No.206 上野松坂屋のファミリーレストランと、「メガネ肝油」の器

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席から天井を見上げると、まるでレモンの輪切りのような照明が‥‥。

どこの天井かというと、取り壊しが決まっている上野松坂屋南館の、7階にあるファミリーレストランの天井なのでした。  

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ガラスブロックの壁も、ちょっと昔風で、ホッとさせられる感じですね。

子供ができてから、あまり外食はしなくなったのですが、こちらのファミリーレストランは娘と一緒に、ずいぶんお世話になりました。

来るたびに天井の大きなマルを、不思議そうに眺めている娘の様子がおもしろく、子連れにも優しいお店とあって、よく利用させていただいたのです。 

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人がいないのを意識して撮影しましたが、最近は閉店セールとあってお客さんも多く、いつも混んでいます。 

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お世話になった6階のオモチャ売り場は、早くも来週には閉店が決まったそうです。どんどん変わっていく店内に、お別れが近いのだなと思い、しんみり‥‥。 

デパートの閉店には縁があり、有楽町のそごう、池袋三越、東京大丸が思い出されます。特に有楽町そごうは、会社の帰り道にあったので、何度も行きました。

かつての3つはセール目当てでしたが、上野松坂屋南館は、子供との思い出の場所がなくなるということで、今までの閉店とは、思い入れが違います。3年後には高層ビルに生まれ変わり、パルコや映画館が入る予定だそうですが、さびしいですね。

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 ‥‥と、上野松坂屋のファミリーレストランのお話はさておき、今回ご紹介するモノは、陶器でできた"メガネ肝油"の計量容器です。 

メガネ肝油とは、創業明治17(1884)年の、ワカサ株式会社さんから今なお発売されている商品で、詳しい説明はそちらを見ていただきたいと思いますが、昔は、ご覧のような陶器のおちょこ(?)をつけて販売されていました。

小さいにもかかわらず、白磁に商標やキャッチフレーズが描かれ、その上注ぎ口まで付けられた、実に丁寧なつくり。なんとも、愛おしくなるじゃありませんか。熱心に蒐集していました友人によると、サイズや絵柄もこの他にいろいろあるそうで、新しいものを発見するたび、大喜びしていたのを思い出しました。

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この鼻眼鏡のデザインも、2つの容器を見くらべると、ちゃんと絵柄を描き分けているのですね。眼鏡本体のみの青にくらべて、緑はヒモがついています。ヒモがついていない青い方が、もしかすると古いバージョンなのかも知れません。この商標は、明治24(1891)年に商標登録されたそうですから、ずいぶん歴史のある会社なのですね。

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ちなみに器の大きさは、高さ25ミリ、直径40ミリです。どちらの器も、草書体で「今日も明日も 欠かさずのんで 強いからだに なりませう」と、キャッチフレーズが書いてありました。

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器の中をのぞき込んでも鼻眼鏡! 緑の方は器自体の内側に出っ張りを設けて、青い方は線を描いてあります。薬液の計量線なのでしょうね。

ままごと道具のような小ささと、気遣いの細やかさに、「カワイイ~」と、思わず声に出してしまいそうになるのでした。 

 


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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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このページは、さえきあすかが2014年1月23日 20:00に書いたブログ記事です。

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