No.4 火の用心!福助消火弾119と理化學應用粉末消火器

1.福助.jpg

「火の用心!」カチカチ‥‥。「火の用心!」カチカチ‥‥。
毎年恒例夜回りの季節がやってきました。町内の大人に子供たちが混じって、元気な声と拍子木を打つ音が鳴り響いています。冬の寒い中、本当にごくろうさまです。
自分の暮らしている場所が、本郷台という台地の崖下だと、旦那サンに聞いてから、よくよく町を眺めてみると、確かに低い土地に民家が密集しています。近年では、建て替えがだいぶ進みましたが、まだまだ連綿と続いてきた町の歴史を垣間見ることができる、古い町並みが残った味わい深い所なので、万が一火事が起きれば、被害が大きいであろうことは、容易に想像ができます。けれど、そこは土地柄といいましょうか、数年前に火事が起きた時に、町内の方々の機敏かつ一致団結した行動力には、目を見張るものがありました。どこからともなく出てくる、出てくる、人と消火器! 使用済みの消火器は、どんどん路上に積まれて、消防自動車よりも素早い対応に、役立たずの私はオロオロと眺めるだけ。ちなみに旦那サンは消火器持って走っていましたけど‥‥。幸いボヤ程度で済み、隣接した家屋には燃え広がらずに済みました。

2.消火器全体.jpg

でも、「消火器ってパッと使える?」と聞かれると、ちょっと不安です。私の場合「えっと、このレバーは‥‥」とかいってる間に、被害が拡大してしまいそうです。そんな私でも簡単に使用できるのが、今回ご紹介する"消火弾119"です。使用方法は、火に向かって投げるだけ。達磨を連想する赤い色と卵のような形、そして、なんともいえない無表情の福助に惹かれ、つれて帰ったのは、もう何年も前のこと。消火に福助? おもしろいですよね。部屋のインテリアに合うようにデザインされたのでしょうか? 台所に置いても邪魔にならない大きさ(高さ15センチ)ですし、存在感があるので失くすこともなく、形が卵型ですから、上に物を積むことも出来ません。単体として置くしかない消火弾119は、よく考えられた構造だと思ったりして。その上「特許出願済、実用新案出願済、意匠登録出願済、商標登録出願済」とも書いてあり、ものすごい気合いを感じます。有効期限は25年前の昭和60年とありますから、そんなに古いモノではありません。ちなみに昭和30年に設立された日本ドライケミカル社製です。ちゃんとした製品だったのですね。私はこれ以外に見たことはありませんが、懐かしいと思われる方もおられるのでしょうか。
次にご紹介するのが、"理化學應用 粉末消火器"です。こちらは古く、間違いなく戦前の消火器です。金属の筒に粉末の消火剤が入っており、全長50センチ。大きくて重たいです。でも頑丈ですから、その辺に転がしておいても壊れません(へこんでいますが‥‥)。

3.消火器アップ.jpg

「ウラ梅印粉末消火器ハ 人身ニ無害、永久効力ヲ失ハズ、萬物ヲ汚損セズ、氷結爆發腐蝕等ノ虞ナシ」など、いかに素晴らしい消火器であるかが、全体にプリントされています。"ウラ梅印"というわけで、梅の花の裏面が商標というのもおもしろい! 永久に効力を失わないって、本当かなぁ? 思わず笑ってしまいますが、消火グッズもこうして2種類見ただけで、現在とはまったく違うデザインに、楽しくなるのでした。
さて、平成22年も残すところわずかとなりました。この時期は空気が乾燥しますから、火の元には、くれぐれも用心して過ごしたいですね。

おまけ 気になる街角 

4.猫.jpg

ドキッ、視線を感じました。


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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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このページは、さえきあすかが2010年12月27日 13:53に書いたブログ記事です。

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