男の土俵、北葉山
大相撲で横綱、大関は土俵の主役だ。天下の大関である北葉山をつかまえて、脇役にしちまうなんて失礼な話だ。それは百も承知の上で、何かこの人は柏鵬のまた佐田の山、栃ノ海の脇に徹して角界を盛り上げたイメージが強い。そこでこのシリーズで取り挙げた次第である。
彼の全盛期(六0〜六四年頃)、男でモミアゲといわれたら北葉山。女ではアイドルであった中尾ミエの顔が浮かんだものだ。
私がこの人の生涯、最高の一番はいうと矢張り六三年の名古屋場所千秋楽と答えたい。彼のたった一度の幕内優勝でもある。本割りではあっさり佐田の山に敗る。これが伏線で、決定戦では絶妙の(悪くいうと少し汚ない)立ち合いを見せてくれた。立つか立たないか、といった微妙な一番で一瞬相手の佐田の山に心のスキをついた。一気に寄りで難敵を倒し、天皇賜杯を手にした。
親交の深かった村田英雄は、この人をモデルに「男の土俵」を作詞、作曲して自ら歌いヒットさせた。
♪まげも乱れる大銀杏
♪男勝負の道を行く
私はこの歌が大好きで、カラオケは滅多に歌わないがどうしてもの時はこの曲を歌う。村田の歌を聞くたびに、北葉山の顔がオーバーラップして来るから不思議だ。どんな相手にも全力でぶつかり、決して手抜きはしない。粘り強い相撲は定評があり、大敵・大鵬からも十一個の白星をもぎ取っている。どんな力士にも厳しかった師匠の時津風(元双葉山)も、彼だけは「稽古しろ」とはいわなかった。小兵を猛稽古でカバーして大関まで昇進したのは立派。師匠の死後、独立する立田山(元鏡里)に誘われたが、「私は時津風に入門した」とキッパリ断った逸話もある。筋目を通して、後輩の師匠(元豊山)を補佐をした。正に男の土俵を地で行く侠気を見せた。
(生) S10.5.17
<本名> 山田英俊
初土俵 S29.5 引退 41.5
(出身) 北海道室蘭市
優勝1回
殊勲賞1〃
敢闘賞2〃
身 173c
体 119k
<年寄り> 枝川 |
異質な時代劇役者、薄田研二
特撮王国の常連、佐原健二
強肩強打の吉原二世、藤尾茂
”パーっといきましょう”三木のり平
ハヤシもあるでヨ・南利明
ミスター・ニッポン「悪名」でブレーク
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墓場よりの使者、ザ・マミー
アンパンは木村屋だけじゃない、団令子
悲劇の伊達男<Xイート・ダディ・シキ
おいちゃんは俺だ、森川信
非運のレスラー、G草津
当たり役、風車の弥七・中谷一郎
写真判定男、中村剛
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”たこでーす”たこ八郎
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褐色の弾丸・房錦と潜航艇・岩風
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女をなぜなぜ泣かすのよ、城卓矢
教師から俳優へ、戸浦六宏ロッコウ
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当たり役、沢田部長刑事の芦田伸介
名タッグ屋ハードボイルド・ハガティ
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2006年7月12日更新
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