No.25 小鳥が描かれたセルロイドケースと根津神社のつつじまつり

全長6センチほどの小さなケースは、華奢な素材である、セルロイドでつくられていました。薄紫とベージュのマーブル模様という、上品な色合いの地紋の上に、ゆらゆらと揺れそうな葉っぱと、つがいの小鳥が金色で描いてあります。なんだか、とても乙女チックな感じがするのは、私だけでしょうか。手のひらにのせて、しばし眺めていたくなります。大きさからマッチケースのような気もしますが、擦るところはありませんし、いったいなにを入れていたのでしょう。女の子の机のひきだしに、このケースがそっと入っていたら、中味は切手かも知れない、なんて、想像するのも楽しいです。

葉っぱといえば、今年も新緑の美しい季節がやってきました。美味しそう(?)な黄緑色の葉っぱが、太陽の光をあびてキラキラと輝く様子は、見ているだけで、癒されるといいますか、気持ちのいい景色です。そして、小鳥たちの声も元気いっぱい。だって、家族をつくる季節でもありますから‥。今年も雛に、何度逢うことができるでしょうか。楽しみのひとつです。


ところで、文京区にある根津神社の"つつじまつり"に、はじめて行って来ました。先日娘に桜を見せたから、今度はつつじだと思い、自転車&スッピン(懲りてない)で、軽い気持ちで行ったのです。‥‥が、行ってビックリしました。ここは東京なのか? と思うほど、スケールが大きいというか、見事なつつじだったのです。視界に収まりきらないつつじ畑(?)は、下から見上げるもよし。上から見下ろすもよし。ただただ見入った私なのでした。

正直いうと、私にとって、つつじの花は、ありきたりな花というイメージがありました。丈夫な花ですから、公園の花壇や街路樹として、身近にあり過ぎるというか、よく見かけるので、わざわざ見にいくという考えがなかったのです。けれど、今回行ってみると、つつじの花って実に種類が多く、黄色い花もあるのですね。はじめて見ました。また、形をしっかり整えられることから、日本の庭園にふさわしい花だと思いました。これほど多くのつつじを、美しく育て上げるには、日頃のお手入れなど、しっかりしておられるのだと思います。

ちなみに花言葉は、「自制心」、「節制」、色によっては、「恋の喜び」、「初恋」、「燃える思い」だそうです。自制心、節制は、なんとなくぴったりな感じです。

そうそう、根津神社から歩いて5分ほどの場所に、"まぼろしチャンネル"の管理人であり(大変お世話になっております)、"昭和迷宮物件"の著者である、刈部山本さんの喫茶店"結構人ミルクホール"があります。隠れ家のような、懐かしい感じのする喫茶店で、しばし日常を忘れて、静かに時間を過ごしたい方にオススメです。私も娘がいなければ、ちょこちょこ顔を出したんですけど‥‥。今は入口でケーキを買うのがせいいっぱいかなぁ(美味しいです)。いずれ、刈部山本さんに交渉をして、きちんとご紹介したい喫茶店なのです。お近くにお寄りの際は、ぜひぜひのぞいてみてくださいね。

 

さて、セルロイドのケースのフタをそっと開けてみました。小さな空がつまっていました。もくもくと白い雲と青い空が‥‥。そんなふうに見えませんか? なにも入れずに、そっと閉じてしまいたくなる、とても小さな空です。

 


追記:4月25日、俳優の田中実さんが亡くなられました(No.2参照)。娘が大きくなってから、自慢をしようと思っていたのに‥‥とてもとても残念です。
ご冥福をお祈りいたします。


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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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このページは、さえきあすかが2011年5月 7日 15:53に書いたブログ記事です。

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