2013年10月アーカイブ

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娘と三輪車で散歩していた時のこと、何気なく眺めた近所の四角いポストが、ずいぶんと色あせて、ピンク色っぽくなっていました。考えてみたら、私の記憶の中には、真っ赤なポストはあっても、こんなに色あせたポストって、なかったような‥‥ちょっと驚きました。 

携帯やパソコンなどコミニュケーションが、とても便利になった今日では、仕方がないような気もしますが、色あせたポストが、"今の通信事情"を物語っているようで、なんだか寂しい気持ちになったのです。

そんなポストを見て思い出され‥‥、というと、ちょっとこじつけめいてしまいますが、今回ご紹介するのは、"指ぬらし"の器3点です。小さな平たい壷のような容器に、水をふくませた海綿を入れて、切手などを濡らして貼った文房具で、懐かしく思われる方も多いのではないでしょうか。需要のあった時代には、いろいろなデザインのモノがありました。わが家にも何個かあります。陶器とガラス製で、なかなか素敵でしょ?

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まずは、水色のガラスで出来た指ぬらし。昔のガラス製品では定番の、気泡がたくさん入っているのも魅力。全体に草花が描かれたデザインは可愛らしく、女性が使うことを想定したのかな、とも思わせます。 

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次は、黄緑色のガラスです。装飾も、口の折り返しもないシンプルなデザインですが、見つめていると吸い込まれそうな色合いが、とても魅力がありますね。切り口の蛍光色からすると、ウランガラスでしょう。 

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そして、こちらは陶器製の指ぬらし。八角形に角張らせた、指がかりのよさそうな外観。大理石っぽい色あいに焼きあげられています。正札がついているのは、デッドストックだったためでしょう。"石田紙店"の銘があり、板橋と新宿にお店があるむねが書かれていました。 

指ぬらしといえば、過去に変わり種も2点紹介してきました。萬年海綿器と、スタンプモイスチャーです。特に萬年海綿器はスグレモノで、私の好きな品の一つです。興味のある方はご覧くださいね。

 

【気になる街角】

映画や漫画などで、懐かしの街並みが描かれるときはすでに欠かせないアイテム、鋳物の筒型ポスト。そんなポストを、観光地・熱海では、ほうぼうで見ることができました。色を何度も塗り替えたのでしょう、ぶ厚いペンキで凸凹もつぶれ気味と、だいぶくたびれた状態ですが、真っ赤な色は鮮やかでで、街のシンボル的存在に見えました。

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‥‥自由気ままに探検したので、場所はよくわかりませんが、歩くたびに赤いポストに出会いました。来宮駅前にもこのとおり。 

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川沿いの道にも、商店街でも、現役で活躍しています。 

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大切にされているのですね。ちょっと嬉しい光景でした。 

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手紙が減ったといっても、幼児向けのテレビ番組では、手紙は貴重な通信手段として、今でもひんぱんにお話の中にでてきます。

テレビに影響されてか、娘も「お手紙どうぞ」と、色紙に絵を描いて、私にさし出してくれたりします。そんな様子を見ていると、近所の色あせたポストも、早く塗りかえてあげてほしいなぁと思う、今日この頃なのでした。 

 

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ペン先の形をした金属のケース、表面に「Pen Box」と文字が浮きだされています。英語の筆記体、穴の形をハートにしたあたりに、ハイカラというか、小洒落た感じがしますね。

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大きさは横50ミリ、縦20ミリ、高さ12ミリで、手のひらに収まってしまうくらい小さなもの。何のケースかというと、ご覧のとおりペン先入れで、開けてみたら9枚の未使用のペン先が入っていました。もとは1ダース入りだったのでしょうか。カチャリ、と音を立てて、しっくりとフタがはまるあたり、金属の小物特有の味があって、本当にいいものです。

サイズからして、筆箱や引き出しの小物入れ、ペン皿などに入れられて、そのオシャレな外観で卓上を楽しい雰囲気にしたことでしょうね。 

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ペン先に関連するものは、「BUNCHIN&MIZUIRE」、「鐡帽ペン先」など、過去にもいくつかご紹介しましたが、文具の中でも一つのデザインモチーフとなっていたようで、つけペンがいかに親しまれていたかを感じさせます。

そういえば、つけペンなんて、もう長い間使っていないなあ‥‥。昔はイラストを描くのに、さんざんお世話になったものでした。

 

【 ご案内 】

たごもりのりこさんから、「第3回鳴子こけし現代アート展」のお知らせをいただきましたので、ご案内させていただきます。昔からこけしが大好きな女性で、こけしの楽しさを最初に教えてくれたのは、彼女だと思います。

くわしく知りたい方は、たごもりさんのブログをご覧くださいね。 

 

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123名の作家さんが作成された、350本のこけしを見ることができるそうです。鳴子伝統こけしも約50点飾ってあるとか‥‥。

 

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文房具店に行って、惹かれるモノのひとつに"しおり"があります。そう、読みかけの書籍にはさむ、しおりです。観光地のお土産として、草花がはさまれたモノがあったりしますが、手のひらにのる細長いしおりは、なんとなくロマンチックといいますか、私の心にひっかかるモノのひとつなんです。

今回ご紹介するのは、セルロイドでつくられた、ひと昔前のしおりです。先端に黒猫が刻みこまれたモノは、特にお気に入りで、鼈甲っぽい色合いが、上品で高級なしおりに見せてくれます。 

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全体を写すとこんな感じで、長さは120ミリ。形からすると、ペーパーナイフを兼ねていたのでしょうね。

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もうひとつ猫のしおりを持っています。真っ赤な毛糸玉とじゃれている、まん丸な三毛猫です。 「江乃しま」の文字からすると、江ノ島のお土産屋さんで売られていたものではないでしょうか。長さは113ミリです。江ノ島のお土産といえば、ガラスの文鎮もありましたね。

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和風の感じがする三毛猫さんと、どこかハイカラな雰囲気の黒猫さん。2つ並べると違いが際立って、面白いですね。 

どちらも1枚もので、絵柄に入っている刻みは、機械で整形されたものでなく、彫刻刀か何かでひとつひとつ彫ったような感じがします。

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こちらはテニスラケット形のしおり。柄の部分にやはり「江之島」の文字がありました。昔もしおりはお土産のひとつとして、流通していたことがわかります。 長さは105ミリ。ほかにもいろんなデザインのしおりがあったのでしょうね。

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最後にカラフルな色合いの、セルロイド製しおり4点をご紹介します。長さ110ミリ、短冊型の頭に、鳩目で留めた三角の部品がつき、ページの上に差し込んで留められる工夫がされています。鳩目に通したモールも可愛らしいですね。近い時代の筆箱でも、同じセルロイド製で、こういった色遣いのものをよく見かけました。筆箱とお揃いで持てたら、ステキだなぁと思ったりして。 

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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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