某テレビ局の方が、無針紙綴器(
No.1参照)を見せてほしいと、わが家にこられたのは、2月も中旬の話です。テレビ出演は叶わなかったのですが、とても親切な方で、無針紙綴器の身になって(?)素性を調べてくださり、関連書籍を紹介してくださいました。それがご縁なのかわかりませんが、4月に入り、雑誌で取り上げていただけることになったのです。小学館発行の雑誌『
DIME』です。発売日にいそいそと買いに行きました。実は、はじめて買いました(スミマセン)。25年も続いているという、トレンド商品を紹介した雑誌なのですね。トレンドと無縁の私が読むと、いまさらながら、浦島太郎状態の自分を再認識させられ、今のままで大丈夫なのか? と一抹の不安を覚えますが、ラジオの魅力や、"ワイヤレス"&"コンパクト"な「セカンドテレビ」特集は、欲しいなぁと思いながら読みました。そして、なんといっても、創刊25周年ということで、"ニッポン25年「モノ・コト・トレンド」"と題し、1986年から2011年までのモノの進化とヒット商品、世相などをまとめた年表は、とてもおもしろかったです。特にモノの進化は、激変ですよね。そうだよなぁと考え込んでしまいました。
肝心な無針紙綴器は、夏目幸明さんの"「勝ち組」商品のヒット開発列伝・運鈍根"の中で、紹介してありました。勝ち組商品として紹介されたのは、コクヨの"ハリナックス"です。夏目さんがハリナックスの開発秘話に迫っておられ、大正生まれの無針紙綴器についても書かれているのでした。いやはや、無針紙綴器の文字がこんなに雑誌に載るなんて、ちょっと感動しちゃいました。やはり、ハリナックスは、エコを求める時代の要求によって産まれ、大ヒットしたのですね。開発されたコクヨの方々の、ざっくばらんとしたお話がおもしろかったです。また、写真を提供させていただいたことから、「
まぼろしチャンネル」も紹介していただきました。ありがとうございました。
ところで、No.1で無針紙綴器をご紹介した時には詳しく書かなかったのですが、パテントナンバーは2つあります。番号から調べてみると、大正7年3月4日に、名古屋市の伊奈宗四郎さんが実用新案登録しておられ、同じく大正7年9月19日に、名古屋市の黒田忠譲さんが登録しておられます。それぞれ図面もありますが、写真の無針紙綴器と同じ形なのは、黒田さんのほうです。トレードマークの"CK"は、イニシャルだと思われます。念のために紙を綴じてみました。古い刃なので切れ具合はいまいちですが、ちゃんと綴じることが出来ます。大正生まれなのに素晴らしいです。実は、そんな無針紙綴器を2つ持っているので、並べて写真を撮りました。ちょっと嬉しそうに見えるのは、私だけでしょうか。