2015年1月アーカイブ
前回につづいて、骨董ジャンボリーでのお話です。
会場に入ると、まずは昔からお世話になっている、古道具月天のTさんのもとへ。昨年は時間が取れずお会いできなかったので、ひさしぶりの再会です。お元気そうな姿を見て安心しつつ、つもる話に花を咲かせながら、モノたちを楽しく拝見しました。
その中で、以前にもご紹介しました「クラブ美身クリーム」なる箱入りのビンが目につきました。もっていないビンです。
紙箱はボール紙の生地で、小さなラベルを貼り付けただけの、ちょっと地味な感じのもの。でも、戦前~戦中のものにしては、状態は悪くありません。
ビンはパッと見、乳白色の顔料を混ぜたガラス製のように見えますが、陶器でできています。
箱の雰囲気や、黒いベークライト製のフタからもお察しのとおり、物資が不足した時代の、代用材料を使った化粧ビンなのでした。Tさんによると、未使用のままで、数がまとまって出たとのこと。状態もよく、嬉しくなりました。
ちなみに、箱、フタ、ビンとも、製造元や所在地の表記はありませんでした。代用品時代のこととて、ラベルの面積も限られたので、書く内容も、極限まで削ったのかもしれません。
ビンのラベルには「HORMONE"CLUB"CREAM」、「ムーリク身美ブラク」、「有含ンモルホ合綜」と、3行の表記がありました。「総合ホルモン」? はて、どんな成分なんでしょう?
ただ今マイブームの、セピア色写真でも一枚、パチリ。戦前の広告写真の気分で。
この世に生まれてから、少なくとも70年という長い時間を経て、私の家に来たビン。いつものことですけれど、しみじみ不思議な感覚におそわれます。
古道具月天さんのブースも撮らせていただいたので、ちょっとご紹介。
ガラス器たちが電灯にキラキラして、とってもきれい。曇りガラスのやわらかな照明は、モノたちの魅力を一段と引き立ててくれます。ケース内外の配置一つ一つに、Tさんの古いものへの愛情が感じられて、楽しくなりますね。
それにしても、骨董ジャンボリーのわずか3日間のために、これらの商品すべてを梱包し、展示するのですから‥‥。本当に大変な作業だなぁと、思わずにはいられません。今回は屋内ですが、露天の市では、さらに雨風の心配もしなければなりませんから、本当に頭が下がります。
もっとゆっくり眺めていたかったのですが、「お腹すいた~!」の娘のひとことで、現実に引き戻されて、後ろ髪引かれる思いでブースを離れ、レストランへ。‥‥まぁ、想定済みです。電車も2回乗り換えたり、たくさん歩きましたから、お腹もすいたのでしょう。
次につづきます。
1月10日土曜日、骨董ジャンボリーへ行って来ました。
毎度のごとく、4歳の娘を連れてのお出かけなので、じっくり見て回る余裕などないであろうことは織り込み済み。でも、電車を乗り継いでの外出というのは、娘にとっていい刺激になるだろうということもあり、ふたりでてくてく探検としゃれこんでみました。
会場で出会ったモノの中で、まず一番にご紹介したいのは、古びたスポンジに並べられた、小さな玩具の指輪たち。
一見、そんなに古いモノではない感じで、戦後も昭和40年代といったところでしょうか。スポンジもご覧のとおり、かなりガサガサに劣化していたあたり、指輪たちがすごしてきた時間を感じさせます。
小さかったころ、私もあこがれましたよ、キラキラと光る可愛らしい指輪! まとまって出ていたせいか、価格の方も割とリーズナブルだったので、写真に撮ってから娘にプレゼントすることにしました。
石の部分は、当然のことながらプラスチックですが、エメラルド、サファイア、オパール、ルビー、ムーンストーンなどをイメージした、ほどよく色あせながらもキレイなカラーリングは、ずらりと並んだ数の効果もあるのでしょう、とても愛らしく感じました。
指輪で思い出したのですが、私のお友達に、水晶で素敵なジュエリーを作っている方がおられます。この方、幼い時にお母さんに買ってもらい、お気に入りだったオモチャのハートを、自ら18金で指輪に仕立てられていました。
何十年も親しんでいたものを、自分でジュエリーにできるだけでもすごい話ですが、世界にひとつだけしかない装身具って、なんだか素敵じゃないですか?
私の家から、電車でビックサイトへとなると、やはり往復とも「ゆりかもめ」で決まり。やはり眺めも素晴らしいし、電車は小さくてかわいらしいし、乗っていて楽しくなりますよね!
行きは新橋から始発なので、眺めのよい一番後ろの席に座り、娘がつれてきたひよこのぬいぐるみと、橋を渡ったときに写真を撮ってみました。 周りを囲んだフェンスが、永遠に続くような不思議な光景。晴れていてよかった!
次につづきます。