカッコよさを教えてくれたのです。現存していたら、ご主人は常々「不便を楽しむ」と話しておられ、携帯電話も持たないような人でしたが、さすがに持ったかな‥‥。オークションをはじめとする、ここ数年の激変ともいえる古物の流通を、どう語ってくれるのか、ふと聞いてみたい気持ちになります。
おまけ 気になる街角
お散歩の途中に、最近では、あまり見かけないホーロー看板と遭遇しました。